壁を通り抜けて撮影でき室内に誰がいるのか外から判別できる技術を米軍が開発中
アメリカ陸軍が、赤外線サーマルカメラの画像を機械学習することで人物を判別する技術を開発中です。この技術が完成すると、外から室内を撮影して中にいる人物を特定することさえ可能になります。
Thermal to Visible Synthesis of Face Images using Multiple Regions
(PDFファイル)https://arxiv.org/pdf/1803.07599.pdf
The US Army is developing AI that can recognize faces in the dark and through walls
https://thenextweb.com/artificial-intelligence/2018/04/18/the-us-army-is-developing-ai-that-can-recognize-faces-in-the-dark-and-through-walls/
Army Research Laboratoryのベンジャミン・リガン氏の研究チームは、サーマルカメラを使って撮影した画像に顔認識技術を適用する方法について研究しています。研究では、機械学習を使ってサーマルカメラで撮影した顔画像のパーツの特徴を、既知の顔写真リストと照合して特定する技術が開発されています。
研究はまだ技術開発の初期段階にあるそうですが、人物の顔面を撮影したサーマル画像の特徴を抽出して、通常カメラで撮影した顔写真リストから人物を特定することに成功しているとのこと。今後は、視界を妨げる壁などの障害物を通過して撮影したサーマル画像を顔写真リストと照合できるようにして、最終的には現場でのリアルタイムの顔認識を実現することが目指されています。
この技術が完成すると軍事技術として有用であることはもちろんですが、昼夜を問わず外部から室内に誰がいるのかを判別することもできることから、監視カメラや一般的な捜査手法に活用されればプライバシーへの大きな脅威になることは避けられそうにありません。
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