「ドローンによる配達サービス」の提供範囲を2022年中に400万世帯まで拡大するとウォルマートが発表
by Walmart
大手スーパーマーケットチェーンのウォルマートが、「ドローンを使った配達サービス」の提供範囲をアメリカの6州・400万世帯に拡大することを2022年5月24日に発表しました。ユーザーは8時~20時までの間、数万点の対象商品から好きなものを注文し、30分以内にドローン配達で受け取ることが可能だとのことです。
We’re Bringing the Convenience of Drone Delivery to 4 Million U.S. Households in Partnership with DroneUp
https://corporate.walmart.com/newsroom/2022/05/24/were-bringing-the-convenience-of-drone-delivery-to-4-million-u-s-households-in-partnership-with-droneup
Walmart expands drone-delivery service to reach 4 million households
https://www.cnbc.com/2022/05/24/walmart-expands-drone-delivery-service-to-reach-4-million-households.html
Googleの親企業であるAlphabetやAmazonなども参入しているドローン配達サービスをアメリカで初めて商業展開したのは、意外にも大手スーパーマーケットチェーンのウォルマートでした。ウォルマートはドローン関連スタートアップのDroneUpと提携し、2021年から本部を置くアーカンソー州の一部でドローン配達サービスを展開しており、実際に顧客の下まで商品の配達を行っています。
ドローン配達サービスで大手スーパーのウォルマートやGoogleの姉妹企業WingはAmazonの先を行っている、各社の取り組みや規制当局の問題とは? - GIGAZINE
そして5月24日、ウォルマートは2022年中にDroneUpの配達ネットワークを34拠点に拡大し、アリゾナ州・アーカンソー州・フロリダ州・テキサス州・ユタ州・バージニア州の6州、400万世帯を配達可能圏内にすることを発表しました。これにより、ウォルマートは年間で100万個を超える荷物をドローン配達できるようになるとのこと。
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配達圏内に住んでいる人々はDroneUpのウェブサイトなどを通じて、8時~20時の間に頭痛薬・オムツ・パンなどを含む数万点の対象商品の中から好きなものを、重量の合計が10ポンド(約4.5kg)まで注文することが可能。注文した商品は人間のオペレーターによってドローンに積載され、認定オペレーターの監視下でドローンが目的地まで自律飛行し、庭などの安全な場所に商品を置いていくという仕組みです。ドローン配達サービスの利用料は3.99ドル(約510円)となっています。
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ウォルマートは過去数カ月間の運用において、サービスを利用したユーザーから肯定的な反応を得ているとのこと。また、当初は「体調が悪くなった時に薬を注文する」といった緊急時の利用が多いと予想されていましたが、実際には「平日の夜に食材やレトルト食品を購入する」など、純粋に利便性を求めた注文が多いことがわかったと述べています。
また、ウォルマートは単に商品の配達にドローンを利用するだけではなく、DroneUpを通じて保険・緊急対応・不動産などの分野で地元企業との提携も視野に入れています。地元の建設代理店と協力して作業現場を空中から写真撮影するなど、ドローンならでは空中ドローンならではのソリューションを提供し、その収益で配達コストの相殺やドローン運用の拡大、飛行データ収集などを進めるとのことです。
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