【訃報】芸能界の長老的存在だった俳優の森繁久彌さん死去

戦後の芸能界を代表する俳優で、1950年代から1970年代の喜劇界を支えたコメディアンでもあった森繁久彌さんが東京都内の病院で亡くなりました。96歳でした。死因は老衰だったとのことです。

俳優の森繁久弥さんが死去 : 文化 : 社会 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20091110-OYT1T00983.htm

森繁さんは1913年(大正2年)、大阪生まれ。若い頃から演劇の世界を志し、大学時代は数々の劇団を渡り歩きましたがなかなか芽が出ず、1939年にNHKのアナウンサーとなりました。戦後は再び劇団に戻り、1950年のラジオ「愉快な仲間」で藤山一郎の相手役として注目を集め、映画「腰抜け二刀流」で銀幕デビュー。

1952年からはサラリーマン喜劇で活躍、1956年から70年にかけては森繁さんが会社の社長を、小林桂樹さんが社長に振り回される秘書役を演じる喜劇映画「社長」シリーズが1年に2～3本というペースで合計33本制作されました。

1955年の映画「夫婦善哉」、および「警察日記」では演技派の面を見せ、以後はコメディアンとしてではなく俳優としても活躍の幅を広げていきました。1984年に文化功労者に選ばれ、91年には演劇界として初の文化勲章を受章していました。

21世紀に入ってからは2004年の映画「死に花」やドラマ「向田邦子の恋文」など、一部作品に出たのみであまり出演作はありませんが、芸歴の長さから他の俳優らの葬儀があると必ず出席する姿が見られました。

2009年7月に風邪を引き、そのまま入院。病状は特に悪くなく、元気で過ごしている様子が伝えられていましたが、11月10日(火)に老衰で亡くなりました。亡くなった日は、ちょうどリンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件の市橋達也容疑者が逮捕された日で、重大ニュースが相次ぐことになりました。

若い世代にはあまり活躍する姿はなじみがありませんが、徹子の部屋の第1回ゲストとして登場して黒柳徹子の胸を触ったり、日本初のカラー長編アニメ映画「白蛇伝」で男性キャラすべてを演じるなど、芸能史を語る上では欠かせない人物でした。