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Amazonで販売されている「16TBの格安SSD」の中身がただの64GBのmicroSDカードだった


ノートPCのストレージ容量不足やバックアップなどの用途に外付けSSDを利用している人は多いはず。AmazonではSamsungSanDisk製などの有名メーカーの製品に加えて、聞いたことのないメーカーの16TBの大容量外付けSSDが約100ドル(約1万3000円)という格安で販売されています。これらの製品を分解した結果、実際には64GB以下の容量しか保存できない、偽装された製品であることが確認されました。

Why the Heck Is Amazon Selling These Fake 16 Terabyte Portable SSD Drives? – Review Geek
https://www.reviewgeek.com/142496/why-the-heck-is-amazon-selling-these-fake-16-terabyte-portable-hard-drives/

Fake SSDs with great reviews are still popping up on Amazon - The Verge
https://www.theverge.com/2023/1/16/23557569/amazon-scam-review-merging-16tb-external-ssds

Amazonで16TBの外付けSSDを検索するとすぐに見つかる製品は主に「WIOTA」や「SAJIULAS」といった無名メーカーの製品。しかし、これらは高速なM.2 SSDであることを主張しています。

一般的にSamsungやSanDiskなどの有名メーカーは16TBの大容量外付けSSDは販売しておらず、一例としてSanDiskが販売する外付けSSDの最大容量は4TBで価格は約7万円です。一方で「WIOTA」や「SAJIULAS」などが販売する大容量外付けSSDの価格は100ドル(約1万3000円)未満で、レビューでは多数の星5を獲得しています。

そこで、テクノロジー系レビューサイト・Review Geekのジョシュ・ヘンドリクソン氏は実際にAmazonで16TBのSSDを購入し、検証や分解を行っています。


ヘンドリクソン氏は最初に、SSDの容量が一杯になるまでドライブにデータを書き込む検証を行いました。その結果約64GBでSSDは一杯になり、この製品が容量偽装を行っていることが明らかになりました。また、ヘンドリクソン氏が購入した製品はUSB 3.1をアピールしていたものの、実際には低速なUSB 2.0程度の性能しかないことも判明したとのこと。


ヘンドリクソン氏がこのSSDを分解すると、中にはUSB-Cアダプターとして機能する回路基板と、基板に装着された64GBのmicroSDカードが発見されました。PC接続時にこのSSDの容量が16TBと表示されたことについて、ヘンドリクソン氏は「回路基板のファームウェアが実際とは異なる容量を表示させています」と述べています。


テクノロジー系ニュースサイトのThe Vergeは「16TB SSD」の検索結果の半数以上はこれらの偽装SSDであることを確認しています。

また、偽装SSDが軒並み高評価を得ている理由について、ヘンドリクソン氏は「レビューの統合」が行われていると指摘。「レビューの統合」とは、メーカーが過去に販売していた全く別の製品のレビューだけを残し、製品画像や価格などすべてを変更してしまうというもの。良いレビューを流用し、悪いレビューが蓄積した場合は、その製品ページを削除してしまうそうです。

ヘンドリクソン氏は「購入したい製品についてよく分からない場合には、レビューをよく確認してください。もしも製品とレビュー内容が一致しない場合、購入は控えてください」と注意喚起しています。また、The Vergeは「16TB SSDの価格と同じ約100ドル(約1万3000円)でSamsungやSanDisk、Western Digitalなどの有名メーカーの評判の良いSSDを購入することができます」と述べ、SSDは信頼できるメーカーから購入することを推奨しています。

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in ネットサービス,   ハードウェア, Posted by log1r_ut

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