コラム

じゃんけんに勝つための7つのテクニック


2006 World Rock Paper Scissors Championships」というじゃんけんの世界選手権が11月にトロントで開催されます。賞金合計額は1万ドル、約117万円。参加者はみな、決して「偶然」や「運の強さ」で勝ち上がろうとは考えていません。明確な戦略によって勝利を目指すと言います。

つまり……じゃんけんとはただのランダムや確率ではないわけです。なぜなら、人間は「完全に」ランダムに何かをすることができないためです。ゆえに勝利するためのトリックやテクニックが存在するということになります。「なんだかじゃんけん弱いんだよな~」などという人がいると思いますが、それは戦略がないから、だそうです。

というわけで、じゃんけんで勝ち続けるためにはどのような戦略が必要なのか、そしてどのようなことが可能なのかをみてみましょう。
まず勝つために知っておく必要がある基本的戦術が2つあります。

その1:相手から特定の選択を取り除くこと
たとえば相手がグーを出さないのであれば、こっちはチョキを出し続けていれば勝利可能です。そんなことできるわけがない!と思うかも知れませんが、そんなことはないのです。できるんです。

その2:相手が何を出すかを、直前の動きから見極める
つまり、1つめの方法と組み合わせることで相手を操作し、あるいは予測することで勝利可能、というわけです。この直前の動きというのはじゃんけんを出す手の動きと言うことだけではなく、直前の試合結果なども含みます。つまり深層心理のレベルです。

この2つの基本的戦略の発展系を組み合わせることによって、勝利するためのいろいろな方法が出てくるわけです。

1:初心者はグーを出す
特に男性に多い傾向として、最初にグーを出すそうです。これはグーに「強い」とかそういうイメージ、いわゆる殴るとかそういうイメージを抱いているため、らしい。そのため、初心者相手のじゃんけんでは「パー」を出せば高確率で勝利できるそうです。ただし、じゃんけん世界選手権のような相手がプロの場合は通じません。

2:最初はチョキ
「初心者はグーを出す」ということは、経験豊富な相手の場合は何を出せばいいのかというと、「チョキ」ということになります。初心者ではないのだからグーではない、ということは相手の出すのはチョキかパー。ということはこちらはチョキを出していれば少なくとも負けはしない確率が高い、ということです。

3:2回連続の罠
最初の基本的戦略で述べた中で「相手から特定の選択を取り除く」というのがありましたが、これがそれです。例えば相手がチョキ、次もチョキ、と出した場合です。すると相手が次に出すのはグー、あるいはパーの可能性が非常に高くなります。というのも、じゃんけんにおいては相手に予想されると圧倒的に不利なため、どうしても2回連続で同じ手を出してしまうと、予想されるのを回避するためにそれ以外の手を出す傾向が強いためです。

4:宣言する
あなたが次に何を出すのかをあらかじめ宣言し、そしてその通りの手を出すという方法です。例えばあなたが「次はグーを出すぜ!」と言うと、相手はその言葉を疑っているので、パーを出してきません。ということは、相手はチョキかグーです。ということはやはり、あなたはグーを出せば少なくとも負けはしない、ということになります。そんな馬鹿な!という戦略ですが、実際に効果があるようです。つまり人間心理の攻防と言うことになります。心理戦に慣れていない相手でなおかつある程度考えてしまう人間が相手の場合に有効です。

5:考えるより先に手を出させる
相手が次に何を出すのかを知っているともちろん勝利できます。が、通常は無理です。しかし、可能なシチュエーションが存在します。1回限りの勝負でなく、何回かじゃんけんで勝負する場合に有効です。この場合、次に何を出せばいいのかを考える時間が少なくなればなるほど、直前で最終的に勝った手を出してくる確率が高まります。例えば相手が直前にチョキで勝ったのであれば、同様考える時間が無くなってくると無意識のうちにチョキを出しやすくなります。なので、あなたはグーを出せば最終的に勝ちます。いわゆる成功体験があるとそれから離れられないという心理を利用するものです。

6:出す順番を固定させる
これは手品のテクニックと同様のモノなので、知っている相手には効果がありません。相手とじゃんけんする前に「グーはチョキに勝ち…」と言いながらグーを相手に見せ、次に「チョキはパーに勝ち…」と言いながらチョキを相手に見せ、「パーはグーに勝つ」と言いながらパーを相手に見せます。こうすることで相手の出すパターンが深層心理のレベルで固定され、相手が見た順番で手を出しやすくなります。「キリンキリンキリン…」というように「キリン」と10回言わせてから「鼻の長い動物は?」と尋ねると「キリン」と答えてしまうのと似たような操作です。あるいは手品師が相手に特定のカードを引かせるテクニックとも同じです。(相手に好きなカードを引かせることが実は可能)

7:どうしようもなくなったらパーを出せ
相手もこちらと同等の戦略を駆使してくる相手である場合、最終的に次に何を出せばいいのか分からなくなる、つまり手が読めなくなる場合があります。そういう場合は「パー」を出せばまだましな結果が期待できます。というのも、過去のいろいろなじゃんけん大会で最もよく出されなかった手は「チョキ」だからです。もしじゃんけんが確率のみであるならばどの手も等しく33.3%ずつのはずですが、実際にはチョキが最も低く、出される確率は29.6%。だから、パーを出せば勝てる可能性は高い、というわけ。

なお、今回参考にした「World RPS Society - How to beat anyone at Rock Paper Scissors」にはさらに8番目の方法が出てきますが、ほとんどインチキに等しいので、省略。どうしても勝ちたい人は読んでみるといいかも。


で、これら7つの戦略を駆使するとこんな感じのじゃんけんになります。実際の世界選手権におけるじゃんけんの様子です。

YouTube - World Rock Paper Scissors Championships #6

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in メモ,   動画,   コラム, Posted by darkhorse_log

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