高脂肪食を摂りすぎると結腸がんのリスクが高まるという研究結果
by Josh Larios
「良い脂肪を質の良い食品から取ることは健康的」という研究結果が2013年に発表されましたが、その反面、「過ぎたるは及ばざるがごとし」で、高脂肪食を摂りすぎるとがん、特に結腸がんのリスクが高まるという研究結果が発表されました。
High-fat diet enhances stemness and tumorigenicity of intestinal progenitors : Nature : Nature Publishing Group
http://www.nature.com/nature/journal/v531/n7592/abs/nature17173.html
High-fat diets may spur cancer by activating tumor-prone stem cells | Ars Technica
http://arstechnica.com/science/2016/03/high-fat-diets-may-spur-cancer-by-activating-tumor-prone-stem-cells/
通常、腸内には幹細胞のポケットがあり、細胞のライニングを行っています。この細胞はときに突然変異して腫瘍化するがあるのですが、高脂肪食によって太らせたハツカネズミでは、細胞群が思いがけない増殖をしたとのこと。また、始原細胞も幹細胞と同じように腫瘍化することがありました。
マサチューセッツ工科大学で幹細胞・新陳代謝・がんの研究を行っているÖmer H. Yilmaz博士らは、この腫瘍化にペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体-δ(PPAR-δ)と呼ばれるタンパク質が関わっていることを発見。ペトリ皿での実験で、高脂肪食の脂肪酸がPPAR-δの数を増やすことも判明しました。
つまり、高脂肪食の脂肪酸がトリガーとなってPPAR-δの数が増え、これによってより腫瘍化が進むのではないか、ということです。実験では、腫瘍の自然発生率も高かったことが記録されています。なお、脂肪の多い食事を取る人には乳がんや大腸がんが多い傾向があると言われてきましたが、今回の研究では、結腸がんのリスクが高まることがわかったとのこと。
ただ、2013年の研究のように、良質な脂肪であれば健康にいい働きがあることもわかっており、何事も適量が大事、という話になりそうです。
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