Human sperm uses asymmetric and anisotropic flagellar controls to regulate swimming symmetry and cell steering | Science Advances
https://advances.sciencemag.org/content/6/31/eaba5168
Scientists Disprove 340-Year-Old Belief on How Sperm Moves: Apparently, They Like to Spin | Science Times
https://www.sciencetimes.com/articles/26700/20200801/scientists-disprove-340-year-old-belief-sperms-move-apparently-spin.htm
1674年にアントニ・ファン・レーウェンフックが顕微鏡を発明し、微生物を発見したことで科学を大きく進歩させました。その後、1677年にレーウェンフックは顕微鏡で精子を確認し、王立学会の秘書に対し「精子は尾をヘビやウナギのように動かして泳ぐ」という手紙を書きました。実際に科学者によって顕微鏡下で精子が泳ぐ様子が確認されたことから、レーウェンフックの発見は科学の定説となっていました。
しかし、3D顕微鏡と数学的知識によって、約340年にわたって信じられてきた定説が覆されることになりました。
Polymaths Laboratoryの代表でありブリストル大学のエンジニアリング数学者であるHermes Gadelha氏が科学誌・Science Advancesに発表した研究によると、精子はウナギやヘビではなく「カワウソ」のように泳ぐとのこと。カワウソは、体全体をねじるようにして泳ぐことで知られています。
実際に精子が泳ぐ様子を3Dアニメーションで再現するとこんな感じ。
Human sperm swims like a corkscrew in 3D - YouTube
その軌跡を見ると、尾が円を描くように動くことで、精子が前進していることがわかります。
前から見るとこう。
なお、カワウソが同様にして泳ぐ様子は以下のムービーから確認できます。
チューブの中をローリングして泳ぐユーラシアカワウソ - YouTube
Gadelha氏ら研究者は、1秒間に5万5000フレームを記録するハイスピードカメラを使って精子の動きを確認しました。その結果、長年信じられてきた「ヘビのように左右に尾を揺らす」動きではなく、精子の尾は「精子本体と共に動き、共に回転する」ことが判明しました。コルク抜きのように一方向にだけ回転することで精子は前に進むとのこと。
研究者はこの発見に非常に驚き、その後2年かけて、何度も確認を行い、数学的に発見が正しいことを確認しました。
この発見は精子の動きや健康の謎を解き明かす鍵になる可能性がある考えられています。研究者はこの発見から、男性側の受精能力に関する研究が進むことを期待しているとのことです。