GIGAZINEのオフィスを1階から4階へ移動させるまでの物語
上記写真は2004年12月に撮影したものです。
この状態のオフィス(というか事務所)から2006年6月末までGIGAZINEは日々、更新されていたわけです。一体私はどこに座っていたのかというと、左奥の座席です。これが社長机、すごいですね。あと、右側の事務員の座る机をよく見ると、黒電話とか置いてあります。壮絶なる仕事ぶりが目に浮かびます。前時代的もいいところです。
こんなところから毎日、GIGAZINEを更新していたわけですが、さすがにこの悪環境だと社員の士気に影響が出る、それ以前に精神衛生的にも悪い。「いい仕事はいい環境から」ということで、空いていた4階にオフィスを移転することにしました。その際に4階奥の和室を洋室にリフォームすることにしたわけです。
というわけで、以下、リフォーム業者を見つけ、リフォームし、そしてGIGAZINEのオフィスが今はどうなったのか、という物語。
・2006年5月26日(金)
この1年、この悪環境下で働いてきたが、もはや限界。社員も今後増えたりする予定であることを考えると、今のこの職場環境では、働く気も失せるというもの。なんとかしなくては…。
というわけで、移動予定の4階和室
この押入をぶっつぶして部屋の一部にして部屋を広げるわけです。なお、これ以外の4階のフロアは全部洋室です。
反対側。壁紙は全部変える予定。洋室にこの色合いはまずい。いや、和風オフィスもいいかもしれませんが、そういうのはなしの方向で。
問題はこの段差。解消すると値段が高くなるっぽいので、これは残す方向で。代わりにここの引き戸をちゃんとしたモノにして、冷房や暖房が逃げないようにすればOK。
というわけで、Googleを使ってリフォーム業者で地元に近いところを順次ピックアップしていくことに。リフォームの一括見積もりサービスなどを駆使して、とりあえず4社に絞り込んで見積もり依頼を行うことに。予備知識として参考にしたのはここ。
Yahoo!不動産 - リフォームなんでもQ&A
http://realestate.yahoo.co.jp/docs/qa/
今回は和室を洋室にして、そこをオフィスにするというのが目的なので、和室を洋室にリフォームしたことのある業者を選定。というのも、業者によって得意不得意があるため。屋根が得意な業者とか、水回りが得意な業者など、いろいろあるため。
また、それらの条件に加え、今回の4社はそれぞれ売上が大きくて全国に支店を持つような大会社から、小さな数人規模のところまで幅広く選んでみた。これは、既に大きくなっている会社はどのようなことを行っているかが知りたかったため。
・2006年5月30日(火)
1社目の「A」が見積もりに来た。会社規模は中程度。男性の背広を着た営業マン風の人が1人、この会社の営業だという。名刺交換後、和室を早速見て回りはじめたので、こちらの希望を伝える。
・和室を洋室にしたい
・ふすまはぶちぬいてつぶして、ここも部屋の一部に
・既に存在する洋室との敷居の段差はそのままで大丈夫
・床はフローリングにしたい
・壁紙と天井のクロスも張り替える
・オフィスとして使うのでコンセントの数を増やしたい
・6月中に工事は終えたいので急ぎで
・見積書はできるだけ細かく項目を出して欲しい。例えば処分代などもきちんといくらかかるか書いて欲しい。
大体伝えた要求はこんなところ。メジャーを取り出して部屋の寸法を計測後、畳をめくってその下の床の高さがどのあたりかを計測。最後にデジカメで部屋の中を撮影して、おしまい。30分ぐらいで終了。
・2006年5月31日(水)
2社目の「B」、小さな土建屋レベルのところ。見積もりに来たのはいかにも現場の人、という雰囲気で作業着を着込んだおじさん。こちらの要望を伝えると、先日と同じように見回った後、一通りデジカメで撮影後、畳をめくりながらこう尋ねてきた。
「コンセントの数は増やすそうですが、電源は別個で取った方がいいでしょうか?」
要するにこちらの希望する数まで増やすとしたら、電圧が足りなくなる可能性があるらしい。ということで、配電盤を見てみるとさらに2つ配線を増やせるので、とりあえず1つ増やしてみることにしましょう、ということに。念のため、各階の配電盤なども調査。今の利用量などを調べて、1つでおそらく十分ということになる。45分ほどで終了。
・2006年6月1日(木)
3社目の「C」、ここも規模は小さなところ。めがねをかけた男の人がやってくる。名刺交換をしてからこちらの要望を伝えた後、メジャーで各部分を計測、デジカメで撮影後、先日と同じように電力関連を調べ始める。ただし、見る部分が今までの二人よりも桁違いに多い。当然、こちらに尋ねる内容も多い。天井の角の部分はどうするのか、押し入れの部分を壊して部屋の延長線とする場合、コンセント分だけ壁の厚みが必要になるので実際にはこれぐらいの大きさになるがよいか、畳の下の床の高さに合わせる場合は敷居の部分も削ることになるがどうするか、配電盤のところから電線を引っ張ってくると途中に検査用の穴を開けなくてはならないが構わないか、などなど。また、天井の照明の位置も「部屋を広げますから、中央の位置も変わりますね」と実際の施工後の結果を考えた台詞が出てくる。しめて1時間がかかった。疲れた、へろへろきゅ。
