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若者がソーシャルメディアに抱く印象や利用率について詳細に調査した「Teens, Social Media & Technology 2018」

by Elijah O'Donell

シンクタンクのピュー研究所が、10代の若者がソーシャルメディアやテクノロジーとどのように付き合っているかを徹底調査して「Teens, Social Media & Technology 2018」を発表しました。調査によると、10代の若者に特に人気が高いプラットフォームはYouTube・Instagram・Snapchatの3つで、スマートフォンを所持している若者の割合は95%に上り、45%の若者はほぼいつでもオンラインにアクセスできる状況にあるとのことです。

Teens, Social Media & Technology 2018 | Pew Research Center
http://www.pewinternet.org/2018/05/31/teens-social-media-technology-2018/

ピュー研究所による「Teens, Social Media & Technology 2018」は、2018年3月7日から4月10日までの約1カ月にわたり、アメリカ在住の13歳から17歳までの若者1058人と、その両親743人に対して行われたインタビュー調査を分析してまとめたものです。

近年までアメリカの若者の間で絶大な人気を誇っていたFacebookですが、ピュー研究所の最新の調査によると、アメリカ在住の13歳から17歳までの若者の間で「今」最も利用されているのはYouTubeのようです。以下のグラフは左が「普段使用しているオンラインプラットフォーム」、右が「最も頻繁に利用しているオンラインプラットフォーム」を聞いたもの。利用率が50%を超えているのは、YouTube(85%)、Instagram(72%)、Snapchat(69%)、Facebook(51%)の4つで、日本で人気のTwitterはアメリカの若者の場合、3人に1人程度しか利用していないことがわかります。


最も頻繁に利用しているオンラインプラットフォームはまばらですが、Snapchat(35%)、YouTube(32%)、Instagram(15%)の順番に人気です。

また、世帯収入が低い家庭で育った若者は、高収入の世帯で育つ若者よりもFacebookを好むというデータがあります。以下のグラフは世帯収入別にFacebookユーザーの割合を示したもので、世帯収入3万ドル(約330万円)未満の家庭で育った若者の70%がFacebookを利用しているのに対し、3万ドル以上7万5000ドル(約830万円)未満の家庭では56%、7万5000ドル以上の家庭では36%と、世帯収入が増えるほどFacebookの使用率が低下していくことが明らかになっています。


過去の調査データと比較すれば10代の若者の間でソーシャルメディアの利用形態が変化してきていることは明らかですが、これは技術がどのように進化してきたかの一例に過ぎない、とピュー研究所は記しています。そういった変化よりも注目すべきなのは、「10代の若者にとってスマートフォンが遍在的なものになりつつあるということ」だそうです。

調査対象となった若者のうち、なんと95%がスマートフォンを所有もしくは利用できる状態にあるとのこと。性別で分けると男の子は93%、女の子は97%の割合でスマートフォンにアクセス可能な状態にあるとしています。さらに、人種別で見ると白人は94%、黒人は94%、ヒスパニック系は95%で人種による差はほぼゼロで、世帯収入別や両親の学歴別で見ても、「スマートフォンを所有もしくは利用できる状態にある」割合に大きな変化はありません。


加えて、若者がどれくらいの頻度でオンラインにアクセスできる状態かを調査したのが以下のグラフ。濃い青色が「ほぼ常に」、青色が「日に数回」、水色が「低い頻度で」オンラインにアクセスできるということを示しています。2014-2015年のデータではほぼ常にオンラインにアクセスできると回答した若者が24%であったのに対し、2018年には45%まで増加しており、着実に若者のオンラインアクセス環境が整いつつあることが伺えます。


さらに、若者にソーシャルメディアが与える影響について聞いたところ、ポジティブな影響を与えると答えたのが31%、ネガティブな影響を与えると回答したのが24%、どちらともいえないと語ったのが45%という結果になりました。


ポジティブな影響として挙げられたのは、「友だちや家族とのつながりを得られる(31%)」というもので、続いて「簡単にニュースや情報が得られる(16%)」「同じ趣味の人に出会える(15%)」「楽しい気分になる(9%)」「自己表現(7%)」「他人からの支援が受けられる(5%)」「新しいものについて学べる(4%)」「その他(6%)」となっています。

ポジティブな意見としては、14歳の少女の「ソーシャルメディアは遠く離れた場所にいる家族と話すことができるので、プラスの効果があると思う」や、15歳の少年の「友だちと間単につながり、新し友だちを作ることもできる」などが挙げられています。また、15歳の少女は「私たちはさまざまな場所の人たちと簡単につながり、ソーシャルメディアを通じ、人々を救ったり助けを求めることもある」と語っており、ソーシャルメディアにより救われていると感じる人が少なからず存在することがわかります。


対してネガティブな影響として挙げられたのは、「いじめやウワサの拡散(27%)」「人間関係を害する、人との対話が欠如する(17%)」「他人からの非現実的な見方(15%)」「憂さ晴らしや中毒を引き起こす(14%)」「仲間からの圧力(12%)」「精神健康上の問題を引き起こす(4%)」「大げさになる(3%)」「その他(12%)」。

ソーシャルメディアはネガティブな影響を与えるものであるという意見としては、17歳の少年の「社会的な人間の相互作用に悪影響を及ぼす」、15歳の少年の「匿名で欲しいものを何でも言ってしまえば、マイナスの影響が出てくる」、15歳の少女の「誰かが人生における偽のイメージを提供すれば、それを見た人が自分の人生は完璧ではないと感じてしまうことがある」などが挙がっています。

さらに、若者が自宅にゲーム機を持っているかどうかについて。男の子の92%が自宅にゲーム機を所持しており、女の子の場合はその割合が75%まで下がります。そして、何らかの形でゲームをプレイしている割合は、男の子が97%、女の子が83%で、男女共に広くゲームを嗜む傾向が読み取れます。


なお、ゲーム機の所持率については、2014-2015年の調査と比べるとヒスパニック系の若者のゲーム機所有率が上昇しているとのことです。

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in メモ, Posted by logu_ii

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