変革したいエンジニア鋭意募集中の「サイバービーンズ」にインタビュー
「CyBeC2.0」という新しい経営ビジョンを打ち出し、新しくエンジニア向けのサービスの企画・開発を、社内ベンチャーを立ち上げて推し進めている「サイバービーンズ」。
会社設立当初から、自然発生的にエンジニア達が仕事をハックしたり、社員達で草の根的に新規事業を立ち上げたりする風潮が根付いている会社で、今はエンジニアの仕事ハックのための開発環境やWebサービスなどのビジネス化に向けた新事業を立ち上げを進めています。
今回の人材募集の背景にも、「自分の仕事を自らハックし、新事業を推進する勢いを持った人材を求めている」という背景があるようです。
新しく「エンジニア向け」の自社サービスを立ち上げようとしたきっかけはもちろん、職場環境や、どのようなメンバーと開発を進めていきたいのか、などについてインタビューしてみました。
自分の想いをカタチに変えていきたいエンジニア必見です。
サイバービーンズ社の入口。
Oracleの「ORACLE MEMBER PARTNER」です。
サン・マイクロシステムズ株式会社が日本国内で展開している総合支援プログラム「Java Developer Connection」会員。
Oracleの社員犬のマスコットがあります。
社内の風景はこんな感じ。
お話をうかがったのは、サイバービーンズ株式会社 執行役員 事業推進部 部長 佐藤英俊さんです。
◆サイバービーンズとはどんな会社?
G:
サイバービーンズはどのようにしてできたのでしょうか?
S:
サイバービーンズ株式会社は1998年に設立し、そのころには新しい概念であったJavaと「仮想化」をコンセプトにしていました。当時はようやく「J2SE」が発表され、Javaの標準化団体である「JCP」が立ち上がった頃で、市場はJavaの可能性に懐疑的な風潮もありましたが、コンセプトやアーキテクチャの可能性を信じて立ち上げました。社名はJavaで書かれた再利用可能なソフトウェアコンポーネントから由来しています。そしてもう一つの意味として、人間を「芽を出す前の豆(Beans)」にたとえて、青年が「たくましく大地に根を張って芽を出して欲しい」という願いを込めています。
社名にちなんで会議室の名前もユニーク。なんと会議室の名前が「えだまめ」に。
こちらは「そらまめ」。
G:
その当時からJavaに注目されていたとは、大分先進性がありますね。
S:
ありがとうございます(笑)
もちろん、当時はJavaに特化したスタートアップ企業として一定の輝きがありましたが、こうして9期目を迎えるにあたりまして、弊社では「CyBeC2.0」という新しいビジョン(経営方針)を掲げて再スタートアップをすることとなりました。
G:
「CyBeC2.0」とはどういったビジョンなのですか?
S:
「CyBeC」とは、「Cyber Beans Corporation」のそれぞれの頭文字をとった略称です。つまり「CyBeC2.0」とは、サイバービーンズ社を次のステージに進める為の経営方針なんです。弊社のビジョンとしては、最終的には「ITで社会問題を解決する」ことを目標にしており、環境分野のソリューションを視野に入れています。「CyBeC2.0」ではその前段階として、まずは自分たちエンジニアの仕事環境を改善することを目標にして、仕事ハック系のプロダクトやサービスを提供するスタートアップ事業を立ち上げようとしています。
「CyBeC2.0」は、「自分たちの環境を自分たちで改善するビジネスを立ち上げる」というビジョンでもあり、同時にそういったプロダクトやサービスの開発コードネームでもあるんです。私たちはこの「CyBeC2.0」に参加して、一緒に実現してくれる仲間を求めています。
G:
なるほど。ちなみに「LET'S AJAX (LAX)」というEclipseのプラグインをオープンソースでリリースしていますが、これも「CyBeC2.0」の一環として始められたのでしょうか?
これが「LET'S AJAX」の画面イメージ。
S:
そうですね。既にこの1年で新しい方向を模索したり、打ち出してきています。ソフトウェア関係ではありませんが、OracleのRAC(※ Oracle Real Application Clusters:卓越した耐障害性とパフォーマンス、スケーラビリティを持つOracle社のデータベースシステム)の構築サービスなども提供しています。これは弊社の社員が自分で事業企画を立て、Oracleに強いエンジニアを巻き込んで立ち上げた社内ベンチャーの1つですね。
G:
社内ベンチャーがあるのですか。ちなみにいつごろから社内ベンチャーを「始めよう」という話が出てきたのでしょうか?
