NASAも採用する結束バンドよりも丈夫で長持ちするケーブルの結束技法「ケーブルレーシング」
「ケーブルレーシング」は複数のケーブルを糸で束ねる手法です。ケーブルレーシングは結束バンドよりも丈夫で長持ちする結束の方法ですが、使用者は減ってきています。
The Lost Art of Lacing Cable - The Broadcast Bridge - Connecting IT to Broadcast
https://www.thebroadcastbridge.com/content/entry/12400/the-lost-art-of-lacing-cable
ケーブルレーシングの耐久性以外の利点とは、「邪魔にならない」ということ。結束バンドではケーブルをまとめたときに、結束バンド自体が物理的に邪魔になってしまいます。一方、ケーブルレーシングはケーブルに沿うように糸で束ねるので、ほとんど邪魔になりません。さらに、ケーブルレーシングは1本の糸でどんな太さのケーブルでもまとめることが可能で、結束バンドのように複数のサイズを用意する必要はありません。
ケーブルレーシングはやり方も簡単。以下の方法は、ケーブルやワイヤを販売するTechflexによる基本的なケーブルレーシングの例です。まず以下の画像のように、スクウェアノット(左端の結び方)を1回とロックステッチ(真ん中と右端の結び方)を2回行って、左右からぎゅっと引っ張って結び目を作ります。この結び目がケーブルレーシングの始点になります。
始点から終点までは等間隔にロックステッチでケーブルを結び、糸自体はケーブルと平行になるように沿わせます。
終点は始点と逆向きになるように、ロックステッチ2回(左端・真ん中)とスクウェアノット(右端)1回で結んでから、ぎゅっと縛ればOK。
途中で束ねるケーブルの本数が変わっても、1つのケーブルレーシングで束ねることが可能です。
詳細なやり方を示したPDFは以下から読めます。
(PDFファイル)HOW TO USE THE LACING TAPE....pdf
ケーブルレーシングに使用する糸はワックスを塗ったリネン糸が通例とのことですが、ナイロン・ポリエステル・テフロン・グラスファイバーなどの糸でも問題ないとのこと。ケーブルレーシングはNASAにも採用されています。
結束バンドの登場によってケーブルレーシングは見る機会が減っているものの、その利点からいまだに一部の用途では使用されているそうです。
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