Microsoftが「アメリカ中間選挙の候補者をハッカーが狙っている」兆候を発見
2018年はアメリカで中間選挙が行われ、トランプ政権のこれまでの活動が間接的に評価される重要な年にあたります。11月に投開票が行われる中間選挙に向けて、ハッカーが候補者を狙って活動している兆候をMicrosoftが発見しています。
Microsoft reveals first known midterm campaign hacking attempts - POLITICO
https://www.politico.com/story/2018/07/19/midterm-campaign-hacking-microsoft-733256
2018年7月19日にセキュリティ関連イベントのAspen Security Forumにおいて、Microsoftのセキュリティ担当上席副社長のトム・バート氏が「2018年初頭に偽のMicrosoftドメインがフィッシング攻撃のランディングページとして悪用されたことを発見した」という事実を明らかにしました。バード氏によると、メタデータを分析した結果、このフィッシング攻撃のターゲットは、中間選挙に立候補している3人の候補者であることが判明したそうです。
バード氏はターゲット候補者の名前を明かしませんでしたが、「スパイ活動の観点や、選挙の中断の観点からみて、興味深いターゲットになるかもしれない人だ」と述べています。なお、ハッキングがロシアからのものかについては明らかにはしていません。
Microsoftはすでに偽のドメインを閉鎖し、連邦政府と協力してフィッシングメッセージをブロックしており、ターゲットとされた候補者の選挙スタッフの誰もマルウェアに感染していないことを確認済みで、このフィッシング攻撃自体は完全に無力化されたとのこと。
Microsoftの諜報活動に関する研究者は、今回の中間選挙に向けたロシア組織の活動がシンクタンクや専門家をターゲットにしている兆候は今のところ確認できず、2016年の大統領選挙時との比較ではそこまで活発だとは言えないとのこと。しかし、2018年11月の中間選挙の投開票まで、アメリカは選挙ハッキングへの警戒を解くことはできないようです。
・関連記事
SNS情報から個人の趣向を丸裸にし投票行動を自在に操作する影のネット戦略がトランプ大統領を誕生させた - GIGAZINE
米民主党全国委員会に侵入し機密情報を盗んだハッカー「Guccifer 2.0」がロシア連邦軍参謀本部情報総局の役員だと判明 - GIGAZINE
5000万人分のFacebook個人データは「文化的戦争で戦うための武器」を作るために不正利用された - GIGAZINE
「偽SNSアカウント」で信用させてターゲットの情報を盗み出すサイバー攻撃「NEWSCASTER」とは? - GIGAZINE
トランプ大統領のスマホ利用は「世界一のサイバー攻撃ターゲット」だと議員から懸念が上がる - GIGAZINE
アメリカ政府職員400万人分の個人情報がサイバー攻撃で流出か、攻撃元は中国と報道 - GIGAZINE
McAfeeの創始者ジョン・マカフィーが2016年米大統領選への出馬を表明 - GIGAZINE
・関連コンテンツ