S:
時期的には昨年の9月ごろですね。新規事業提案を社員の中から募りまして、Oracleのサービスにしても、先ほどのLET'S AJAX(LAX)についても基本的にはそこから出てきた社内ベンチャーです。
G:
社内ベンチャーでも、なぜこのような「エンジニア向け」のサービス展開を行おうと思われたのですか?
S:
例えばデータベース管理者の方やSEの方の需要に対しては、「自分たち自身がマーケット」であるので、マーケットの無言の要求が、当然ながら自分たちで分かります。一方で、このマーケットの持つ「潜在的なニーズ」を満たすサービスが少ないことに着目しました。
例えば、「自分たちが役に立つIDE(統合開発環境)といったものなら、良いものが作れるのでは?」ということで、いくつかあった新規事業提案の中から先ほどの2つを選びました。それがやっと形になってきたところですね。
G:
ということは今まで自分たちにあった「壁」を打ち破るものをサービスとして始めた、ということでしょうか?
S:
そうですね。「開発者」を1つのマーケットと見立てて、そこに対するソリューションを提供していこうというのがロードマップにあります。この次にどういうサービスをやりたいかというものも、だいたい固まってきておりまして、あとはリソースの問題となっています。
開発者向けの、自社サービスの開発・提供に興味がある方はもちろん、言われたことを正確に実行するという環境から、自ら考え、自ら行動できる環境へと飛びこまれたい人たちと、是非一緒に立ち上げていきたいと思っているんです。
次に本当にやりたいのは「エンジニアが使えるネット上のサービス」というのを考えています。「このコードは使えるの?」といったローカルな情報を検索して交換できる、本当に必要な情報を集める「集合知」をまとめたサービスを立ち上げたいと思っています。
オンラインと開発環境を完全連携させることを目指しています。こんな感じのサービスに少しでも興味を持って下さる方がいらっしゃったら、プロジェクトリーダーでもプログラマーでも何でも構わないので、是非直接お会いして、一度お話だけでもさせていただきたいですね。
G:
これから再スタートアップをしていくためには、新しい人材を増やして、新しい風を吹き込む必要があるということでしょうか。ちなみに、どのような人材を募集されているのでしょうか?
S:
これから新しいことを立ち上げようと思っていますので、これまでと違った新しい考え方に切り替えができる人、「保守的にならずに新しいことをやりたい」という志がある人を採用したいと思っていますね。
例えば下請けの仕事をやる場合、納期やコストを守らないといけないので、余計な部分をそぎ落とすことが必要です。しかし、新しいことを進めていくためには、自律的に動き、保守的になりすぎず、「どんどんサービスに肉付けをしていきたい!」というようなマインドを持つことが大切になってくると思っているんです。
G:
下請けの仕事に終始していることに満足できていない人に良さそうですね。
S:
そうですね(笑)
弊社としては、新規事業、自社サービス開発に携わっていきたいと思っている方々でしたら、大歓迎です。
G:
なるほど。そうしたら、実際に就職した場合、一日のスケジュールは、どのようなものになるのでしょうか?
S:
そうですね、タイムスケジュールで言えば、大体9時から10時位の間に出社して、夜8時には退社しているような感じですね。ただ、仕事のスタイルという意味では、今「CyBeC2.0」のために新しく募っている人たちに関して言うと、今までの私たちとは違ったスタイルになります。
クライアントのプロジェクトに関わる仕事をしている場合はルーチン的な仕事スタイルになりがちですが、これからは「今日思い付いたことを今日やろう」といった、ダイナミックなやり方になると思いますね。PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Action)を自社で完全にまわさなくてはならないので、もちろん計画も必要です。何かを指示されるのを待つのではなく、どうすれば良いかを皆で考え、議論し、実行していきたいですね。
◆働きやすい職場環境
G:
「タスクかんばん」というのがありますが、これはどのような経緯で生まれたのでしょうか?
S:
経緯なんかありませんよ(笑)
自然発生的に生まれました。初めは一人のエンジニアがメモをローパーティションに貼っていたのですが、「お前もやらない?」といった風に、それがどんどん広がっていって、やがて壁に貼るようになりました。それがきっかけです。
これが「タスクかんばん」。なぜだか妖怪ばかりが並んでいます。
終わったタスクはお墓へ。
みんなで話し合っているところ。
G:
週1回開催される「KPT(Keep「今週の良かったこと」、PはProblem「今週の困ったこと」、TはTry「来週挑戦すること」)」とは何なんですか?
