頭部が気になる人必見、ヘアコンタクトで有名なプロピアの知られざる製造工場に行ってきました
女子高生が腕に毛をはりつけて引っ張っているCMが大々的にテレビで放映されていたことなどでも有名な、植毛したフィルムを頭皮に貼り付けて使用する「ヘアコンタクト」で知られるプロピア(Propia)の工場で、製造現場の一部始終を見てきました。
ヘアコンタクトは頭部が気になる人にはもちろん、病気やケガで頭部を痛めてしまった人にも使える医療用の材料を使った商品であるだけでなく、現時点で明確な対処法がない円形脱毛症に関しては医師と協力して研究を行い、また製造には独自開発の全自動植毛機を用いるなど、かなり開発に力を入れているとのこと。
また、つけはずしが何度もできる新商品で、現在全額返金キャンペーン中の「ヘアコンタクトフリー」の詳細や頭部用以外の商品、また医療現場でのヘアコンタクトの利用について、同社の保知宏社長から直接色々と聞いてきたほか、「最近頭部が気になるけど、どうしたらいいのかわからない…」といった人向けに、各店舗で行われている無料体験の流れも実際に見てきました。
詳細は以下から。かつらにかわる新提案 ヘアコンタクト・「ヘアコンタクト フリー」|プロピア
http://www.hair-con.com/
プロピアつくば工場に到着。
周りにも様々な工場があり、とにかく道がだだっ広い。
「ヘアコンタクト」のロゴがまぶしいこの建物で、機械による製造工程が行われるようです。
さっそく中に入っていきます。最初に顧客のデータを元にパソコン上で図面を引きます。
設定する値がかなり多い。
ここでは人工毛を植え付ける密度を調整します。図の上の部分が少し白くなっているのは、生え際の密度を薄くして自然な感じに仕上げる工夫だそうです。
いよいよ全自動植毛機のあるフロアに潜入。
同じ機械がワンフロアにぎっしり並んでいます。
かなりの数の機械があるので、作業が終了した、エラーが起こったなどの変化はランプで遠くからも確認できるようになっています。
機械の側面には操作部分が。
タッチパネルから設定することが可能なようです。縫い方がシングル、ダブルと2種類あります。
縫うポイントをライトで照らし、そこめがけてアームが降りてきます。1つ「ヘアコンタクト」を作るのに1台機械を使い、大きいものだと8時間ほどかかってやっと完成するそうです。極薄フィルムに人工毛を縫い付けるのがかなり難しいため、アームもさくさく動くのではなく1針ずつ縫っているような感じ。手仕事に近い動きです。
ボビンには人工毛が巻かれており、多数の色合いのものが取りそろえられていますが、実際によく使われるのは12色程度とのこと。あとは利用者の年齢に応じて、白髪とのブレンド比率を変えたりするようです。
計器はこんな感じ。
フロアに置いてあるホワイトボードに、「Propia経営哲学十ヶ条」を発見。
かなり熱い内容です。
機械が縫い上げたヘアコンタクトはこの棟に移され、人の手による最終調整が行われます。
調整フロアに突入。女性スタッフが黙々と作業しています。
機械で植毛済みの「ヘアコンタクト」を加工する機械。
かなりがちっと加工している様子。
YouTube - ヘアコンタクト加工の様子
加工済みのヘアコンタクトはベルトコンベアーに乗せていきます。
コンベアで流れてきたものは、丁寧に櫛でとかします。
とかした人工毛がまた絡んでしまわないようにひもで縛ります。
再びコンベアに乗せて移動。長髪の人の後頭部だけがぽこんと浮き出ているようにも見えます。
植毛部の周囲だけをレーザーカッティングマシンで切り取ります。
アームが滑るように動いてシートが切れていきます。
YouTube - ヘアコンタクトのフィルムカットの様子
こちらはつけ髭や眉毛など、頭部用以外の「ヘアコンタクト」生産ライン。
ブラシでとかすのは頭部用と同じ。
コテを使ってまっすぐに伸ばしたりもしています。
整えられた毛の束の集合体。なんだか生き物のようです。
梱包材やパッケージなどが置かれています。
できあがったものは、届け先ごとに分類されて棚に収められていました。
