生き物

「毒ガスを放つ球体」「魚を丸呑みしたクラゲ」など奇妙な漂着物11選


2021年には沖縄を中心に日本各地の海岸に大量の軽石が漂着し、大きく報じられました。世界全体に目を向けると悪臭を放つクジラや魚を丸呑みしたクラゲなど数多くの奇妙な漂着物が報告されています。科学的メディアのLive Scienceが数多く報告される漂着物の中から「2021年の奇妙な漂着物11選」を選出していたのでまとめてみました。

11 strange things that washed ashore in 2021 | Live Science
https://www.livescience.com/strange-things-washed-ashore-2021

◆01:世界中で目撃される何百万ものクラゲ
以下の写真は、毒を持つクラゲ「カツオノカンムリ」が海岸に打ち上げられた様子を捉えたものです。カツオノカンムリは背中が帆のような構造をしており、風の力で餌場を移動します。このため、風のパターンによっては何百万ものカツオノカンムリが海岸に打ち上げられるとのこと。


大量のカツオノカンムリが打ち上げられると、浜辺が黒色に染まります。2021年3月に発表された(PDFファイル)研究では、海水温の上昇によってカツオノカンムリの大量漂着頻度が高まっていることが明らかになりました。加えて、日本でも2021年3月に鹿児島県奄美市で大量のカツオノカンムリが海岸に打ち上げられたことが報告されています。


◆02:スコットランドの沖合で救助された若いシャチ
2021年1月にスコットランドの沖合に浮かぶサンデー島の浜辺に座礁して体長3.4mのシャチが発見されました。シャチはイギリスの海獣救助組織・British Divers Marine Life Rescue(BDMLR)に所属する8人の救助チームによって沖へと戻されたとのこと。BDMLRのエリアコーディネーターを務めるNeave Webb氏は「浜辺に打ち上げられた海獣を救うための設備と人が整っている島に座礁したことは、シャチにとって幸運なことでした」と述べています。


◆03:体長8mの巨大ウバザメ
ウバザメは、世界最大の現生魚類であるジンベイザメに続いて2番目に大きい魚類です。2021年1月にアメリカ・メイン州の海岸で発見された以下のウバザメは体長が8mに達していました。記事作成時点では巨大ウバザメの死因は明らかになっていません。


◆04:ロープのようなサンゴ
以下の写真は白と黄色のロープが絡まったものに見えますが、実際にはサンゴの一種である「Leptogorgia virgulata」です。Live Scienceによると、Leptogorgia virgulataは赤・黄色・オレンジ・紫といった鮮やかな色合いを見せるとのことです。


◆05:同時に座礁した40頭のクジラ
2021年2月にクジラの一種「ヒレナガゴンドウ」が40頭同時にニュージーランドの浜辺に座礁する事態が発生しました。地元のボランティアたちは満潮までの間、ヒレナガゴンドウの体表に水をかけて体温上昇を防ぐなどの保護活動を実施。満潮後にはボートに寄る巡視を行い、ヒレナガゴンドウが陸に近づかないようにしました。ボランティアたちの努力によって座礁した40頭のうち31頭が無事に沖へと帰還したことが確認されています。


◆06:有毒な黒い球体
2021年2月にイスラエルの海岸線160kmにわたってタール状の球体が出現しました。この球体は沖合を航行する船舶から流出した油が濃縮されたものと考えられており、有毒なガスを発していました。この有毒ガスによって野生生物の生存が脅かされただけでなく、清掃に参加したボランティア数名が体調不良によって病院へ運び込まれたとのこと。イスラエル政府はこの事態を「非常に深刻な生態学的災害」と説明しています。


◆07:フロリダで発見された「アマゾン川の怪物」
ピラルクーはアマゾン川流域に生息し、体長3mまで成長する巨大な淡水魚です。このピラルクーの腐敗した死骸が、フロリダ州のメキシコ湾で発見されました。ニコールズ州立大学で生態学を研究するソロモン・デイビッド氏によると、ピラルクーがフロリダ州に定着するにはまとまった個体群が必要とのことで、死骸の発見はピラルクーのフロリダ侵入を直接意味するわけではないとのこと。しかし、将来的にピラルクーがフロリダ州に定着しないように野生生物管理当局は目を光らせるべきだとデイビッド氏は主張しています。


◆08:巨大アカマンボウ
2021年7月に、オレゴン州の浜辺に体長1m、重さ45kgのアカマンボウが打ち上げれました。アカマンボウは一般的にカリフォルニア州の沖合やハワイ近辺に生息するため、それらの地域から何百kmも離れたオレゴン州で発見されたことは人々を驚かせました。アメリカ海洋大気庁に所属する生物学者のハイジ・デュワー氏は「海水温が上昇するにつれて、複数種の海洋生物が北に移動していることが確認されています」と述べており、アカマンボウが普段より高緯度な地域で発見されたことは気候変動に伴う海水温上昇が影響している可能性が指摘されています。


◆09:クラゲに閉じ込めれた魚
浜辺にクラゲが打ち上げられている様子は日常的に観察されていますが、2021年8月にイギリスのコーンウォールの浜辺に打ち上げられたクラゲは「透明な膜の中に魚を取り込んでいた」ことによって大きな話題となりました。Live Scienceによると、クラゲに取り込まれた魚は本来ならゆっくりと消化されるそうですが、魚を取り込んだ直後にクラゲが浜辺に打ち上げれて死亡したため、ほぼ完全な状態の魚を観察できたというわけです。


◆10:巨大ノコギリエイ
2021年4月にフロリダキーズで体長4.9mのノコギリエイの死骸が発見されました。発見された時点でノコギリエイが死んでいたためノコギリエイの世界最大記録を塗り替えることはできませんでしたが、死骸の分析によってノコギリエイの年齢は14歳と推定されました。魚類学者のグレッグ・ポラキス氏によると、14歳という年齢はこれまでに記録された最高齢のノコギリエイと並ぶとのこと。ポラキス氏は「このような大きな生物が死ぬことは悲しいことですが、この個体は多くの科学的知見をもたらしてくれました」と述べています。


◆11:悪臭を放つクジラ
2021年7月にマサチューセッツ州のプライベートビーチに打ち上げられて体長6.4mのクジラの死骸は、その悪臭によって大きな話題となりました。クジラが打ち上げられた浜辺の付近にに住むリン・ホールズワース氏は「私は反対側の丘の上に住んでいて、海の空気の香りを楽しみたいと思って外を歩く日もあります。しかし、今は死んだクジラの匂いしか感じません。それはごみ箱の死骸のように思えます」と述べ、悪臭のひどさを強調しています。

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in 生き物,   Posted by log1o_hf

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