イスラム国に拘束されていたヨルダン人パイロットが焼き殺されていたことが判明

「イスラム国」を名乗る集団に拘束されていたヨルダン軍のパイロット、ムアーズ・カサースベ中尉が殺害されていたことが判明しました。これは、インターネットにカサースベ中尉を殺害するシーンを含むムービーが投稿されたことから明らかになったもので、1月3日に撮影されたものでした。

ヨルダン軍パイロット殺害か 映像が投稿　NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150204/t10015197431000.html

ISIS Video Shows Jordanian Pilot Being Burned to Death - NYTimes.com
http://www.nytimes.com/2015/02/04/world/middleeast/isis-said-to-burn-captive-jordanian-pilot-to-death-in-new-video.html

ISIL video purportedly shows killing of Jordanian pilot - Al Jazeera English
http://www.aljazeera.com/news/middleeast/2015/02/isil-releases-video-showing-killing-jordanian-pilot-150203163349915.html

中尉は2014年12月24日、シリア北部で実施された空爆作戦に参加した際、乗機が墜落し、「イスラム国」に拘束されました。

2015年1月下旬に日本人2名が「イスラム国」に拘束された事件では、「イスラム国」は湯川さん殺害後に発表した声明の中で、後藤さんと引き替えにサジダ・リシャウィ死刑囚を解放するよう要求。「要求が認められない場合はカサースベ中尉を即座に殺害する」ということを明らかにしていました。これに対して、ヨルダン側は「中尉が生存している証拠」を交渉の条件としましたが、「イスラム国」側は証拠を出しませんでした。

NHKの報道によると、ヨルダンのアブドラ国王は「われわれは遺族と共にいる」と緊急声明を発表し、ヨルダン国民に連帯を呼びかけたとのこと。

これを受けて、ヨルダンの国営テレビが速報でこの映像について伝えるとともに、アブドラ国王の緊急声明を放送し、国王は「大切なパイロットがひきょうなテロリストの手にかかり殺害された」と述べ、ムアーズさんが１か月前の先月３日に殺害されたことを確認しました。そのうえで、アブドラ国王は「われわれは遺族と共にいる」として、国民に連帯を呼びかけました。
これに先立って、ヨルダン政府も「『イスラム国』は残虐な殺人者であり、徹底して報復する」とする声明を出しました。

オリジナルのムービーはすでに削除されていますが、海外メディアなどではその一部を示す記事が掲載されています。

Jordan to execute six ISIS prisoners in retaliation to Jordanian pilot being burnt alive | Daily Mail Online
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2938199/Burned-alive-cage-ISIS-release-video-claiming-horrifying-murder-captured-Jordanian-pilot.html

Jordan pilot hostage Moaz al-Kasasbeh 'burned alive' #isisterror - YouTube

乗機の墜落後、拘束された中尉。

武装した「イスラム国」兵士の前に立たされています

映像では、カサースベ中尉は檻の中に入れられています。

そこに火をつける兵士。

中尉が殺害されたのは、「イスラム国」が湯川さん・後藤さんを拘束したと発表するより前の1月3日だったとのこと。

・追記
Fox Newsが22分34秒ある元映像を公開しました。パイロットが檻の中で焼き殺される部分や、遺体を檻ごとがれきで潰す部分も含めてノーカットなので、閲覧時には注意が必要です。

WARNING, EXTREMELY GRAPHIC VIDEO: ISIS burns hostage alive | Fox News Video
http://video.foxnews.com/v/4030583977001/warning-extremely-graphic-video-isis-burns-hostage-alive/