さきほどの機械フロアと同じくここにも「Propia経営哲学十ヶ条」がありました。
できたてほやほやのヘアコンタクトを試着させてもらえることに。糊がついている方のフィルムをぺりっとはがすだけで準備完了です。
オーソドックスに腕につけてびよびよと引っ張ってみました。
実際に「ヘアコンタクト」をつけている様子も見せてもらいました。まずはカット台でヘアコンタクトの毛を整えます。
ちょきちょき。
頭部につけてからも細かく調整します。
普通に床屋さんで施術されているような感じです。
つけた生え際を惜しげもなく披露してくれました。かなり自然な仕上がり。初見でこれが地毛でないと気づくのは至難の業かもしれません。
後頭部もしげしげと見せていただきました。
ヘアコンタクトを着けている状態はこんな感じ。
外したところ。がらっと雰囲気が変わります。
ぐるりと工場を見せてもらったあと、会社の受付付近に商品がずらりと並べてあるのを見つけました。
プロピアは「ヘアコンタクト」だけでなく、さまざまな製品を手がけています。こちらは独自開発のたんぱく質で出来たシャンプーの「プログノシャンプー」で、東急ハンズやドラッグストアなどで販売されています。
つけひげも手がけています。こちらも東急ハンズやドラッグストア、インターネットで購入可能。
プロピアの社長である保知宏氏に、ヘアコンタクトの開発や会社の創立についてインタビューしてきました。
G:保知社長は他社の技術営業職などを経てプロピアを設立したとうかがったのですが、最初に社長のこれまでの経歴や会社設立に至った経緯についてお話いただけますでしょうか。
保:最初は25の時にですね、会社を作ったんですよ。その会社というのは実を言うとも何の目的も無くて、社長の名刺がほしかっただけで会社を作りまして(笑)で、それから人を集めて何をしようかと考えて、ものを売ろうと。じゃあ次は何を売ろうかと考えて、資本金200万円でスタートしたんですね。
色々とあったんですけれども、たどり着いた商売が目の疲れを取る仕事だったんですよ。エステが使っている痩身の機械があったんですが、実は病院でリハビリ後のマッサージ用に使われている機械だったんです。それをエステ会社が痩身に使えるのではないかって、おなかに巻いたり腕に巻いたりして利用していたわけです。
ある会社がその機械を顔の痩身に使ってみようとモニターテストをしたんですよ。そうすると頭が痛いと言う人が何人か出てきて、これは何かあるということで機械にかかった人全員を病院で調べてみたんですね。でも誰もどこも悪くなくてですね。さらにどんどん調べていって、最終的に眼科まで行って検査をしたら、なんと頭が痛いと言う人はみんな眼鏡をかけている人で、痛くないと言う人は眼鏡をかけていない人だったんです。
その上で最後に視力検査をして分かったのは、モニター全員の視力が上がったということなんですよ。痩身することによってなぜか目の疲れが取れた結果、それが自然治癒力によるものかどうかは分かりませんが、視力が少し回復したことで、メガネの度が合わなくなって頭が痛くなったと。そんな内容が新聞に出てたんですよ。これは面白いと思ってその人に会いに行ったんです。
G:なぜ、その記事に注目されたのですか?
保:それがちょうど昭和59年、コンピュータがこれから出てくるぞ、っていう時だったんです。当時は日本に普及していたのがまだワープロで、みんなそれを使う練習をしていて、いつも頭や目が痛いと言っていました。
そんな時にこの機械はちょうどいいということで、機械を購入して、保健所に許可もらって営業を始めたんです。お客さんから1800円いただいて、15分間機械にかかっていただくということをしました。噂が噂を呼んでですね、たった15分機械にかかるだけのために2時間待ちになったんです。その後2号店を今度千葉県の柏に出したんですが、ある時ラジオで紹介されて、そしたら前と同じように長蛇の列が出来ました。雨の日も風の日も来てくれるわけなんですよ。要するにやみつきになっちゃうので、リピーターが多かったんです。
G:かなりの好評を博したサービスのようですが、継続されなかったのですか?
