Nintendo Switchで次期バージョンのAndroid 10 Qを起動させた猛者が登場

任天堂の家庭用ゲーム機であるNintendo SwitchをハッキングしてAndroidを動かすムービーが公開されています。しかも、このムービーの中で動いているAndroidは、記事作成時点でリリースされている最新バージョンのAndroid 9 Pieではなく、さらにその次期バージョンとなるAndroid 10 Qとなっていました。

Android gets ported to the Nintendo Switch! - You might soon be able to turn your Switch into a fully-fledged tablet - Wololo.net
http://wololo.net/2019/02/24/android-gets-ported-to-the-nintendo-switch/

2019年2月13日に、Nintendo Switch上で起動させるマルチエミュレーターシステムを開発するnatinusala氏が「自分がやったわけじゃないがシェアする価値がある」と、Nintendo Switch上でAndroidを起動している様子の画像を公開しました。

そして、Androidの開発者であるMax Keller氏が2月23日に公開したムービーでは、Androidが確実に動いている様子を見ることができます

Nintendo Switch本体の液晶ディスプレイはタッチパネルになっているので、フリックやスワイプなど、スマートフォンやタブレット端末ではおなじみのタッチ操作が可能となっています。

システムでは、端末情報に「Nintendo Switch」と表示されていて……

AndroidのバージョンはQとなっています。

Joy-Con(右)のBボタンを押すと画面が戻ることから、Joy-Conの認識は行われる様子。

Wi-Fiも問題なく検知できていて……

Bluetoothも対応しています。

ストレージも認識済み。

最後にウェブブラウザを立ち上げて、Googleにアクセスしたところ……

ちゃんとGoogleの検索欄が表示されました。

Nintendo Switchには修正が不可能な脆弱性があり、その脆弱性を突いてハッキングすることで、Nintendo Switch上でエミュレーターやLinuxを起動できることは既に知られていました。Keller氏らがどうやってNintendo Switchをハッキングしたのかは不明で、SDカードのサポートなどがどうなっているのかも明らかにされていません。

Nintendo Switchのパッチ修正不可な脆弱性を用いてLinuxやWiiのエミュレーターを起動させることに成功、悪用すれば端末を破壊することも可能 - GIGAZINE

Nintendo Switchは、アンダークロックされているもののNVIDIA Tegra X1をCPUに据え、4GBのRAMを搭載しているため、Androidを動作させるには十分なスペックを有しているといえます。ムービー内で見られるようにウェブブラウザを起動したり、TwitterやInstagramのチェックをしたり、さまざまなアプリの操作が可能となれば、ゲーム機ではなくタブレット端末として生まれ変わらせることも可能となります。

Nintendo Switch版のAndroid 10 Qの開発には、Keller氏と開発者のByLaws(Billy Laws)氏が関わっているとのこと。Keller氏によると「適切に動作するGPUドライバがまだないためにパフォーマンスはあまりよくない」とのことですが、それでもムービーで示されていた通り、Wi-FiやBluetoothがサポートされ、インターネットへの接続やウェブブラウジングも可能になっているそうです。