取材

鉄道としてもバスとしても走れる「DMV(デュアル・モード・ビークル)」


鉄道技術展2010」にてJR北海道が展示していたのが「DMV(デュアル・モード・ビークル)」の情報でした。

DMVとは、鉄道が走るために設置されている軌道(レール)と自動車が走るための道路の両方を走ることができる車両のことで、首都圏など鉄道網が発達し利用者も多い地区には不要ですが、鉄道利用者が少ない地域でコスト削減やローカル線活性化の切り札、「夢の乗り物」として期待されています。

2004年に第1次試作車が、2005年に第2次試作車が製造されているDMV、その現状はどんな感じなのでしょうか。
JR北海道ブース。


「鉄道・バスの両用車両があれば便利ではないか?」という発想はかなり古くからあり、ゴムタイヤで走行するもの、鉄輪で走行するものなど、いろいろなタイプの試行錯誤が行われてきました。しかし、ゴムタイヤ駆動タイプはタイヤ強度やトラクション性能に問題を抱え、鉄輪駆動のものはモードチェンジに時間が掛かることが問題で、いずれも本格的な営業に至ることはできませんでした。しかし、2004年1月、JR北海道が「DMV」の開発に成功します。


少子高齢化やモータリゼーションなどにより、地方の鉄道やバスは経営が困難な状況になっています。それを解消すべく、低コストかつ利便性を向上させる乗り物として開発されたのが「DMV」。営業用としては世界で始めて実用化されたものだそうです。


「DMV」には曲線をスムーズに通過するための「ガイド輪セリフステアリングシステム」、走行安定性と駆動力伝達のバランスを取る「後軸重配分制御システム」、確実に駆動輪をレールに乗せるための「後ゴムタイヤ駆動システム」、線路走行モードと鉄道走行モードとの迅速なモードチェンジを実現する「油圧式モードチェンジシステム」、確実なモードチェンジを実現する「モードインターチェンジシステム」などが搭載されています。


2004年の第1次試作車以降「DMV」は着実に進化を遂げており、2009年に完成した試作車「DMV921」、および2010年に完成した試作車「DMV922」「DMV923」では定員数が従来より増加、車体振動の改善や省エネ性能の向上が図られています。


「DMV」の活用例としては、道路渋滞を回避して鉄道の定時性を活かしたり、延伸予定のままとなっている鉄道の代替ルート、災害などで鉄道が不通の時の迂回運転などが考えられています。


マイカー依存型の地域社会にDMVを導入することで、新しい交通体系が生まれるのではないか、とのこと。


さすがに会場には実物は置かれておらず、模型が展示されていました。


このようにゴムタイヤと鉄輪の両方を装備しています。


鉄道走行時はこのようにレール上を鉄輪で走行しているというわけです。


静岡県を走る岳南鉄道では2006年から走行試験を行っているほか、岐阜県の明知鉄道、静岡県の天竜浜名湖鉄道で実証実験が行われました。

さらに各地で導入が検討されており、もし広がれば新たな地方交通の姿となるかもしれませんね。

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in 取材,   乗り物, Posted by logc_nt