保:サービスの延長線上はやりたくないなと、色々苦労した中で考えたわけです。最終的には行き着くところはメーカーだろうと。しかしメーカーと言っても何か技術を持っているわけでも何でもないし。
じゃあどんな方向で仕事をしたらいいのかなと悩んでいるうちに、なぜお客さんが1800円握りしめて、毎日雨の日も風の日も来てくれるんだろうという疑問が浮かんで、考えた末の答えが「眼鏡は顔の一部です」ということなんです。まあ、これは眼鏡屋さんのキャッチコピーですが(笑)
当時の眼鏡は無骨なものばかりで、できればかけたくないものでした。だからコンタクトに走りたいんだけど、まだまだ輸入したコンタクトは片目だけで4~5万円と非常に高くて、安全性も分かってなくて。
だからこそうちに長蛇の列が出来たんだということに思い至って、こんなことに気づいたんですね。例えばおなかに大きな傷があったとしても、服を着たら見えなくなるけど、首から上はそうはいかないんだと。
そこで僕らができるメーカーって何があるんだろうと考えて、そうだ、「頭」だと。「頭」に関するメーカーでものづくりを考えた結果、「かつら」だと思ったわけなんです。だからもう全然頭に興味があったわけでも何でもないし、理容師でも何でもないわけなんですよ。ただ首から上の仕事をしようと思ったんです。
G:その後、会社を起こされたのですか?
保:いえ、あるかつら会社のフランチャイズ募集に応募したんです。これがまた長い話になるのですが、実際にフランチャイズに入ってかつら屋さんの実態を知ったんですよ。平成元年というと、バブルがちょうどはじけたころで、東京は弾けたといってもそんなすごい被害はまだなかった頃なんですけれども。
店に他社製のかつらを着けたお客さんたちが来ますが、業界に対する文句を吐き捨てていくわけですよ。でもかつらを使用する人たちは、月に1回か2ヶ月に1回、かつらを作ってもらったお店に伸びた自分の毛をカットしたもらうために通わないといけないから、自分がかつらを作ってもらったお店では文句を言うわけにもいかないんです。
そこで私は完全な聞き役になろうと思いましてですね。向こうががんがん文句を言ってくるのを「ごもっともです」と話をして、最後の最後に「じゃあ、お客さん。あなたの今の悩みをすべて私が一生かけて必ず解決してみせるから1個買って下さい。あなたが他社で作ったかつらは5万円で下取るので、そうしたら30万円のかつらが25万になりますよ」ということで、土下座をしたんですよ。
そうしたら「分かったよ。お前を信じて買うわ」と言ってもらえたので、「ありがとうございます。今お使いのものは5万円で下取りましょう」と言ったら、「25万円でいいよ」と言うわけですね。どういう意味なのかを聞くと、「お前が裏切ったら(元の店に)戻らないといけないから、かつらはお前に渡さない。これは切り札なんだ。あっちにお前のところのかつらを着けて行けないじゃないか。これは取っておくが、5万安くなるのなら25万にしろ」と言われてしまいました(笑)まぁ、そんなことで人を集めていったんですよ。
G:かなりの努力をされたんですね。
保:他社さんは大手広告代理店を使ってバンバン広告を打っているのに対して、こっちは業界3位のフランチャイズチェーン店とはいえ、新聞に小さく広告を出すのがやっとの会社ですから。