S:
これも自然発生的に生まれましたね。一番最初は何かのプロジェクトの反省会だったのですが、我々もいろいろなことに不慣れで、反省の仕方がよく分からないというところもありました。
そんな中、プロジェクトが終わってから反省会をするよりも「プロジェクトの途中でやっていけばフィードバックができて、より良い仕事ができるのではないか?」ということで、一部の人間がレビューを行う場としてKPTを始め、それから週1回というペースで自然に会社全体で行われるようになりました。
G:
目に見える変化はありましたか?
S:
結構大きく変わりましたね。プロジェクトが細部まで「見える化」したことによって、これまでほかの人が何をしているのかに無関心だった人でも、関心を持つようになりました。これによって何か困ったことがあった時、ほかのエンジニアから「こうすればいいんだよ」というようなアドバイスをもらったり、逆にしたりする機会が飛躍的に増えましたね。
G:
社員の考えがどんどん取り込まれる企業風土なんですね。
S:
そうですね。
やはり社員の現場の声が一番ですから、それを最も重要視します。「サイバービーンズ宣言」なんてものも、経営理念とは別に、社員が自由に作っていますから。社員皆やりたい放題ですよ(笑)
実は、社長の経歴が東京電気(現:東芝テック)から、ベンチャー企業の取締役事業部長を経て、サイバービーンズ株式会社を起業しているので、それもあってこんな自由な空気が保たれているんです。当時にしては、このような経歴を持つ人間は珍しかったのではないでしょうか。
G:
それは確かに珍しい経歴ですね。
S:
今は会社を成功させてハッピーリタイアするというビジョンを描いているみたいです。リタイア後は、ユニセフで発展途上国の子どもたちを支援することと、中国西安からローマまで四駆で走り抜けることが夢だとかで(笑)
G:
かなりアクティブな人ですね。ちなみに現在の社員数はどれくらいですか?
S:
中国の子会社を除くとおよそ20名です。
G:
会社の全社員における技術者の割合はどれくらいですか?
S:
実は私と経理の方を除いて、社長も含め全員がエンジニアなんですよ。
G:
まさにエンジニア集団ですね。ちなみに平均年齢はどれくらいなのでしょうか?
S:
平均年齢は33歳くらいですね。エンジニアは20~30代ですが、社長と私が引き上げています(笑)
G:
昼食などの食事は各自、どうしていますか?
S:
各自自由に食べていますね。お客さんのところに行っている場合は違いますが、12時ぴったりに出て行くと店が混んでいますので、店のピーク時を避けて食べに行くといったやり方も自由にできます。ちょくちょく社長を含めて、みんなでご飯に行くこともありますよ。
近くにはこんなおしゃれなお店が。
ランチは6種類。大盛も可能。
「若鶏のみそマヨネーズ焼き」はサイバービーンズ社員おすすめメニューです。
社長を交えて食事することも。
◆最後に
G:
職場の自慢、ほかの類似会社にここだけは絶対に負けないというアピールポイントを教えてください。
S:
これまでは類似した会社がありましたが、これからは「類似ではなくなりたい」と思っていますね。新しく入った人たちと、これからの「CyBeC2.0」を一緒に作っていきたいと思っています。
今まではお客様のお手伝いをする受託開発がメインでしたが、先ほどお話したように、これからはもう2つ新しく事業を立ち上げていこうと思っています。1つはOracleのビジネスです。これはデータベース管理者向けのソリューションを提供していこうという考え方ですね。
そしてもう1つのLAXは、SEやプログラマーたちにソリューションを提供していこうと思っています。今のところは、この3つを意識して、それぞれがシナジーを生むように、発展させていきたいと考えていますね。しかしやはり私たちとしても経験がないことから、手探りで前に進んでいるところがありますので、新しい風を吹き込んでくれる人に来てもらいたいです。
G:
本日はどうもありがとうございました。
S:
ありがとうございました。
・編集後記
実際にオフィスを見せていただいた時、「えだまめ」「そらまめ」といった会議室の名前や「タスクかんばん」に描かれた妖怪の絵など、いたるところに社員それぞれの個性が反映されている、とても現場本位の会社だと思いました。また、今回お話しさせていただいた佐藤さんの話しぶりからも、エンジニアたちが一丸となって新しいことに自律的に取り組んでいきたいという思いがひしひしと伝わってきたインタビューでした。
※この取材は、ドリコムジョブボードのJOBBUZZとGIGAZINEのコラボレーションによって行いました。
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