ジェフ・ベゾスがTwitterを買収したイーロン・マスクと中国の関係が悪化するのではと指摘
テスラやSpaceXの創業者であり、世界有数の資産家でもあるイーロン・マスク氏が、Twitterを440億ドル相当(約5兆6000億円)で買収することが明らかになりました。これに乗じて、Amazon.comの創業者であるジェフ・ベゾス氏が「中国でのテスラの経営が難しくなるのでは?」という挑発的な疑問を投げかけています。
Jeff Bezos Takes Aim at Musk’s Twitter Deal With China Jibe - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-04-26/bezos-asks-will-musk-s-twitter-deal-disrupt-tesla-in-china
世界最大の電気自動車市場である中国には、テスラにとって初の海外工場がある土地でもあります。2021年に生産されたテスラ車の半分は同社の上海工場で製造されたものであり、マスク氏は「この数字が倍になる可能性がある」と中国工場の重要性を語ったこともあります。
そんな中、ベゾス氏は「2021年、テスラにとって2番目に大きな市場は中国でした。中国のバッテリーメーカーはテスラの電気自動車にとって主要なサプライヤーとなっています。2009年以降、中国がTwitterを禁止してから、中国政府はTwitterに対してほとんど影響力を持っていませんでした。(しかし、マスク氏のTwitter買収により)それは変わったかもしれません」というツイートを引用し、「興味深いです。中国政府は町の広場(Twitter)について少し影響力を獲得したということでしょうか」とツイート。
Interesting question. Did the Chinese government just gain a bit of leverage over the town square? https://t.co/jTiEnabP6T
— Jeff Bezos (@JeffBezos) April 25, 2022
続けて、「この質問に対する私の回答は『おそらくそうではない』というものです。より可能性の高い結果としては、Twitterでの検閲が起きるというものではなく、テスラの中国での複雑さが高まるというものです」「ただし、マスクはこの種の複雑さをうまくナビゲートするのが得意です」とツイートしています。
But we’ll see. Musk is extremely good at navigating this kind of complexity.
— Jeff Bezos (@JeffBezos) April 26, 2022
Twitterの買収が決定したのち、マスク氏は「私を批評する人たちにもTwitterに残ってほしい。なぜなら、それこそが言論の自由なのだから」とツイートしました。これは買収後も、Twitterはより言論の自由が認められるプラットフォームとなるとアピールする行為でした。しかし、Twitterは中国では政府当局により利用が禁じられています。
I hope that even my worst critics remain on Twitter, because that is what free speech means
— Elon Musk (@elonmusk) April 25, 2022
そもそも、マスク氏の電気自動車会社であるテスラは中国から税制優遇措置・低額融資・中国国内事業の完全所有の許可など、さまざまな優遇措置を受けており、これが中国での事業成功につながったとも言われています。そんな蜜月の関係にあるテスラおよびマスク氏と中国政府の関係が、Twitterの買収により崩れるのではとベゾス氏は暗示しているわけです。
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