そしてある時お客さんと話していると「お前な、俺の苦しさ知ってるか」と言うんですよ。「存じ上げておりません。何でしょうか」と返すと「みんなでゴルフに行って、パットを打ったら帽子が飛んだんだ。キャディさんに帽子を取ってくれと頼んだら、キャディさんは走って取りにいったものの戻ってこない。『何やってんだ』と言ってキャディさんのところに行って、ぱっと見たら帽子が落ちていて、帽子の両側から毛が出ていた。ふとキャディさんの方を見たらそっぽを向いた。そして仲間の方を見たら、みんな別の方向を向いて素振りしてたんだ」と。
このお客さんの話を聞いて、従来のかつらの取りつけ方法について改めて考え直してみたんです。まず、中に小さい櫛を付けたヘアピンみたいなものでつけるタイプ。これは誰かにしゅっと持ち上げられたらすーっと取れちゃうのが欠点でしたね。あと、接着剤を頭に塗ってぺたんと貼り付けるタイプのかつらもあるんですが、接着剤といっても建材用の接着剤に近い、いわば木工用ボンドのようなもので頭に貼り付けるため、頭を洗えないという欠点がありました。
そうそう。今はもう無くなってしまった他社が使っていた外国製のものですが、すごいのがありましたよ。U字型の鉄のワイヤーを頭蓋骨に差し込んじゃうというもので、頭からワイヤーが6カ所出てて、そこにゴムのついたフックをくっつけるんです。取るともう紫色になって膿んでしまうんですよ。みんなそういう苦しい思いまでしているのに、取り付け方法はそんなものしかない。みんな取れてしまう不安を抱えているわけなんですよ。
で、僕らは最終的にどうしたかというと、ホック式のかつらを考案しました。ホックのオスを髪に結びつけちゃうんですよ。そしてメスをかつらに埋め込むことで、パチッと留めてしまえば取れないし、外す時には簡単に外せて、頭を洗った後に鏡を見なくてもつくんです。しかもホックの手入れは月に1回くらいの頻度なので、従来のかつらのメンテナンスと同程度の手間で取りつけることができたんです。
G:そういえば、かつらをつける人がヘアカットをするというイメージはないですね。上からかぶせて完了、という気がしてしまいます。
保:ああ、確かにありますね。でも買ったら終わりではないんですよ。女性用のウィッグだったら、美容院でつけてそれでいいってなるんですけど男性の場合はそうじゃなくて。月に1回、もしくは2ヶ月に1回の来店は必要になってくるんですね。
実を言うと、このホック式のかつらが大きな僕の一番最初の開発なわけですよ。このかつらを作ったことがきっかけとなって、お客さんから相当支持されましてね。ホック式の商品を作ったっていうその程度のことなんですけど、でもその程度のものでもお客さんに喜んでもらえるんであれば、本格的に開発型企業を立ち上げようと思ったわけです。かつら屋じゃなくて。開発型企業を立ち上げて、頭髪に対して本気になって考えられる会社を作ろうと。
ということで平成8年の9月に、フランチャイズを脱会したんですよ。その時にはもうフランチャイズの中では本社を抜いてダントツトップの会社だったわけです。僕自身はその会社と喧嘩別れしたわけではないんですが、脱会した途端に周囲の店舗で色々とあったみたいで、今もお店は残ってますけど社名は当時と変わってしまって、各店が独立した店舗になった状態で残ってはいますね。
G:ヘアコンタクトの開発はどの段階で?
