次期iPhoneのワイヤレス充電方式は「Qi」で決まりか、Appleがワイヤレスパワーコンソーシアムに加盟

1年以上前から「iPhoneがワイヤレス充電に対応する」とウワサされていますが、ワイヤレス給電の国際規格で既存のスマートフォンでも多く採用されている「Qi」の策定と普及を進める業界団体であるワイヤレスパワーコンソーシアムにAppleが正式に加盟したことが明らかになりました。これにより、次期iPhoneがQi準拠のワイヤレス充電となる可能性が高まっています。

Apple joins Wireless Power Consortium/Qi, lending weight to rumor of wireless charging for iPhone 8 | 9to5Mac
https://9to5mac.com/2017/02/13/apple-joins-wireless-power-consortiumqi-lending-weight-to-rumor-of-wireless-charging-for-iphone-8/

Apple joins Wireless Power Consortium, fueling iPhone 8 rumors - Business Insider
http://www.businessinsider.com/apple-joins-wireless-power-consortium-iphone-8-rumors-2017-2

Appleは213社が加盟するワイヤレスパワーコンソーシアムに新たな一員として加わることとなりました。ワイヤレスパワーコンソーシアムはワイヤレス給電規格「Qi」の策定を進める団体で、Appleがこの規格をサポートする可能性が高まっています。なお、Appleは既にApple WatchでQi規格に対応していますが、2015年にThe Registerが指摘している通り、Apple Watchのワイヤレス充電機能は「他のQi対応充電器でApple Watchを充電することができないように、微調整されたバージョン」となっています。これと同じように、AppleはQi対応のワイヤレス充電器では次期iPhoneの充電が行えないようにする可能性はあります。

Appleのスポークスマンはワイヤレスパワーコンソーシアムへの加盟について、「Appleは多くの標準化団体のメンバーシップに、リーダーもしくはメンバーとして加わっています。そして、Appleは新たにワイヤレスパワーコンソーシアムに加わることができたので、未来のワイヤレス充電規格のスタンダードを目指してオープンで協調的な開発に参加していくこととなります。我々はワイヤレスパワーコンソーシアムや、そのメンバーと共に働くことを楽しみにしています」というコメントをBusiness Insiderで出しています。

なお、記事作成時点でワイヤレスパワーコンソーシアムのメンバーシップリストには既にAppleの名前が追加されています。なお、1週間前のキャッシュを確認するとメンバーシップリストにAppleの名前は存在しないそうです。

Apple Inc.

現在市場に存在する「ワイヤレス充電」といえば、端末と充電器が接触するものです。しかし、Appleは2015年に「周囲1メートル程度の範囲に電力を送る」ことが可能となるワイヤレス充電技術の特許を取得しており、Appleはワイヤレス充電器に接触していなくても端末を充電可能な「長距離ワイヤレス充電機能」を搭載する端末をリリースするのでは、と言われていました。

実際にAppleが「長距離ワイヤレス充電機能」の実現を目指していたのかどうかは不明ですが、調査企業のIHS TechnologyのアナリストであるVicky Yussuff氏によると、「Appleは、競合他社がワイヤレス充電機能を採用して成功することをこれ以上見過ごせない状況にまできています。なぜなら、IHS Technologyの調査データによると、消費者の90％以上が次の端末でワイヤレス充電に対応することを望んでいるからです」とのことで、一刻も早く消費者の要望を満たすため、「長距離ワイヤレス充電機能」を諦めてQiへの対応を進めているのかもしれません。