ウユニ塩湖は地平線まで真っ白で乾季なら自由に走行可能
見渡すかぎりの塩の大地は、浅漬けになってしまいそうでした。雨季で雨が多いと「鏡張り」となってしまいますので、乾季でないと自由に動けません。カナダのバンクーバーをスタートして一年近くかかりましたが、スケジュール通りに乾季のウユニ塩湖に到着して、真っ白な世界で塩まみれになってきました。
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。「まるで天国のようなウユニの『鏡張り』に魂が震えた」の記事のように、バックパッカーの間では雨季のウユニが人気のようですが、チャリダーなら断然乾季になります。誰もいない巨大なウユニ塩湖は、スケートリンクのようにどこに向かうのも自由でした。
グーグルマップでも確認できる真っ白なウユニ塩湖。
大きな地図で見る
◆ウユニ塩湖まで
ボリビアの首都ラパスのあとは地方都市オルロに移動。オルロからまっすぐ南下するとウユニの町に行くことができるのですが、先行している友人のチャリダーに倣って、サリナス・デ・ガルシ・メンドーサ(Salinas de Garci Mendoza)という町からウユニ塩湖を半縦断して半横断することにしました。
オルロ近くでも塩っぽい風景を見ることができます
しばらく走ると未舗装
寂しい集落を幾つか通り抜けて。
お墓
道脇には小さな塩湖がありました
誰もいない場所の竜巻は、風が遊んでいるようで。
行く先をアルパカ横断中
アルパカさんは、こちらを警戒しているようです。
サリナス・デ・ガルシ・メンドーサのセントロ
小さな町のように見えて、そこそこ人が住んでいるようでした。
◆ウユニ塩湖へ
サリナス・デ・ガルシ・メンドーサで1泊して、翌日にウユニ塩湖を目指しました。キャンプするつもりで、食料も買い出しに行ったというのに、朝に水の入った1.5リットルのペットボトルを積み忘れるという大ミス。どこかの集落で補給するつもりも、深い砂の道に嫌気が差して、早々にウユニ塩湖に突入しました。標高3700mに位置するウユニ塩湖の面積は約1万582平方kmと、日本の岐阜県とほぼ同じ広さ。その上で標高差がほとんど無いのですから、地平線の先まで真っ白になっています。
乾燥していて塩っぽいのに畑を耕しています。いったい何が採れるのでしょうか。
畑を荒らす不届き者を発見
砂が多くて走りにくい未舗装の道から、固く締まって走りやすい平原に出ました。
ここも雨季だと水が溜まったりするのでしょう。この平原もウユニ塩湖まで繋がっていそうでしたが、轍に従って陸地に戻ります。
まったく人の気配が感じられなかった集落
こぢんまりとした教会
ここで標識が出ていたので、目的の町より前にウユニ塩湖に突入しました。陸地の道は砂が深くて、自転車が進まないのです。
親アルパカの後ろについていく子アルパカ。動物の親子は可愛いですよね。
「塩湖に行きたければ、我々を倒していけ」と言わんばかりのアルパカたち。近づくとすぐにどいてくれますけど。
そして、ウユニ塩湖に突入!!
信じられないほどに真っ白な世界が広がっていました
雪原にいるかと錯覚してしまいそう
塩湖を掘って、塩を作っています。
少し湿ってジャリジャリとしていた北部のウユニ塩湖
塩の大地を巻き上げて進んだので、自転車も塩まみれに。
この辺りの塩原では、ボツボツした塊が浮き出していました。
盛り上がっている塩塊。
しばらく進むと乾燥して、走りやすい地面に。
地面には蜂の巣の断面のような模様が刻まれています
巨大な火口が目を惹いた標高5321mのトゥヌパ火山(Volcan Tunupa)
ここには自分しかいない予感
真っ白な大地と地平線を追いかけていました
白い地面
ウユニ塩湖のほぼ中央に浮かぶインカワシ島(Isla Incahuasi)までは太い轍はなく、ガシガシと塩の大地を踏みしめながら走っていたのでスピードが出ませんでした。20km以上先から島は見えていたのですが、なかなか距離感がつかめないのも疲れます。
ようやく到着したインカワシ島には、サボテンがニョキニョキと生えていました。
限られた空間で育つサボテンたち
観光の方に撮っていただいた写真
インカワシ島の見学を終えて、ウユニの町へ向けて走りだすと夕暮れの時間に。
日が沈んだ反対側から、だんだんと暗くなって夜がやってきます。
◆ウユニ塩湖を脱出
もちろんテントで寝ました。水は凍らなかったので、そこまで寒くはなかったです。
平坦だったので、熟睡出来ました。
荷物を片付けて出発の準備
走りだしてすぐ、こんな景色の中で写真撮影に挑みました。
んっ?
なかなかうまくいきません
おぉ……
走っている姿を撮りたいのです。
こんな感じで。
十何枚か撮っていました。こんなに楽しい場所では、誰かとペアランでもして写真を撮ってもらった方がいいですね。
私のカメラマンはセルフタイマー
真っ白なウユニ塩湖 - YouTube
塩湖でこうした盛り上がった場所は……
中が空洞となっていて、パリっと塩の塊が剥がれます。
地面が割れて塩水がたまっている場所もありました。触ると普通の水のようですが、乾くと塩で白くなります。
この日もいい天気
2日目は素直に車の轍の後を走りました。場所によってはアスファルトなみのスピードが出ます。
幾つもの車が行き交うメインロードは、タイヤの跡で黒ずんでいました。
たくさんの国旗がはためくこの場所は……
ウユニ塩湖の中に位置する塩のホテル
ウユニの町に近い対岸に到着。ここでも塩を作っていました。
陸地に出て十数キロ未舗装の幹線を走ってウユニの町に到着。水もなんとか足りました。
◆ウユニの町
ウユニは小さな町ですが塩湖やチリのアタカマへ抜けるツアーもあって、たくさんの観光客で賑わっています。
町の中心にある時計塔
滞在していた安宿
鉄道駅
どこからか運ばれてきた物資
モニュメント
渋いインディヘナのおばちゃん
ガイコツアート
ウユニの食堂ではリャマ肉が定番メニュー
リャマ肉の入ったスープ
熱々でハフハフしていたボリビア風おじや
と、次に向かう準備もあって、ウユニの町で4日間滞在。自転車は錆びてしまっても困るので、しっかりと洗っておきました。
自転車世界一周を志した時から、いつか走ると夢見ていたウユニ塩湖。これほどまでに自転車が自由になれる場所は、世界中を見渡してもみつかりません。そこには何もないからこそ、すべてが美しく見えました。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)
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