保:ホック式かつらのすぐ後ではないですね。その次に作ったのは育毛の機械でした。「g・d・s・」というものがあるんですけども、そちらを開発して。これが出来たことで、次はかつらを変えようということで開発に取りかかったんです。僕は目の仕事をしていたんで、「かつらは眼鏡だな」と考えたんです。僕らはコンタクトレンズを作ると。だからヘアコンタクトという商品名なんです。
かつらというのはそれだけ人目を気にしなくちゃいけないもので、それは昔の眼鏡と一緒なんですよ。まだ眼鏡が牛乳瓶の底みたいなレンズだった時、普通の人はかけるイメージがなくて、男性は仕方なくかけていたけれど女性はハンドバックの底に入れてたんですよ。で、結婚するときにカミングアウトしたんですから。「私、眼鏡持ってるの」って。そういう時代だったんです。でもだんだんそれが変わっていったのは、コンタクトレンズが世に出たことによって眼鏡もどんどんよくなっていって、コンタクトもどんどんよくなっていって、昔は女性が眼鏡屋さんに行くのにね、眼鏡屋さんに入ろうとした時に前から人が歩いてくると知らん顔してまっすぐ歩いていって、誰もいないのを確認してからやっと入っていって視力検査したんです。今なんか違うでしょう?彼氏と一緒に手つないで眼鏡屋行くじゃないですか。この状況を誰が変えたかっていうと、間違いなく新しい風を入れたのはコンタクトレンズなんです。この業界にはそれがない。だったら、誰かがやらなきゃいけない。それなら、我々がコンタクトレンズを作ってやろうじゃないかという発想なんですよ。
G:ヘアコンタクトが出来たことによって、かつら業界にはどんな変化があったのでしょうか。
保:それはもう、大きく変わりましたね。育毛屋さんが色々出てきたりして、要するにかつら業界が細分化していったんですよ。お客さんが何でも選べる時代になってきたころに、かつらもどうしようかと。というのはもうダサイイメージしかないじゃないですか。風で飛ぶとか、かっこ悪いとかね。我々は本当にこういう設備を持っている、しっかりとしたメーカーですからね。医療用にやってる企業が、我々の商品のために皮膚につくフィルムと、そしてフィルムに直接つく吸着剤の開発をしてくれているわけです。そして髪の毛も、名前は出せませんがある有名企業で作ってもらっています。
使い切りで安い商品ならたくさん作れるわけなんですよ。でもそうじゃない。使い捨て商品で、最高の商品を作らなきゃいけないわけなんです。そういう考えで材料を探していくと、最終的に行き着くのは全部日本製になっちゃうわけなんですよ。人工毛一つを取ってもね。
G:工場を先ほど拝見したのですが、すごい設備ですね。特に植毛機では人工毛の色を混ぜるなどかなりのこだわりがあるようですが。
保:そうなんです。人工毛をミックスして色んな人の髪の色を作ってますから。あの全自動植毛機は何にもないところから作りましたからね。
設備にこれだけ投資するのも、ヘアコンタクトをかつらと対比する商品じゃなくて、要するに全く新しいカテゴリとして遊べる商品として認知してほしいからなんですね。また眼鏡とコンタクトの話になりますけど、15年前、20年前、コンタクトレンズしてる人は「ええっ、コンタクトしてるの?痛くないの?」って言われたんです。今はそんなこと誰も言いません。それはなぜかって言うと、使ってない人たちまでその商品を認めたからですよ。
だからこの業界も、使ってない人たちが認めてくれることによって、ヘアコンタクトを使っている人が普通に「今度のヘアコンよくねえな、技術者下手なんだよ。前のがよかったんだ」なんて話が普通にできたら本人どんなに気が楽にできるかなんですよ。我々はそういう状況を作りたいんですよ。だからおかしなモヒカンのCMやったりして、楽しくおかしくやりましょうよと言ってるわけなんです。隠れてやる必要なんかない、その代わり、我々は覚悟を決めて、原価がかつらより高くたって、1枚を安く提供していきたいんです。世界一安全で、世界一クオリティの高い商品を目指していって、そして薄利多売でしっかりとやっていこうと。僕らはこれをずっと貫き通していこうと思いましたね。
