自転車にも一方通行規制を導入、専用標識の設置や罰金も
自転車道や歩道上の自転車通行部分に一方通行規制を導入することが、警察庁によって決定されました。
時事ドットコム:自転車の一方通行導入へ=整備拡大を後押し-違反者に罰則も・警察庁
自転車も一方通行規制、標識を新設 事故減少に期待 - MSN産経ニュース
標識標示令:自転車一方通行規制は「事故減らす」 - 毎日jp(毎日新聞)
自転車に対する一方通行規制は、新たに設置する自転車道などで導入する方針で、規制を示す標識も新設する予定であるとのこと。規制区間は、道路を管理する地方自治体などと協議して決定することとなります。今回新設される規制に従わない場合は道交法違反となり、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金の対象となります。
これが設置予定の新標識。
自転車の交通整備対策として、2008年に開始された自転車道整備事業が進められていたのですが、全国から選ばれたモデル地区内ですら、自転車道の整備は難航しているのが現状。完成目標であった2011年3月末を経過しても、計画は約8割程度しか進んでいません。
この計画の遅延ぶりは、自転車道設置に対する周辺住民の合意を得ることが難しいのもさることながら、自転車道を設置の際の規定として、自転車同士がすれ違う際の接触事故を防ぐため、自転車道の幅を2~3.5メートル確保する必要があるという規定があり、狭い道路に整備のためのスペースを確保するのが難しかったという原因がありました。今回の規制導入により、これまでは自転車道の設置が難しかった狭い道路であっても、整備が進められるようになります。
警察庁によると、平成22年の自転車関連事故は15万1626件で、全事故の20.9%を占めているそうです。一方、自転車道の整備前と整備後では事故が26%減少、歩道上に自転車通行部分を明示した場合でも14%減るなど、通行区域を明示することで事故防止効果が表れています。
実際は車道での右側通行禁止など自転車にも規制は敷かれているものの、守られていないのが実情。近年の自転車通勤ブームの火付け役で、自身のメルマガなどで自転車の交通マナーなどについて啓発活動を続けている疋田智氏は「自動車やバイクは不便でもルールを守る。自転車だって同様で引いて歩けばいい」と、規制によって発生すると思われる「目的地まで回り道を強いられる」という不満点について、自転車も他の乗用車と同様の心構えで運転すべきだと語っています。
この規制について、早ければ年内にも標識標示令を改正し、標識の設置などを進めていくことになります。自転車の交通ルールについてはライト点灯や2人乗りの禁止に、飲酒運転、またイヤホンを装着しながらの運転など禁止事項は存在するのですが、厳守されていないのが実態。今回の規制は一歩進んで標識という形で表示されるため、自転車の交通ルールについても周知徹底がなされ、自転車の安全走行が浸透していくことが期待されます。
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