動画

大学生にしてIBM製メインフレームを自宅に設置&IBMにスカウトされた「メインフレームキッド」のニッチな生き方とは?


「18歳の大学生がIBM製メインフレームIBM z890を購入して自室に設置してみた」というムービーで一躍有名になったのが、コナー・クラスコスキさんです。なんとその後大学生でありながらIBMにスカウトされ、現在はIBMでメインフレーム関係の仕事をしているというコナーさんを自宅でインタビューしたムービーが、YouTubeのIBM公式チャンネルで公開されています。

The "Mainframe Kid"


「実際楽しいもんだよ。誰かに『お、君があのメインフレームの子?』って尋ねられて、『ええ、そうです』って答えるのは」と笑いながら話すのが、「メインフレーム・キッド」ことコナーさん。


こちらがIBM z890が設置されているコナーさんの自宅です。


コナーさんの父親は、「コナーは何年か前からビンテージ・コンピューターを集めるようになったんだ。テレタイプ端末とか、古くて大きなテープドライブとか」と話します。コナーさんが持ち上げるテープドライブは、いったいどこで売られているのか不思議なほど古い巻き取りタイプ。


「みんなはこのハードディスクとかを見て『ここって博物館かなにか?』って聞くんだ。でもここは僕の部屋だよ……たぶん」


コナーさんは昔から機械が好きで、その延長線上でいつの間にかコンピューターにも興味を持つようになったそうです。


「『人を切り開く外科医になれたらいいな』って思ったこともあったんだけど、代わりにコンピューターをバラバラにすることになったよ」と笑うコナーさん。


この男性がコナーさんのお父さん。「あれは確かコナーが中学生1年生か2年生のとき、サイエンス・フェアというものに出たんだ」


「他の子が火山の分類とか植物の生育について調べる中、コナーは水素ガス発生装置を作った……本当に水素が発生するやつだよ」


「私には何も言わないで勝手にガレージで作ってたもんだから、水素が発生してるだなんて知らずにガレージに入って、うっかり爆発しかけたんだ」


コナーさんはこの家に家族で引っ越してきたとき、自分の部屋を手に入れたとのこと。「いろんなものを集め始めたのはそれからだね」


「コナーはなにか欲しいと思ったら、なんとしてでもそれを手に入れようとするんだ」とコナーさんのお父さんは言います。「たとえそれがメインフレームでもね」


こちらがコナーさんご自慢のメインフレーム、IBM z890。


「コナーがあれを持ってきてから、『どこかでこのメインフレームのことを話してみたら』とすすめたんです。あまりにもでかくて大変だったものだから」


コナーさんが当初想定していたメインフレームの通り道は、家のデッキと地面の間。しかしその幅が予想以上に狭かったため、やむなく庭を掘って幅を広げ、ようやくIBM z890のメインフレームはコナーさんの部屋に入りました。


パチンとスイッチを入れ、IBM z890を起動するコナーさん。「こいつ、めちゃくちゃ遅いんだ」


「でも起動さえすればちゃんと動く」


コナーさんのお父さんによれば、コナーさんはメインフレームを手に入れてから3カ月ほど部屋にこもり、なんとか起動させるために奮闘していたとのこと。


「12、3年前の古いコンピューターですごく大変だったけど、とても楽しかったよ」


「18歳の少年が自室にメインフレームを設置した」というコナーさんの話が有名になり、いろんなところでコナーさんはプレゼンを行うことになったそうです。「コナーの行く先々でいろんな人々が『こりゃすごい』と言ってくれました。そこでようやく、『今回の出来事はコナーの人生をよい方向に変えるかもしれない』と思い始めたんです」


プレゼンの動画がYouTubeに上がって、最初のうちに数千人の人が見てくれたんだ。それだけでも『すごい大勢の人が見てくれたな』って思ったんだけど、それから数万、20万、30万と再生数が増えていって、『何が起こってるんだ?』って感じだった」


「プレゼンの後、IBMの人からコナーにコンタクトがあったんです。『IBMの施設を見学しないか?』って」


「その話が来たとき、『(ニューヨーク州)ポキプシーの工場?』って聞いたら、IBMの人は『ポキプシーを知ってるの?』って聞き返した。『もちろん!メインフレームの工場で、IBM 360のオリジナルが作られたところですよね!』って答えたよ」


「僕はメインフレームの歴史にはちょっと詳しいんだけど、IBMの人たちはまさか僕がそれほどの知識を持ってるとは思わなかったみたいだね」とコナーさん。


そしてポキプシーのメインフレーム工場を見学したコナーさんは、現在ではそのポキプシーで働いています。


コナーさんは「もともとそういうつもりで集めたんじゃないんだけど、IBMの製品にはビンテージ・コンピューターを集めているとよく出くわすんだ。個人用PCから産業用PCまで幅広く生産してきた会社だからね。『いつかこの会社で働きたい』って思うこともあったよ」


インタビューの途中でコナーさんは部屋の中から古いケーブルを取りだし、「昔はこんなやつでメインフレームから磁気テープやDASD(直接アクセス記憶装置)にデータの転送をしてたんだ」と面白そうに説明します。


「みんな、『お前のやってることはなんかズレてるよな。そんなニッチすぎる分野じゃ仕事にならないぞ』って言ってきた。確かにメインフレームはニッチかもしれないけど、今はたくさんの仕事が僕のところに舞い込んできてる」


コナーさんは冗談めかして「職に不安がある人はメインフレームをやったらいい」と言います。


「最初にコナーがIBM z890を持ってきたとき、『頼むからそんなもの家に入れないでくれ』って言ったんだけど、あのメインフレームはとんでもない成果を持ってきてくれました」


「コナーには素晴らしい機会になったというわけだ」「まさかこんなことになるなんてね」とコナーさんの両親はほほえみ合いました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
昔のゲームボーイカセットで遊べる新型ゲームボーイ「Ultra GB」爆誕 - GIGAZINE

現代によみがえるBluetooth接続のタイプライター型キーボード「PENNA」 - GIGAZINE

柔らかな光で数字を表示する「ニキシー管」ができるまで - GIGAZINE

段ボールで自作できるレトロなラジカセデザインのスピーカー「Berlin Boombox」を組み立てて使ってみました - GIGAZINE

75年前にデジタル革命の扉を開いた世界初のプログラム可能なコンピューター「Zuse Z3」と、次の75年で実現される技術とは? - GIGAZINE

in ハードウェア,   動画, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.