AmazonはKindleを通してどのくらいユーザーのデータを収集しているのか?
Amazon Kindleは電子書籍および電子書籍リーダー、電子書籍閲覧アプリなど、電子書籍に関するさまざまなサービスを提供しています。Kindleはユーザーデータを収集して閲覧履歴に基づく商品の提案するなど、さまざまな機能が搭載されていますが、実際にAmazonはKindleを通じてユーザーから一体どのようなデータを収集しているのかを、DuckDuckGoのエンジニア、Charlie氏が調査しています。
Kindle Collects a Surprisingly Large Amount of Data
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Charlie氏は2007年に登場したKindle 1から2018年登場のKindle Paperwhiteまで、欠かすことなく手に入れてきたKindle愛好家でした。しかし、ユーザーがダウンロードした本をAmazonがKindleから削除するケースや、Amazonがユーザーアカウントを一方的に削除して購入した本へアクセスできなくさせるケースがいくつか発生したことから、Amazonに対する不信感が募ったそうです。
Kindleはユーザーの使用状況などのデータを収集することで、ブックマークやメモ・最後に読んだページなどを端末間で同期させたり、閲覧履歴に基づいておすすめの本を表示したりする機能が搭載されています。Charlie氏は「Kindleは本当にサービスに必要なデータだけを収集しているのか」という点に疑問を持ち、実際にどのようなデータがKindleからAmazonに送信されているのか調査を開始しました。
調査の結果、Charlie氏は「Kindleは端末情報や、利用状況のメタデータをアカウントに紐付けて収集しています。アプリを開いたり、本を読んだり、ページをめくったり、本を閉じたりするたびに、100以上のデータがAmazonのサーバーに送られていました。基本的に、Kindleはユーザーが読書中に行ったすべての操作を追跡しているということです」と述べています。
また、Kindleは読み込まれたすべてのページから、「ページが開かれた時刻」「ページの最初の文字」「ページの最後の文字」「ページが画像かテキストか」といった情報も収集しているとのこと。ユーザーが単語をハイライトしたりタップしたりすると、リクエストがテキストとともにBingやWikipediaに送信されるほか、Amazonにも送信されていたそうです。また、ユーザーの個人情報も収集されており、居住国・IPアドレス・端末の画面サイズ・端末のメーカー・ソフトウェアバージョンなどがAmazonに送られていたことをCharlie氏は突き止めました。
Kindleが収集したデータの多くは、ローカルで保存されてからAmazonのサーバーにアップロードされている模様。ユーザーがオフラインであっても収集したデータは保存され、オンラインになった際にまとめて送信されるようです。
「Kindleは大きなプライバシーを侵害していたわけではありませんが、思わぬ情報をたくさん記録していました。私は約1年をかけてKindleから離れようとしていて、今はiPhoneでMarvinを使って電子書籍を楽しんでいます。電子ペーパーが恋しくてたまらないのですが、Kindleはもう使っていません」とCharlie氏はコメントしています。
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