無料HPスペースで有名な「Yahoo!Geocities」の本家が閉鎖、そして失われたものたちとは
回線速度は56kbpsが当然で、ISDN(64kbps)だというだけでも「凄いな」と言われていた時代から続いていた無料ホームページ提供サービス「Yahoo!Geocities」が閉鎖されることになりました。といっても海外のYahoo!での話で、日本のYahoo!は独自路線を歩んでいることから「Yahoo!ジオシティーズ」は元気なわけですが、海外でもGeocitiesといえば無料HPスペースの入門編のように使用されていたようで、多くのネットユーザーたちが「たくさんのものが失われてしまった」と嘆いています。
果たして、この「Yahoo!Geocities」閉鎖で失われてしまったものとは何なのでしょうか。
詳細は以下から。
Goodbye GeoCities: 7 Retro Things We'll Miss Forever | Tosh.0 Blog
1:「工事中」のGIF画像
(by DryIcons)
いつまでたっても公開されないコンテンツ、そのページの中央には「工事中」「Sorry,Under Construction」などという言葉やGIF画像(時にアニメーションGIF)がぽつんと配置されている、という光景は、90年代のウェブサイトならそこかしこで見られました。ウェブサイト構築と土木工事との関連性は見いだせませんが、なぜか使用されている画像は土木工事で使われている赤白コーンやトラ縞(黄色と黒)コーンだったり、黄色いヘルメットを被ったオジサンが頭を下げていたり。
2:いろんなタグの使われたHTML
(by webmove)
中国の最新技術を紹介した「先行者ネタ」などで大ブームとなった「侍魂」を筆頭に、必ずしも「侍魂」に影響を受けていたわけではないものの”テキストいじり”が流行した時代がありました。文章の一部のフォントを巨大なものにしたり、色を変えたりするというのは今でも使われるテクニックですが、HTMLタグを覚えて使いたくてしょうがなくなった人は文字を左右に動かすMarqueeタグ(IE独自仕様タグ)、テキストを点滅させるBlinkタグ(Netscape系独自仕様タグ)などを用いて、ちょっと見づらいテキストを作っていました。今はムービーを再生するコンテンツもありますが、当時はそんなものがなかったのでBGMとしてMIDIを再生するようにしているサイトもありました。
3:ゲストブック
(by zzilch)
「このホームページへ来た人はゲストブックへ何か一言書いていって下さい」というメッセージと共に設けられたゲストブックへのリンク。ブログでいうと「コメントする」に該当しますが、ゲストブックの場合はサイト全体が対象となるため「面白いサイトですね!また見に来ます」などといった書き込みがされていました。ちなみに、雑談中心の掲示板は別に設けられていることがあり、多いサイトでは話題別や種類別に複数の掲示板を置いているケースもあります。
4:FAQ(よくある質問)
(by KarmenRose)
「FAQ」とは「Frequently Asked Questions」、つまり頻繁に聞かれる質問とその回答をまとめたもので、取扱説明書の最後の方によく掲載されているもの。WikipediaのFAQだと「どうやったら新しい記事を作成できますか」「ウィキペディアの時計がおかしいです」などといった質問が並んでいます。しかし、個人サイトの場合はいったい何がFAQになるのでしょうか……。例えば「Wikipediaを100倍面白く読む方法」というサイトを作っていたとして、FAQの最初が「Wikipediaとは?」なのだったら、おそらくそのサイトはWikipediaについてとても不親切な説明しかできていないサイトだということになります。
5:「トップへ戻る」リンク
(by bellybutton girl)
Geocitiesに作られたサイトは縦長の単一ページが多く、さらになぜか三段落ぐらいごとに「トップへ戻る」リンクが入っていたりします。まだ全体の20%しか読んでいないのに「このリンクをクリックしてまた最初から読み直して」と言わんばかりのリンクの意味は何なのでしょうか。
6:アクセスカウンター
(by anachrocomputer)
Geocitiesの重要な要素の一つが無料で使えるアクセスカウンターでした。内容が日記中心で友人知人ぐらいにしかURLを教えていないサイトだと日々じりじりとしか伸びない数字ですが、なぜか多くのキリ番を設けて「キリ番を踏んだ人は掲示板で報告して下さい」という謎の風習ができあがっていたり。そういえば、Google Analyticsではカウンタは表示されませんね。
幸か不幸か、あくまでGeocitiesの閉鎖は海外だけの話。日本のYahoo!ジオシティーズはこれからも元気に残っていくそうです。かつて頑張って作ったけれど、今はパスワードを忘れて更新することもできず、ただウェブ上に佇むだけの自分の「ホームページ」をたまに観に行くのも一興かもしれません。
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in ネットサービス, Posted by logc_nt
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