NASAとアメリカ国防総省が共同開発する巨大な飛行船「Aeroscraft」
Aeros社がアメリカ国防総省やNASAと共同して開発を行っている輸送用の巨大飛行船が「Aeroscraft」。現在は全長79m、重さ16トンのプロトタイプがテスト飛行に向けて準備されている最中で、最終的には全長137mで66トンの荷物を輸送可能にする飛行船が作られる予定。今後の輸送手段として大きな可能性を秘めています。
Company - Aeroscraft
http://www.aeroscraft.com/
完成予想図はこちら。
Aeroscraftは離着陸に滑走路を要しないため、軍事的な利用だけでなく、インフラの整備がされていない小さな島や災害地へ物資を運ぶことも可能になります。Aeros社の開発チームは巨大さゆえに運ぶのが困難だった産業用の風力タービンなどの輸送にも利用されることを予想しているほか、ヒンデンブルグ号のように空飛ぶ豪華客船として利用することも視野に入れているとのこと。
従来の飛行船やハイブリッド飛行船はヘリウムに依存するため、積荷を下ろしてしまうと機体が軽くなってしまい地上にとどめるのが難しいという点が問題でした。しかしAeros社では内部バラスト制御システムという独自の制御システムを開発することによって安定した飛行を実現。通常の貨物機の3分の1の燃料で輸送を行うことが可能になります。
2013年1月2日、Aeroscraftは初めてコックピットからの操縦によって地上での移動が行われました。実際に動いている映像はYouTubeで公開されています。
Aeroscraft moving - YouTube
そして1月12日に初のテスト飛行が行われ、カリフォルニア州タスティンの格納庫内でホバリングに成功しました。
背後から見た様子。
高い貨物積載能力と長距離飛行・垂直離着陸も可能にした飛行船として「次の100年に革新的な輸送ソリューション」となることが予想されています。
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