「クラクションを鳴らすと赤信号の時間が延びる」信号機をインド警察が導入しようとしている理由とは?
インドのムンバイ市警はクラクションを鳴らすと赤信号の時間が延びるという特殊な信号機の導入試験を行っています。そんな特殊すぎる信号機がなぜ必要になるのか、その背景をムンバイ市警察自身がムービーで解説しています。
Horn not okay, please!
— Mumbai Police (@MumbaiPolice) January 31, 2020
Find out how the @MumbaiPolice hit the mute button on #Mumbai’s reckless honkers. #HonkResponsibly pic.twitter.com/BAGL4iXiPH
Mumbai tests traffic lights that stay red if you honk your horn - CNN
https://edition.cnn.com/2020/02/05/india/mumbai-traffic-lights-tests-scli-intl/
舞台はインド第2の大都市、ムンバイ。
13億人を超える人口を誇るインドでは、人も多ければ車も多く、道はこんな感じの渋滞っぷりです。
そんなインドで信じられている迷信の1つが、「クラクションを鳴らせば青信号に変わるのが早くなる」というもの。ムービーでは、赤信号の間にみんなが一斉にクラクションを鳴らしまくる様子が写されており、すさまじい大騒音を生み出していることが理解できます。
この騒音をなんとかしようと立ち上がったのがムンバイ市警察です。
ムンバイ市警察は、騒音の大きさを計測するデシベルメーター(騒音計)を市内数カ所の信号機に試験的に設置しました。
この騒音計は、マイクが音を検知すると……
音の大きさを表示します。
さらに、その表示が85デシベル(DB)に達すると……
赤信号の時間が初期値の90秒に戻るという機構を搭載。
この信号機を設置した次の日もムンバイ市民はいつも通りクラクションを鳴らしまくっていました。
しかし、クラクションの大合唱を騒音検知システムが検知。赤信号の時間が延長されてしまいました。
「なんだこりゃ!?」と思わず車から身を乗り出して状況を確認するドライバーたち。
そんなドライバーたちが見たものは、信号横の電光掲示板に表示された「クラクションを鳴らせば、もっと待つことになる」という文字でした。
この表示について口々に語り合った結果……
ドライバーたちはクラクションを鳴らすのを止めました。
まだクラクションを鳴らしているドライバーに抗議する人も登場。
この結果に、警察官も互いにハイタッチしてニッコリ。
ムンバイ市警広報官のPranay Ashok氏は「上記の実験は1日15分、ムンバイ市内の主要な交差点数カ所で行われました」と説明し、「このシステムの設置箇所を順次増やしていく予定で、最終的に全国の交通網に導入できればと考えています」とコメントしました。
世界の渋滞情報を公開するTomTom Trafficは、ムンバイの交通渋滞を世界4位とランク付けしており、2019年にはムンバイ市のドライバーは1年あたり8日17時間も渋滞によって時間を失っていると発表しました。
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