オンラインゲームのアカウントを停止されたプレイヤー、ワイロで復活を試みる

オンラインゲームで不正利用を行ったためにアカウントを停止されたプレイヤーが、管理者を買収してアカウントを復活させようと考え、コミュニティ情報共有サイトに「アカウントを復活させた人に報酬を出す」という広告を掲載したそうです。

アカウントを復活させるためにプレイヤーが提示した金額は1000ドル(約8万1000円)。オンラインゲームにかかる時間と手間を考えると、これぐらい必死になるのもわかりますが、果たして応じる人は出てきたのでしょうか……。

アカウントを停止されたプレイヤーによる広告の詳細は以下から。Buzzblog: WoW player offers $1,000 bribe to have account ban lifted

3月16日付けで地域別のコミュニティ型情報共有サイト「Craigslist」に以下のような広告が掲載されました。発信者はカリフォルニア州アーバインに住む「World of Warcraft」のプレイヤー。「World of Warcraft」はブリザード・エンターテインメントが提供する海外で人気のMMORPGです。

WoWで私の考古学者のボットアカウントがBANされました。私はゴールドファーマーじゃないし、ゴールドを売ったことも買ったこともありません。単に考古学者という職業が退屈だったから、ボットにしていたんです。1000ドル(約8万1000円)で私のアカウントのBANを解除してくれるアカウント管理者を探しています。（あなたの個人情報については）何も聞きません。匿名は保持されます。

専門用語が多いので少し解説しておくと、以下のような感じです。

考古学者：ゲーム内でキャラクターが所属する職業のひとつ。複数のアカウントを持ち、それぞれのアカウントで異なる職業のキャラクターを育てるプレイヤーもいる。
ボット：本来プレイヤーが行う操作をAIに自動で操作させているもの。ロボットの略。多くの場合不正利用として扱われ、アカウント停止の対象となる行為。
BAN：ゲームの管理者によってアカウントを停止されること。不正な操作を防ぐためなどに行われる。
ゴールドファーマー：ゲーム内の通貨をひたすら集めて、現実の通貨で売り、収入を得る人。ボットを使ってこれを行う場合もある。

ありていに言ってしまえば「不正利用の罰則で停止されたアカウントを元に戻してくれる中の人募集中：報酬8万円」ということで、賄賂を使ってなんとかしようとしているわけですが、どうにかしてこの買収を成功させようと彼は次のように付け加えています。

これは真面目なオファーです。私は郊外に住んでいますが、もしお望みの場合はお会いして現金で渡すこともできますし、PayPalで払い戻し不可にして送ることもできますし、木の下に封筒を置いておくこともできますし、その他なんでもあなたが望む方法で支払います。私のアカウントが元に戻ったら、必ずお金を渡します。私の名前と住所も教えます。メールをくれたら電話番号を教えるので、直接話すこともできます。

ゲーマーズサイトBlue Newsの編集者Stephen Heaslip氏は少なくとも気持ちは理解できるとし、「1000ドルという金額はキャラクターを取り戻したいと考えるプレイヤーにとって高すぎるものではない。彼らは数百時間を費やしてキャラクターを育てている」と語っています。Heaslip氏はまた、この買収が成功する見込みは低いと見ているとのこと。