G:ヘアコンタクトを購入する場合、最初に店舗でカウンセリングを受けることとなっていますが、その内容はどのようなものなのでしょうか。
保:まずかつら業界のカウンセリングっていうと色々ありますけどね。我々はしっかりと商品をお見せして、これがどれくらいの期間使用できるかといった説明をしっかりして販売をしていくわけですね。この業界自体が非常にグレーで、ものを見せない、閉鎖的でしょう。だからみんな、利用するにあたって相当不安を抱えると思うんですよ。でも、僕らの商品は東急ハンズにあります。つけひげがそうです。あれは我々の商品を見てもらいたいがために作ってるようなもので、いわば有料体験グッズなんですよ。カラーコンタクトが出来たことによって、コンタクトっていうのはより広まった、というか自然に使える商品になりましたよね。その発想なんです。ちなみにこのつけひげは映画関係者が結構買ってくれてるみたいで、宣伝にはなってるんですが、それは本当の狙いとはちょっと違うんです(笑)
買って使っていただくなり、見ていただくなりすれば、ヘアコンタクトの良さが分かるんです。弊社ではもっと、色んなことをオープンにしていきます。
G:ヘアコンタクトは医療用にも使われていると伺ったのですが、どのような状況にある人が使用しているのでしょうか。
保:主に円形脱毛症の方に向けて今開発・研究を進めています。世の中には円形脱毛症の方は何十万人もいるのに明確な対処療法がないんですよ。
このヘアコンタクトを作るきっかけとなったのも、円形脱毛症のお客さんに出会ったことなんです。まだ昔のフランチャイズ店舗にいた頃、小学校低学年の男の子がお母さんとうちに来てですね、刈り上げてる頭皮に円形脱毛が3つくらいできてしまっていて、つけられるものが何にもないんですよ。結局半かつらをつけてあげたんですが、それが学校で外れてしまって、そのために1ヶ月後に転校したんですよ。そういう事実があって、これは何とかしなくちゃいかん、対処療法が何も無いじゃないかと危機感を抱いたんですね。
それで今年から、東京女子医大の女子障害センターの檜垣先生と一緒にCSR活動をして、臨床データを出していこうじゃないかという話になりました。「ヘアコンタクト」をつけることによって、どれくらい精神的に楽になっていくのかということを調べています。気に病むことで症状が悪化していってしまう、というようなことも、今後このデータから分かっていくと思います。病気の治療自体にも関わっている開発をしているんですね。「ヘアコンタクト」の材料は医療分野でも使われていますから、お医者さんからしてもそれだけでOKなわけなんですよ。
材料の中でも糊にあたる部分の話をさせていただきますと、普通のかつらの取りつけには木工用ボンドに近いようなものを使うんです。使い方はチューブから出してべとべとのものを頭全部に塗って、かつらの方にも塗ります。少し乾いた時点で、かつらを頭に貼り付けるわけなんです。木工用ボンドって、チューブから出た時点でシンナー臭いですよね。あれはシンナーが揮発して、中の溶剤がどんどん固まっていくからなんです。揮発して固まるだけならいいんですが、皮膚の上に接着剤を乗せると表面側のシンナーは蒸発していきますが、皮膚側の方は皮膚の中に入ってしまうんです。それが現実なんです。我々の商品はどうかっていうと、さっき言ったような糊ではなく吸着剤というもので貼りつけていて、それは医療分野の範疇で作られたものですから安全性が高いわけなんです。
G:「ヘアコンタクトフリー」という新商品が発売されましたが、これまでのものとどのような点が異なるのでしょうか?開発秘話などもあればお教えいただければと思います。
保:「ヘアコンタクトフリー」は、取りつけてからはずしても、またご自分でつけていただくことが可能となった商品なんです。今までのヘアコンタクトは引っ張っても取れない、体の一部になる商品を目指して開発していましたから、髪の毛の植毛の仕方まで変えないといけなかったんですね。
皮膚に優しくてはがすことのできる吸着剤となると粘着力は弱くなるんですが、そうするとフィルムからそれがはがれてしまったんです。また、吸着剤をきちんとフィルムとくっつけておかないと、はがしたときに皮膚に吸着剤だけが残っちゃうわけですよ。
