「火」は固体なのか液体なのか気体なのか?
by Guido Jansen
化学的に、物質は固体・液体・気体の3つに分類されますが、ゆらゆらと揺れる火をこの3つのいずれかに分類せよと言われると、答えに悩んでしまうはず。火とは一体何なのか?ということが、TED-Edによってアニメーションでわかりやすく解説されています。
Is fire a solid, a liquid, or a gas? - Elizabeth Cox - YouTube
炎の前に座ると、温かさ、木が燃える香り、パチパチという音などさまざまな感覚が得られるはず。
目の前にある炎は止まることなく姿を変え、ねじれたり瞬いたりしますが、この「炎」は一体どういう物質なのか?というのがこのムービーのテーマ。
炎は固体ではなく……
液体でもありません。
風に揺れる様子は気体のようにも思えますが、気体でもありません。科学的にいうと、気体はいつまでも同じ状態を維持していますが、炎は最終的に燃え尽きてしまうためです。
また、火は固体・液体・気体に続く第4の状態「プラズマ」であるともいわれますが、これは間違いとのこと。
他の3つと異なり、プラズマは地球上で一定の状態ではありません。
プラズマは気体が磁場にさらされた時や、何千度、何万度にまで過熱された時に作られます。
一方で、火は数百度という、プラズマ発生よりずっと低い温度で紙や木が燃やされた時に発生します。
固体・液体・気体・プラズマのどれでもないとしたら、火は一体何なのかというと……
そもそも、「物質」ではない、とのこと。火は「燃焼」と呼ばれる化学反応の感覚的な経験なのです。これは秋になると木の葉が赤く変色したり……
リンゴが腐って変色したり……
蛍が光るのと同じこと。これらと炎の違う点は、物理的な物から強烈な体験を生み出しつつ、一度に多くの「感覚」に訴えることです。
燃焼は燃料、熱、酸素といったものを使い、感覚的な体験を生み出します。
キャンプファイアで丸太が発火点まで到達すると、細胞壁が分解され、糖やその他の分子が空気中に放出されます。
この分子は空気中の酸素と反応し、二酸化炭素や水を生み出します。
同時に、丸太の中に残った水は気化、膨張し、木を破裂させてパチパチという音を立てます。
炎が上空に向かって燃え上がっていくのは、重力が炎に「先細っていく」という特徴を与えているのが原因です。
重力がないと、分子の濃度による分散が起こらないので、無重力下での炎は地球上とまったく違う姿になります。
そして、これらの現象を確認できるのは、火が「光」を生み出しているため。
分子は熱された時に光を発しますが、火の色はその分子の温度に左右され、温度が高いと白色あるいは青色に変化します。
また、火に含まれる分子の種類も色に影響を与えます。
丸太の中の化学反応を行っていない炭素分子はすすの形で火にまじり、黄色やオレンジ色の光を生み出します。
一方、銅や塩化カルシウム、カリウムといった金属は、青やピンクといったそれぞれ異なる炎の色を作り出します。
また、火は熱を生み出しますが、この熱のおかげで燃料が発火点以上に保たれ、火が燃え続けることが可能になります。
そして、どんなに大きな炎でも最終的には燃料や酸素がなくなり、消えて無くなってしまうのです。
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in サイエンス, 動画, Posted by darkhorse_log
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