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ネット上の違法な音楽や映像を自動で1日あたり数千件から数万件を見つけ出す「ロバストメディア探索技術」


NTTの発表によると、音や映像の特徴どうしを照合することにより、インターネット上の投稿コンテンツなどの音や映像の中に、予め登録された特定の音楽や映像が含まれるかどうかを高速に検出できる「ロバストメディア探索(RMS: Robust Media Search)技術」を開発したとのこと。

この技術を使ってネット上の投稿サイトやブログサイトなどで使用された音楽や映像コンテンツのタイトルを特定する実証実験を、2008年4月22日(米国時間)から9月30日までの予定で開始するそうです。

一体どういう仕組みでこんな事が可能なのかという詳細は以下から。
インターネット上での音楽・映像コンテンツの
使用を特定する実証実験を開始
~大量の投稿コンテンツを処理できる「ロバストメディア探索技術」を開発~


このRMS技術はメディア探索技術の一つで、これまでの一般的なメディア探索技術に比べて高いロバスト性を持っているのが特徴。ロバスト性とは、音や映像の信号に様々な変化(別の音の重なり、テロップなどの重なり、音質や画質の劣化、編集や加工など)が加わっても高い精度で元のコンテンツを特定できるといった、信号変化に影響されにくい性質のこと。RMS技術は、音の波形値や映像の画素値を元に特徴データと呼ばれる数値を抽出する特徴抽出部と、特徴抽出部で抽出された特徴データを高速に照合する特徴照合部から成り立っているそうです。

図で示すとこうなる


このRMS技術による映像探索では、特徴抽出部において映像中から特徴的な部分だけを選択して数値化する工夫と、特徴照合部においてこれら数値の一貫性を考慮しながら照合する工夫を行ったことで、高いロバスト性を実現できており、大ざっぱに説明すると以下のような感じ。


さらに今回、時間整合性フィルタ技術を開発し、特徴データのサイズを圧縮することに成功。これにより、ロバスト性を失うことなく特徴照合部の処理を大幅に高速化することができ、大量の投稿コンテンツを処理できるとのこと。これによって、インターネット上の各種サイトでの音楽や映像コンテンツ特定の自動化が可能となり、違法コンテンツの検出や削除だけにとどまらず、使用実態の把握に伴う新たなサービスなどへの活用も期待されるそうです。

そのためにBayTSP社とともに実証実験をすることになっており、権利者から預託を受けた音楽や映像のコンテンツに対し、NTTの研究所がRMS技術(特徴抽出部)により特徴データに変換する処理を行い、特徴データをデータベースに格納。次に、BayTSP社が、実在の投稿サイトやブログサイトに投稿・掲示されたメディアファイルの一部を収集。これらに対し、NTTの研究所が上記と同様の処理により特徴データに変換し、RMS技術(特徴照合部)によりデータベースに蓄積された特徴データを探索して、その結果をBayTSP社に返信する、と。


この実験では、1日あたり数千件から数万件規模のファイルに対して、データベースとの照合を行うことを予定しているそうなので、もしかするとネット上の各種動画共有サイトなどの違法利用に関する懸念は技術の力である程度緩和されるのかも。

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in メモ, Posted by darkhorse

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