Chromeのページ読み込み速度を爆速化&データ使用量も90%削減可能なデータセーバー機能に対応した「Chrome Lite Pages」
インターネット上に無数に存在する画像やテキスト、さまざまなデータを楽しむには、高速なウェブブラウザや安定したインターネット回線などが必要。しかし、モバイル機器ではどうしても電波状況が悪かったり、データ転送量が多かったりで、ページを開くのに時間がかかってしまうケースがあるものです。そんな時に便利なのがChromeのデータセーバー機能で、データ使用量は最大90%、ページ読み込み速度は約2倍も高速化することができます。そんなデータセーバー機能に対応したウェブページであるか否かを明確にユーザーに示すため、「Chrome Lite Pages」なるものが登場しています。
Chromium Blog: Chrome Lite Pages - For a faster, leaner loading experience
https://blog.chromium.org/2019/03/chrome-lite-pages-for-faster-leaner.html
Android版のChromeに標準搭載されており、PC版向けには拡張機能が提供されている「データセーバー」は、ウェブページを自動で最適化してページの読み込み速度を高速化してくれるというもの。データセーバー機能を用いればデータ使用量は最大90%削減可能で、ページの読み込み速度も2倍近く速くすることができます。このデータセーバー機能はHTTPだけでなくHTTPSに対応したウェブページ上でのパフォーマンス向上にも適宜対応中で、Chromeの開発チームはHTTPSページでのパフォーマンス向上を求める開発者に対し、直接フィードバックを提供するという試みも行っているとのこと。
Chromeはページがデータセーバーに最適化されていることをユーザーに明確に示すため、URLバーに「Lite」という表示を追加したことを発表しています。ユーザーはこの表示をタップして詳細な情報を表示したり、元のページを読み込んだりすることが可能。加えて、Chromeはユーザーがデータセーバー機能でスリムアップされたページではなく元のウェブページを頻繁に表示している場合、サイトごとあるいはユーザーごとにLiteページを自動的に無効にしてくれるそうです。
Chrome Lite Pagesではページの読み込みを改善するため、組み込みの最適化およびGoogleサーバーの利用を行います。具体的な最適化手法は、ユーザーがどの地域にいるか、開発者がその特定のページをどのように作成して提供しているかにより異なってくるそうです。ChromeがHTTPSページを最適化するとURLだけはGoogleと共有されますが、クッキー・ログイン情報・パーソナライズされたページコンテンツといったその他の情報が共有されることはありません。
なお、Liteページはページの読み込み速度がユーザーにとって苦痛なレベルで遅い場合にのみ表示されるもので、その条件はネットワークの接続タイプが「2G」や「slow-2G」の場合、もしくはFirst Contentful Paintに5秒以上かかるとChromeが予測した場合のみだそうです。
Android版ChromeでLiteページを試すには、ブラウザの設定メニューからデータセーバー機能を有効にする必要があります。その後、読み込みが非常に遅いウェブページを読み込むだけでOK。高速なネットワークを利用している場合は「chrome://flag」から「#force-effective-connection-type」を任意の2Gオプションに設定する、という手法もあります。その場合、自動で機能が無効化されないように「#ignore-previews-blocklist」を有効にしておく必要があるとのことです。
なお、Liteページは非常に読み込みが遅いページでのみ機能するものであるため、Googleはウェブページの運用者が自身のページがどの程度うまく表示できているかを詳細に知り、パフォーマンスを改善するためにLighthouseやPageSpeed Insights、WebPageTestといったツールを使用することを推奨しています。また、開発者が迅速で高性能なウェブエクスペリエンスを構築するためのベストプラクティスを学ぶためのガイドとして「web.dev」を挙げています。
Chrome Lite Pagesは引き続き改善予定で、いつでも無効にするオプションが提供されています。また、ウェブページのメインHTMLのCache-Controlヘッダ部分に「no-transform」を追加すれば、ウェブページの作成者が任意にLiteページを無効化できます。
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