それでどうしたかと言うと、今度の商品の吸着剤はゲル状になっていて、皮膚の凹凸に入りこんじゃうんです。それで粘着力をキープする。だから角質はほとんどはがさないから肌にも優しくて、何度もつけ外しができるんです。普通一般に売られている糊やテープは、肌の凹凸の凸部分にしかつかなくて、はがすと表面の角質をはがしてしまうんです。表面に角質をはりつけてしまうから、粘着力が弱まってしまうんですね。
G:「ヘアコンタクトフリー」は自分で数回の着脱ができるとのことですが、着脱の限界回数はおよそ何回くらいなのでしょうか。
保:毎日洗っても大丈夫です。むしろ毎日洗ってもらいたいですね。
サイト上で吸着力が続くのが約1ヶ月と言ってますが、これは貼ってはがすのを1タックという言い方をするんだけど、30タックが可能だからこう表示しているんですね。これまでのヘアコンタクトは、つけた時からずっと一緒に生活するわけで、それがいいって言うお客さんもいっぱいいますけど、家では外したいだとか、かつらも使っているんだからかつらは家で外したいんだという方もいる。
でも、例えばかつらでゴルフ行くにしてもさっき言ったみたいなことも起きるし、じゃあみんなと一緒にお風呂に入れるかって入れませんし、つけたまま寝ることもできませんから。もしつけたまま寝たら、朝起きた時かつらは外れてどっかに転がってしまっているでしょうね。でも、この「ヘアコンタクトフリー」はさっき挙げたことすべてが出来るんですよ。
例えば「俺はかつらでいい、でもつけたまま激しいスポーツはできない」と思っていた人が、今後はこれまでできなかった激しいスポーツができるようになるわけです。普段から持っていて、自由な時に使ってもらえばいいわけですから。月に3回しか使わなければ10ヶ月持つわけなんですよ。そういう使い方もできるんです。かなり自由度が高い商品なんです。
G:実はある編集部員が以前プロピアのカウンセリングに受けたことがありまして、その際にヘアコンタクトは必要ないと伝えられ、自分の毛髪に人工毛髪を結びつける「増毛」サービスの方をおすすめされたという経緯があるのですが、ヘアコンタクトに適した人、ならびに増毛の方が適している人というのはそれぞれどんな方なのでしょうか。
保:そうですね、ヘアコンタクトをご利用いただく方は、もう地肌の透け具合が多くなった方ですよね。ほとんど頭皮が地肌になり始めた人の商品ですよ。やっぱり少し密度が少なくなったような人は増毛みたいに、髪に結びつけていく方法しか安全なものはないでしょうね。あとは、使えるかどうかということは、我々が見ればすぐ分かりますから。
G:脂性とか乾燥肌とかは関係ないのでしょうか。
保:それはもう、どんな方でも大丈夫ですよ。
G:乾燥肌の人は角質がはがれやすいということは?
保:そうですね、まあ、きちんと洗ってからつけた方がいいでしょうね。さっき言ったみたいに、「ヘアコンタクトフリー」は基本的に毎日洗ってもらいたいんですよ。なぜかって言うと、肌の角質をはがしてこない構造になっていますが、本当に古い角質は商品にくっついてしまいますから。でもそれは洗えば取れちゃいます。毎日洗ってもらって清潔にしてもらって使っていただくと。その辺も踏まえて、乾燥肌の方でも利用してもらいやすいんじゃないでしょうか。
G:全額返金キャンペーンというかなり思い切った展開をされていますが、どのような内容なのでしょうか。
保:これはですね、1枚から普通に購入できるので、まずは買ってみてください、使ってみてください。で、気に入らなかったら全額商品代金はお返しします、というキャンペーンなんですね。
まずカウンセリングに来ていただいて、大きなものと小さなものと2つ用意してありまして、その方にあったものを提供させていただきます。小さいものは「半月」といって、つむじより前が薄くなった方用ですね。大きいものが2万5000円、小さいものは1万5000円です。
G:最近こういう全額返金キャンペーンを目にしますが、何か触発された他社の企画などはあるのでしょうか?
