GIGAZINEが日経トレンディに取材されました
日経トレンディ2006年11月号にGIGAZINEに関してちょこっとだけ掲載されてます。一応Web2.0関連の取材だったわけですが、あらゆるWeb2.0ネタが突っ込まれている記事でした、ここまでいろいろな事例をミックスさせるとは…。
掲載されているページは以下の通り。中でも、「ネットに蔓延するサクラ記事」のページが面白い。
60ページ目に「ブログ出版社」ということで載ってます。「記者一人でも情報発信できる」というのは要するに取材、記事、掲載までのルーチンを1人で行うことが可能、という意味。「収益力はまだ未知数」というのは、まさにその通り。ただ、宣伝効果がかなり高いことはいろいろと明らかになってきているので、そのあたりをうまくまとめて説明できるだけの資料性の高いデータが揃えばやっとこさ動き始めるという感じ。
62ページ目には記事内でGIGAZINEについて触れられています。なかなかよく書けてます。
読んでいて特に面白いと思ったのが66ページから67ページにかけての「ネットに蔓延するサクラ記事 筆がすべれば、薬事法違反の場合も」という記事。この中でブロガーに対してリリースを送り、記事を書いてもらった場合には報酬を支払うというクチコミを装った記事広告が横行している、と書いてあり、4つのクチコミ記事広告を扱っているサイトが紹介されています。驚くべき事にこの4つの中で広告と分かる表記を義務づけているのは1社だけ。それ以外はそういう表記はしなくていい、と。つまり読んでいる側からすればお金を受け取って書いているのかどうかわからないというわけですね。
これを読んで納得できたのが、時々GIGAZINEに送られてくるメールで「広告記事はちゃんと【広告】とタイトルの頭にでも付けておいて欲しいです」というもの。今までは「広告記事なんてないのに、どういう意味だ?」だったのですが、これでようやく合点がいきました。広告記事なのにそう書かないブログが横行しているわけですね…。
結論から言うと、大手企業であればあるほど「イメージ」「ブランド」を重視する傾向にあり、今まで築き上げてきた信用というものを失うことを恐れています。これは実際にあちこち回って直接ヒアリングしてきたのでほぼ間違いないでしょう。例外なく「信頼」を重視します。つまり、サクラ記事広告を使うことによって安上がりで済み、なおかつ一時的に効果は上がるかも知れないが、逆にそれがバレた場合の信頼失墜、つまりブランド力の低下の方が大手企業にとって、特に既に知名度のある商品ブランドを保持している企業にとっては重要なわけです。
それでいくと、こういうクチコミ効果を狙うのはいいけれども、無理矢理、ブロガーのネットワークの力でどうにかしようというのは「無謀」だと言っていいでしょう。こういうマーケティング手法はベストセラーを狙うのであれば有効ですが、ロングセラーを狙う場合には不適です。ベストセラーと言ってもデイトレード並みの超短期ヒットなので、結果的には収益率は低くなります。特に海外ではこういうサクラ記事を売り物にする広告代理店やそういうプランを取り扱うサイトは忌み嫌われており、その理由として、日本と違ってブログ自体にジャーナリズムをある程度求める傾向が強いためです。つまり「金で魂を売り渡すな」というわけです。
広告は「広告」と納得してもらった上で購入につなげないと、最終的には利益なんて出ません。結局、いいものは普通に宣伝すればそれに見合った分だけ売れるし、悪いものはいくら宣伝しても売れない、あるいは売れ続けることはないわけです。今も昔も広告の基本は多くの人に届くことであり、その上で最適化するからこそ意味がある、というわけ。
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