ハードウェア

ウネウネ動いてファミコンのスーパーマリオをクリアするロボットハンドが爆誕


メリーランド大学の研究チームが3Dプリンターを用いて人間の指のように滑らかに動作するロボットを作成しました。このロボットは送りこまれる空気の圧力によって指の曲がり具合を調節可能で、「スーパーマリオブラザーズ」の1面をクリアする様子も公開されています。

Fully 3D-printed soft robots with integrated fluidic circuitry | Science Advances
https://advances.sciencemag.org/content/7/29/eabe5257/tab-figures-data

Maryland Today | Robot’s Soft Touch Beats Super Mario
https://today.umd.edu/articles/robots-soft-touch-beats-super-mario-33868d46-f00b-467a-ad2c-ed034122971e

研究チームは、人間や動物の柔軟性に富んだ動きをロボットで再現する「ソフトロボティクス」と呼ばれる分野を研究しています。研究チームによると、従来のソフトロボティクスではロボットハンドの指の動きを制御する際は、それぞれの指に別々の命令を与える必要があったとのこと。そこで、研究チームはロボットハンドに送りこむ空気の圧力を切り替えるだけで、複数の指を制御できるシステムの開発に取り組みました。

また、研究チームによると、ロボットハンドのような複雑な機械を組み立てるには高度な専門知識と長い作業時間が必要になるとのこと。研究チームはこの問題を解決するべく、3Dプリンターを用いてロボットハンドを作り出す手法も開発しました。


研究チームは、3Dプリンターで作成したロボットハンドに、空気圧の強弱に応じて「空気圧0:どのボタンも押さない(A)」「空気圧弱:十字キーの右ボタンを押す(B)」「空気圧中:十字キーの右ボタンとAボタンを押す(C)」「空気圧高:十字キーの右ボタンとAボタン、Bボタンを押す(D)」と、4種類の動作を設定しました。


さらに、あらかじめ空気圧を切り替えるタイミングを設定しておくことで、スーパーマリオブラザーズの1-1面をクリアできるようにしました。


以下のムービーでは、実際に開発されたロボットハンドがウネウネと動いてスーパーマリオブラザーズをプレイする様子を確認できます。

Robotic Hand Has Knack for Video Games - YouTube


3Dプリンターで出力したロボットハンドの見た目はこんな感じ。3本の指に関節が2カ所ずつ付いています。


ムービーではロボットハンドの内部の部品がウネウネと動く様子も確認できます。


上記の通りに空気圧と動作を設定したロボットハンドをコントローラーに近づけて固定します。


すると、ロボットハンドが動き出してスーパーマリオブラザーズのプレイが始まりました。奥に置かれたディスプレイの左側には、ロボットハンドに送りこまれる空気の圧力が表示されています。


無事にゴールまでたどり着きました。


研究チームは「スーパーマリオブラザーズでは、たった1回のミスですぐにゲームオーバーになる可能性があります。そのため、スーパーマリオブラザーズをプレイすることは、ソフトロボットのパフォーマンスを評価する新しい手段になり得ます」と、今回の研究でロボットハンドにスーパーマリオブラザーズをプレイさせた意義を語っています。

また、研究チームは今回開発した技術をリハビリテーション装置や医療機器、カスタマイズ可能な義手などの医学的な用途に応用する方法を模索しているとのことです。

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in ハードウェア,   サイエンス,   動画,   ゲーム, Posted by log1o_hf

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