保:我々がこれだけ自信があるのであれば、自信がある商品を表に出そうよと。そう考えた時、一番最初に出た案が、気に入らなければお金返しますよ、というもので。その流れでこういうキャンペーンになったんです。
これはまたとないチャンスだと思いますよ。1月31日までやりますから、この機会にぜひ試していただきたいですね。
G:これから開発していく新商品の案がありましたら教えてください。
保:今よりもっと薄いフィルムを使った商品を作りたいですね。コピー用紙の10分の1の厚さにあたる0.01ミリ以下のフィルムを作りたいですね。フィルムを貼ったのを誰が見ても触っても分からないものをね。
最近はおしゃれ用のつけまつげなんかも出したんですが、つけたまま生活することができるんですよ。非常に面白い商品です。他にもまだまだ極秘で動いていることもありますしね。
G:実際に薄毛で悩んでいる人はシャンプーやコンディショナー、育毛剤、飲み薬など毎月かなりお金をかけている人が多いようなのですが、それらの育毛・発毛商品との価格競争についてはどのようにお考えですか?
保:いいところを突いてきますね!僕の考えとしては、育毛剤と同じ棚に並ぶ商品を作りたいんですよ。例えば、某育毛剤は8000円くらいしますよね。8000円で夢を買うのか、こっちの8000円で現実買うのかなんですよ。今度はデートするから現実買っちゃえ、という場合もあり得る。それくらいに同じ価格で選ばせようというぐらいまで行きますから。最終的にはね。
G:では、ドラッグストアで医薬部外品として並べられる商品も展開していくということでしょうか
保:もちろんです。今販売している「プログノシャンプー」も、髪の毛自体と同じたんぱく質を主成分にした、すごくいい商品ですから。今後もっとよくなるのかどうかは、見てていただければ分かると思いますよ。
うちは利益を追求するのではなく、たくさんのお客さんに使っていただくことによって、よりいいものを世に送り出そうという考えですから、ぜひ今後とも、ご支持をしていただければと思います。
G:今後、ヘアコンタクトは技術面ならびにサービス面でどのように進化していくのか、その展望をお聞かせいただけますでしょうか。
保:やはりこの商品は世界に出していかなきゃいけない商品だと思いますし、もっと気軽に、手軽に使える商品にしていかなくちゃいけない。それには今の機械の大改造が必要になる。もっと速く作らなきゃだめだし、これは今後も変えるつもりはないですけれど日本製の材料を使ってますから、もっと大量生産をすることによって少し安く購入できるようになって、もっといいものを提供していきたい。実を言うと髪の毛とフィルムの改良に取り組んでいます。
ヘアコンタクトはもっともっと進化していきますよ。今回の新商品「ヘアコンタクトフリー」にとどまるなんてことは全然ないです。やっと入り口に入って一歩踏んだ、という感じですね。
G:ありがとうございました。
後日、大阪にある「プロピア梅田本店(梅田相談室)」にて実際のカウンセリングの流れを見てきました。
入るとすぐにカウンターが。
社団法人日本毛髪科学協会の加盟証がありました。
待合室は顧客同士の顔が見えない設計になっています。
待ち時間に読む雑誌がずらり。
カウンセリングルームに案内してもらいました。今回は1番の部屋を見せてもらいましたが、同様の部屋が3つあります。
入るとすぐに対面で座るテーブル一式が。
この機械で頭皮の状態をチェックします。
機械一式はこんな感じ。
スイッチを入れて頭に当てるだけで毛根の様子などがすぐ見られます。
続いて奥にあるブースへ移動します。ここでは「ヘアコンタクト」の装着や地毛のカットなどの施術を行うそうです。
各ブースには、かなりしっかりした椅子が設置されています。
鏡の中にはモニターが埋め込まれていて、施術中にDVD鑑賞ができるようになっているなど、かなりハイエンドな設備です。
シャワー台も設置されています。
サロン内は普通の理髪店のような雰囲気で、待合室も客同士の顔が見えないようになっており、各ブースはきちんと仕切られているなどプライバシーが保たれた空間となっていました。無料体験があるようなので、頭部に何か気になることがある人は気軽に行ってみてもいいかもしれません。
かつらにかわる新提案 ヘアコンタクト・「ヘアコンタクト フリー」|プロピア
http://www.hair-con.com/
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