ニキシー管にLEDを組み合わせて自由自在に制御できる自作キット「Smart Nixie Tube」
電卓などに使われて数字を表示する7セグメントLEDが登場するさらに以前に使われていた電子部品がニキシー管で、小さなガラス管のなかでオレンジ色の数字がぼんやり灯る光景を覚えている人もいるはず。1980年頃以降はほとんど姿を見ることがなかったニキシー管を、オープンソースを利用して現代風にアレンジするのが「Smart Nixie Tube」です。
Smart Nixie Tube by Tyler Nehowig — Kickstarter
https://www.kickstarter.com/projects/popshields/smart-nixie-tube
Switchmode Design - Welcome
http://switchmodedesign.com/
ニキシー管とは小さな真空管の一種で、ガラス管の中には数字の形をした電極が封入されています。0から9までの数字を点灯させることができ、昭和中期ごろまでは駅の券売機の価格表示窓や、エレベーターでの階数表示用として用いられていたという懐かしい電子部品です。
By Chris D 2006
Smart Nixie Tubeが点灯している様子はこんな感じ。ニキシー管の下部にはLEDが追加されており、バックライトとして点灯させることが可能になっています。
Smart Nixie Tubeの動作する様子などは以下のムービーを見ればわかるようになっています。
こちらがSmart Nixie Tubeの外観。上下2層になった電子基板の上にニキシー管がマウントされています。
0から9までの数字が表示できるほか、LEDを使ったバックライトを点灯させることができるようになっています。
動作させるためには、まず基板のコネクターに電源ケーブルを装着。
次に、点灯パターンをプログラムしたFTDIアダプターをコネクターに装着すると、USBケーブルで接続したPCからコントロールが可能になります。
また、別売りのBluetoothアダプターに交換すると、ワイヤレスでのコントロールも可能になります。
さらに、Smart Nixie Tubeは横方向への連結を考慮した設計になっています。
どんどん連結
理論上はいくらでも連結していくことが可能となっています。
6台を連結して、少しレトロな「ニキシー時計」としてみました。表示は「2時8分59秒」を示しています。
試合のスコアボードとして使うことも可能です。
使用されている基板はこんな感じ。一番左がニキシー管を取り付ける側に使われる上部基板で、真ん中は電源やFTDIアダプターを取り付ける下部基板。一番右の写真は実際に各種パーツを搭載した状態となっています。虫眼鏡の中に映り込んでいることからもわかるように、オープンソースの開発環境であるArduinoをベースにしたプログラミングが可能です。
詳細は省きますが、点灯パターンのデータは向かって一番左の基板から右へと受け渡されて行きます。そのため、つなぐ台数が増えてもケーブルは一本だけでOKです。
製作に必要なパーツのリストやマニュアルなどの資料は、インターネット経由でダウンロードできるようになっています。
このSmart Nixie Tubeは、クラウドファンディングサイトのKickstarterで出資を募集中で、目標金額の5000ドル(約51万円)に対して記事執筆時点では約1万2000ドル(約122万円)の出資が集まっています。60ドル(約6100円)の出資でニキシー管を含めた組立用キット1セットをゲット可能となっていますが、組立済みの完成品が欲しい場合は100ドル(約1万200円)の出資でゲットすることも可能。逆に、パーツは自分で買い集めるという人の場合は20ドル(約2050円)で基板だけをゲットすることも可能となっています。アメリカ国外への発送には、25~60ドル(約2500~6100円)の送料が別途必要です。
なお、出資の締め切りは日本時間で2月21日(金)の午前6時26分となっています。
Smart Nixie Tube by Tyler Nehowig — Kickstarter
https://www.kickstarter.com/projects/popshields/smart-nixie-tube
・関連記事
「Kickstarter」へ出資してゲットする方法&出資しまくった経験からわかった注意点まとめ - GIGAZINE
ニキシー管使用で解除コードを入力しなければ止まらない目覚まし時計「Nixie Ramos」 - GIGAZINE
ニキシー管が盤上で輝くチェスセット - GIGAZINE
アンティークなニキシー管時計をワインボトルや100均小物で作る方法 - GIGAZINE
マウスやスマホで操縦可能な卓上サイズのミニチュアロボットアーム「uArm」 - GIGAZINE
・関連コンテンツ