コラム

ソフトバンクモバイルの「S-1バトル」はなぜ儲かるのか?そのカラクリを解明する


ソフトバンクモバイルが本日からプロの芸人が笑いの映像で真剣勝負する携帯電話向けコンテンツ「S-1バトル」を開始しました。

「S-1バトル」とはお笑い芸人が制作したオリジナルのお笑い映像作品を投稿して、携帯電話ユーザーからの投票をもとにチャンピオンが選出されるというコンテストで、投票したユーザーにも最大1000万円の現金が当たるというもの。


ユーザーにもメリットがある「S-1バトル」ですが、実施することでソフトバンクモバイルにはどのようなメリットがあるかを考えてみました。

詳細は以下の通り。
■「S-1バトル」とは?

そもそも「S-1バトル」とはどういうものなのでしょうか。その仕組みをチェックしてみましょう。

S-1バトル | SoftBank

S-1バトルは3月1日(日)から12ヶ月間、毎日開催されます。お笑い芸人が「S-1バトル」向けに制作した、オリジナルのお笑い映像2作品のどちらが面白いのかを毎日ソフトバンクモバイルユーザーが投票で決めるという仕組み。月間チャンピオンには賞金として1000万円が贈られます。


そして来年行われる「年間チャンピオン大会」で見事優勝したチャンピオンには賞金として1億円が贈られるほか、投票者にも抽選で1000万円が当たります。


ちなみに毎日送られてくるメールから簡単にバトルの視聴・投票が可能な「S-1バトルメール」に登録して投票に参加すると、毎月抽選で10名に10万円がプレゼントされるとのこと。


バトルメールからの参加イメージはこんな感じ。


つまり「S-1バトル」とは、以下のようなものです。

1:お笑い芸人が作った2つの映像を携帯電話で視聴して、どちらが面白いのかを毎日ソフトバンクモバイルユーザーが投票で決める企画
2:お笑い芸人に支払われる賞金総額は2億2000万円
3:毎月抽選で「S-1バトルメール」に登録して投票に参加したユーザー10名に10万円(年間合計1200万円)プレゼント
4:最後に行われる「年間チャンピオン大会」に投票した投票したユーザーに抽選で1000万円プレゼント

■パケット定額プランを上限まで使わせることが目的

携帯電話で動画コンテンツの視聴などを行う場合、以下の目安にあるように高額なパケット料金が発生する可能性があるため、「S-1バトル」公式ページでは「パケットし放題」などのパケット定額プランへの登録を薦めています。

また、2009年6月末まで「S-1バトル開幕キャンペーン」として、S-1バトルメールの受信料が無料となるほか、「パケットし放題」加入時のお笑い映像をダウンロードする通信料金が75%OFFとなっています。

これが「ホワイトプラン」および「ゴールドプラン」契約時のウェブ利用時にかかるパケット料金。150KBの着うたをダウンロードすると約285円かかります。
メール・ウェブ料金 | SoftBank


「S-1バトル」のお笑い映像が1作品あたりどれくらいのデータサイズになるのかは分かりませんが、毎日バトルメールが届くことで発生するパケット通信料や動画視聴・投票にかかるパケット通信料を考えると、パケット定額の上限まで利用することになるユーザーは多いのではないでしょうか。

また、一度でもパケット定額プランへ登録させることで、飽きたユーザーが「S-1バトル」へ参加しなくなった場合でも、パケット定額プランを解約するまでは下限となる月額料金(「パケットし放題」プランなら1029円)が発生するため、ソフトバンクモバイルの通信料収入が底上げされるというメリットも考えられます。

そして時間が経つにつれて、だんたん「S-1バトル」に参加するユーザーが減ることも考えられますが、一番最後に投票者に1000万円が当たる「年間チャンピオン大会」を行うことで、利用者の増加にテコ入れをする仕組みまで整えられています。

ちなみに「S-1バトル」を開催するために、賞金やユーザーへのプレゼントとして合計2億4200万円がかかっていますが、ソフトバンクモバイルの全加入者数約2000万人の1.2%弱にあたる23万5000人が1ヶ月でも新たに「パケットし放題」に加入した場合、基本料金だけでペイできることになります。

つまりソフトバンクモバイルが「S-1バトル」を開催することで得られると考えられるメリットは以下。

1:ユーザーが「S-1バトル」を利用すればするほど、パケット定額プランを上限まで使わせることができる
2:仮にユーザーがパケット通信を行わなくても、パケット定額プランへ加入させることができれば基本料収入が増える
3:もし「S-1バトル」利用者が減少しても、1000万円が当たる最後の「年間チャンピオン大会」でテコ入れ可能
4:優勝賞金やユーザーに支払われる賞金は、ソフトバンクモバイルの加入者の約1.2%弱が1ヶ月でも「パケットし放題」に加入すると基本料金だけでペイできる
5:もし「S-1バトル」の企画自体が失敗に終わっても、春商戦端末の発表会でお笑い芸人を大量に起用したことにより、普段発表会に来ないようなメディアまで発表会を取り上げたため、十分な宣伝効果を得られている

ちなみに「S-1バトル」と同日に発表された、合計5000円相当のコンテンツを月額315円で使い放題の「コンテンツ得パック」についても、コンテンツの料金を下げて利用を促すことで、パケット通信料の増収でペイすることが目的の施策である可能性も考えられます。

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in モバイル,   コラム, Posted by darkhorse_log

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