アート

病原菌やウイルスをガラスで再現した美しいオブジェ「Glass Microbiology」


ウイルス自身に色はありませんが、テレビや雑誌では見やすいよう着色が施してあるため、誤解が生じることもあります。そこでアーティストLuke Jerramさんが企画したのが無色透明、ガラスで作った精緻なウイルスの模型を作るプロジェクト。実際にガラス職人が手作業で作ったもので、「色」を使わずにウイルスを表現している点が画期的であり、写真は医学雑誌や教科書でも使われています。

Glass Microbiology
http://www.lukejerram.com/glass/


◆01:エンテロウイルス71
1965年に発見された風邪やインフルエンザのような症状を起こすウイルス。


◆02:豚インフルエンザ
人にも感染し、生物災害にもなり得る危険性のあるウイルス。2009年には新型インフルエンザとして世界的に流行しました。


◆03:架空のウイルス
こちらは実際には存在しない架空のウイルス。


◆04:T4ファージ
正式名称はバクテリオファージで、細菌に感染するウイルスの総称。抗生物質の代わりとして旧ソ連と東ヨーロッパで60年以上使用されていました。


◆05:大腸菌
ほとんどの大腸菌は無害ですが、中にはO157のように害のあるものも。


◆06:マラリア
熱帯から亜熱帯に広く分布する原虫感染症で、高熱や頭痛、吐き気などの症状があります。悪性の場合は脳マラリアによる意識障害や腎不全などを起こし死亡することもあるそうです。なお、この作品は実際の20万倍以上の大きさにしてあります。


◆07:HIV
人の免疫細胞に感染して免疫細胞を破壊し、最終的に後天性免疫不全症候群(AIDS)を発症させるウイルス。


◆08:天然痘
非常に高い感染力と、40%と考えられている致死率で、時に国や民族が滅ぶ遠因となったこともあるウイルス。


◆09:SARSウイルス
新種のコロナウイルスによって引き起こされるSARSは、2003年に中国の広東省を起点として大流行しましたが、2004年5月18日にWHOが終息宣言を出しています。


◆10:豚インフルエンザその2
こちらは楕円型のフォルムをした豚インフルエンザ。


◆11:ヒトパピローマウイルス
全世界的に古くから存在し、現在では100種類以上の型が報告されているウイルス。尖圭コンジローマ子宮頸癌疣贅の原因でもあります。


◆12:トリインフルエンザ
2004年に京都府丹波町の養鶏場で発生したものは羽毛やカラスを経由して周辺にも広がり、合計25万羽以上が処分されました。ちなみに、ウイルスが人間に直接感染する能力は低く、人間同士での伝染も起こりにくいと考えられていますが、1997年には香港で死者が出ており、2005年にも東南アジアを中心に多くの感染者を出しました。


◆13:精子
ウイルスではありませんが、ミクロの世界つながりなのか、精子のガラスオブジェも作られています。


◆14:アメーバ
外見が変わり続けるため、「一生の内で二度と同じ形を取らない」などと言われることもあるアメーバもウイルスではありませんが、美しいオブジェへと変化しました。


実際の展示はこんな感じでライトアップされることも。


なお、Glass Microbiologyは販売も行われています

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in アート, Posted by darkhorse_log

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