ハードウェア

停電などの電源遮断時にデータが消えてしまうSSDとそうでないSSDが存在する


Appleでプログラマーとして働くRuss Bishopさんが「異なるブランドの4つのNVMe SSDをテストしたところ、電源切断でデータが削除されてしまうものとそうでないものが判明した」と報告しています。

SSD cache issue – despite flushing, there is a risk of data loss in the event of a power outage
https://www.techgamingreport.com/ssd-cache-issue-despite-flushing-there-is-a-risk-of-data-loss-in-the-event-of-a-power-outage/

4つのベンダーから4つのNVMe SSDをランダムに選んでテストしたというBishopさん。テストの内容は、SSDがデータをダウンロードしたことを確認してから、手動でケーブルを切断するという、コンピューターへの電源遮断をシミュレートしたもの。このテストの結果、2つのSSDでは電源がオフになった際にデータが不揮発性のNAND型フラッシュメモリにデータが保存されているはずなのに、消えてしまったそうです。フラッシュメモリは「電源を切ってもデータが保存される不揮発性の半導体メモリ」であるため、データが消えてしまうのはおかしいとBishopさんは指摘しているわけです。


Bishopさんがテストしたところ、SSDのうち2つはキャッシュデータが消えてしまったそうです。一方で、残りの2つはどのタイミングで電源を遮断してもデータが消えることはありませんでした。

Bishopさんが完全にランダムに電源を落とす実験を行ったところ、4つのSSDのうち1つは40%の確率でデータが消えてしまったそうです。一方、2つのSSDは何をしてもデータが消えることはなかったとBishopさん。このような検証はどのレビューサイトでも行われていないため、「一般的な消費者はPCのクラッシュや停電でストレージからデータが消えるのはコンピューターの仕様だと思い込んでいるでしょう」とBishopさんは記しています。


通常、データは短時間だけ一時的にキャッシュに保存され、その後、データは永続メモリ(PMEM)部分に保存されます。停電時などにキャッシュ上のデータが消えてしまうのは、一部のSSDがDRAMキャッシュに揮発性メモリを利用しているためです。

なお、Bishopさんのテストで突然の電源切断でもデータを消失しなかったのは「Samsung 970 EVO Plus 2TB」と「WD Red SN700 1TB」という2つのSSD。当初、Bishopさんは電源切断でデータが消えてしまうSSDメーカーについては「名前を明かすとそのブランドのSSDが価値のないものになってしまうため、情報公開はご容赦ください」としていたのですが、その後、方針を転換して「SK Hynix Gold P31 2TB SHGP31-2000GM-2」と「FW 31060C20 Sabrent Rocket 512」は電源遮断によりデータが削除されてしまうケースがあったと明かしています。


なお、Bishopさんは「さらに8つのSSDを検証する予定」と語っており、検証予定のSSDは以下の8つです。

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in ハードウェア, Posted by logu_ii

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