現代社会の食生活を支える実態を淡々と見せる映画「OUR DAILY BREAD」
2005年に撮影されたドキュメンタリータッチの映画で、全部で92分。内容は現代の社会において必須となっている「食」を支える畜産業、農業などがいかにして高度なハイテク技術によって食べ物を「製造」し、そして現代社会の生活水準を支えているかを淡々と撮影したものになっています。
余計なナレーションなどは一切無く、ただひたすら固定視点で各産業の実際の姿を写しています。予告編が公式サイトに4本ありますが、この予告編の内容だけでおなかいっぱいに……。人によっては耐えられない内容なので要注意。
閲覧や内容の詳細は以下から。
Our daily bread - Home - Geyrhalterfilm
予告編は以下から。全部で4本あります。要QuickTimePlayer。
Our daily bread - TRAILER - Geyrhalterfilm
2006年4月12日にオーストリアで上映、2006年11月24日にアメリカで上映され、2007年1月4日にはオランダ、2007年1月18日にはドイツで上映予定となっています。日本は未定。
内容については以下のブログに簡単に触れられています。
SVP2-Blog | アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭にて- 作り手の腹の括り方
ブロイラーの生産工場(「工場」と表現していい場所だ)で、ベルトコンベアーに乗って送られてくる無数のひよこ。ボロボロと転がってくるひよこを白衣を着たスタッフが次の箱へ詰めていく。既に死んでいるひよこはぽいっと放り投げられて別の箱へ捨てられる。ただっぴろい屋内養鶏場で身動きもままならないほどの無数の鶏たちが蠢いている中、捕獲トラックは大きなゴムべらのようなもので鶏をざっざっと掻き込んでは、運送用の箱へ詰めていく。そうして捉えられたブロイラーは足をフックにかけられて逆さまにつるされ、これまたコンベアーで運ばれながら首を落とされ、羽をむしられていく。笑い事ではないのだが、丸裸になったブロイラーが足からつるされたままずらりと並んで工場内を巡っていく様は正にブラックジョークだ。でも心から笑えないほどブラックなのは、それが現実のことで私たちの胃へ繋がっているから。そうした状況を「Our Daily Bread」は、固定カメラでしっかりと、アップショットを繰り返しつつ、凄惨にも見える様相をたんたんと捉えていく。そしてひよこを選り分けていた女性スタッフが一人食堂でパンを齧る様子を真正面からこれまた固定でじっと捉える。無言でもじもじと居心地の悪そうな彼女の様子は、いましがた自分が行った仕事に対して悪びれているようにもみえる。
かなり強烈な内容っぽいですが、非常に印象に残る映画になりそうな予感がします。
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