・2006年6月2日(金)
ラストは全国に支社を持つような巨大なリフォーム企業「D」。背広を着込んだビジネスマン風の男性と、同じような背広の若い女性がやってくる。名刺交換後、こちらの要望を伝えると男性の方がメジャーで計測開始。女性の方は鞄持ち&男性が読み上げた数値をメモする役目。畳をめくったりと色々やった後の撮影に仰天。なんとデジカメではなく、携帯電話のカメラ。後ろから除くとブレまくりのピントぼけまくり。「ま、いっか」などとのたまっている。だめだ、ここはやばい予感がぷんぷんする。わずか20分でおしまい、あっという間に帰って行った。
・2006年6月5日(月)
各4社の見積もりが出揃う。
A社:39万9000円
B社:30万7650円
C社:55万6500円
D社:56万6580円
A社は安く見えるが、見積もり内容を見るといろいろと抜けている。例えば処分代。今回は畳や壊したふすまや押し入れなどの廃材が多く出るのでこの分の見積もりも必要なのだが、それが無かった。また、壁紙や照明の代金も計上されていない。もちろんのことながら電気工事代金も含まれていない。却下。なお、工期は二日間を予定。めちゃくちゃ早い。
B社はほとんどの項目をきちんと見積書に出しているが、フローリングの材質や壁紙の種類が一番安いものになっている。調べてみると本当に超が付くぐらいの安物。こんなのでは困るので使いたいレベルの素材で再計算するとやはり50万円レベルになった。また、よく読むと「実際に工事をした場合にはここに書いてある内容よりも高くなる場合があります」と書いてある…。工期は1週間を予定。保留。
C社ははっきり言って高い。しかし見積もりの内容を見ると、どの素材を選んで計算してこうなったのかなどが詳しく書いてあり、どの照明器具を使うか、どのフローリング素材を使うか、壁紙はどれにするか、などがことこまかに指定してある。また、上記2社が単純に「電気工事」としか書いていなかった場所も、別個に分けて書かれており、電気ブレーカー増設、コンセント取り付け、照明用ローゼット移設など、非常に詳細。好印象だが高い。工期は1週間から10日。保留。
D社は一番高い。下見段階でいい加減な撮影をしていたので不安を感じていたが予感的中。パッと見るとB社レベルの内容。というかほぼ同じ。しかしそれならばなぜこんなに高くなるのだろう?と思って見比べてみると…廃材処分代が10万円近く。畳の処分に6万円近くかかっている。ばかな、一番畳の処分代が安いC社を見ると6000円ですよ?10倍近いじゃないか。同様に、いろいろな処分関連項目費が少しずつ割高になっている。なるほど、こういうわかりにくいところで大きくお金を取って、大きな会社になったわけですかね…。工期は1日半。突貫工事レベル。ちなみに問い合わせたところ、これが普通の速度らしい。また、素材については後日またご相談と言うことで高くなるらしい。見積もりの意味がないので却下。
こうなると、B社かC社となる。下見に来たときに詳細な調査をしてくれて、また、見積書もかなり詳細なものを作ってくれたので、工事もおそらく手抜きはしないだろうという判断をすることにした。というわけで、C社に決定。
これがC社。
有限会社メビウス
http://www.mebius-inc.com/
・2006年6月9日(金)
見積書の内容にこちらの希望をさらに折り込みつつも、コストを下げられる部分はどこか、などを詰める作業をメビウスと一緒に行う。結果、
・照明を3つから2つに
・ただし調光できるものにすることで、環境光の明るさに合わせて調節できるようにする
・また、「ジー」という音がなるべくならない静かな照明にする
・フローリングの床と同じ見た目だがさらに丈夫なタイルに変更
・壁紙はしょうゆなどがかかっても拭けば汚れが落ちる丈夫なモノに
ということになりました。
工事予定はこんな感じ。
○6月17日(土):
近隣挨拶(着工前準備)
○6月20日(火):
養生、押入解体、天井・壁仕舞(大工工事1)
天井点検口(大工工事2)
漏電B増設、AC線引込(電気工事)
網戸・引戸
照明器具類(商品搬入)
○6月21日(水):
床・天井造作、壁造作他(大工工事2)
○6月22日(木):
床・天井造作、壁造作他(大工工事2)
○6月23日(金):
予備日
○6月24日(土):
塗装(内装工事)
フロア材・クロス(商品搬入)
○6月26日(月):
照明・SW取付(電気工事)
クロス・フロア材、網戸・引戸(内装工事)
○6月27日(火):
予備日
というわけで、実際にどんなリフォーム工事が行われたのか、最終的にGIGAZINEのオフィスはどうなったのか、続きは明日。
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