マイクロソフト、Windows VistaのOS移管制限を撤廃

自作PCユーザー含め、猛反発を食らっていたWindows VistaのOS移管制限規定がついに撤回され、なくなったようです。そもそもどういう制限だったのかというと、「Windowsをインストールしたパソコンがぶっ壊れた場合、そこに入っているOSを別のパソコンにインストールしていいのは1回だけだよ」というもの。

具体的にどうなるかというと、自作PCでマザーボードを交換した場合、パソコン自体は同じであるにもかかわらず別のパソコンというように認識され、さらに新しくライセンスを買い直す必要が出てくる……といったむちゃくちゃなことになるわけです。

というわけで、10月後半から全世界のありとあらゆる自作PC界隈で問題となり、ついにマイクロソフトはこの制限条項をやめることにしたわけです。妥当な判断ですね、おそらく新OSを一番最初にインストールするであろう自作PCユーザーを敵に回すとデメリットばかりが大きくなるので……。

詳細は以下の通り。
まずライセンス問題を一番わかりやすく解説しているのは以下の2つの記事。

VistaはＰＣ自作派に冷淡か？――ＷＰＣで浮かんだ新Windowsの疑問【コラム】?PC＆デジタルカメラ-最新ニュース:IT-PLUS

Windows Vistaのライセンス体系が変更，マニアに厳しいものに：ITpro

マイクロソフトのスポークスパーソン（取材を受けて団体の意見などを発表する担当者のこと、主に広報などの担当者が一括して窓口となることで意見を統一するのが目的）によると、この制限事項の撤廃は、自作PCコミュニティからの強烈な反対に対して応えたものだそうです。これによると、マイクロソフトとしては著作権侵害からソフトウェアを保護するという目的をより明らかにするために「1回きり」のライセンスにしたが、自作PCユーザーはPCのアップグレードに対してより柔軟で変更可能かつ寛容なライセンスを求めており、今回の変更はそれを反映したものだそうです。

というわけで、以下のPDFファイルがそのライセンス規約を記したPDFファイルです。

MICROSOFT SOFTWARE LICENSE TERMS
WINDOWS VISTA HOME BASIC
WINDOWS VISTA HOME PREMIUM
WINDOWS VISTA ULTIMATE

このページから条件指定すると発見できるようになっています。

Retail Software License Terms

まず、これが削除された移管制限条項。別のデバイスにインストールしていいのは1度だけ、となっています。

The first user of the software may reassign the license to another device one time. If you reassign the license, that other device becomes the 'licensed device.

そしてこれが新しい条項。

You may install one copy of the software on the licensed device. You may use the software on up to two processors on that device at one time. Except as provided in the Storage and Network Use (Ultimate edition) sections below, you may not use the software on any other device.

これだけだと不十分なので、今回はさらに明確に「再インストールについて」というのが加わっています。

You may uninstall the software and install it on another device for your use. You may not do so to share this license between devices

つまり、あなた個人が使っているマシンに再インストールするのであれば大丈夫、というわけ。当然ですね。

これについては既にマイクロソフトのWindows Vista 公式ブログにも見解が発表されています。

Windows Vista Team Blog : News: Revision to Windows Vista retail licensing terms

もっとも、これで騒ぎが収まるかというと、どうもそれ以外でもいろいろと問題があるようなのですが……。