北朝鮮とランサムウェアギャングが使用する仮想通貨ミキシングサービス「Bender.io」と「Sinbad.io」を運営した疑いでロシア人3人が起訴される
仮想通貨の取引記録(トランザクション)を複数ユーザー間で混ぜ合わせて所有者の匿名性を高める「仮想通貨ミキシングサービス」を提供したとして、アメリカ・ジョージア州北部地区の裁判所が3人のロシア人を起訴しました。
Office of Public Affairs | Operators of Cryptocurrency Mixers Charged with Money Laundering | United States Department of Justice
https://www.justice.gov/opa/pr/operators-cryptocurrency-mixers-charged-money-laundering
US government charges operators of crypto mixing service used by North Korea and ransomware gangs | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/01/10/us-government-charges-operators-of-crypto-mixing-service-used-by-north-korea-and-ransomware-gangs/
起訴されたのはローマン・ヴィタリエヴィッチ・オスタペンコ容疑者とアレクサンダー・エフゲニエヴィッチ・オレイニク容疑者、アントン・ヴャクラヴォヴィッチ・タラソフ容疑者の3人です。タラソフ容疑者は依然として逃亡中ですが、他の2人はオランダ、フィンランド、アメリカの合同捜査で身柄を拘束されているとのことです。
起訴状によると、容疑者らは仮想通貨のミキシングサービスを提供するウェブサイト「Blender.io」と「Sinbad.io」の運営に関与し、犯罪者らの資金洗浄を手助けした疑いが持たれているとのこと。
Blender.ioは2018年から2022年まで運営されていたサイトで、ログを残さない「No Logs Policy」を掲げていたのが特徴です。このサイトはインターネットを通じて一般に利用可能であり、仮想通貨の窃盗、ランサムウェア攻撃、その他の犯罪から得た資金を隠す目的で、犯罪者に利用されていました。
2022年5月6日、アメリカの財務省外国資産管理局(OFAC)は、北朝鮮が仮想通貨の資金洗浄に使用していることを理由にBlender.ioを閉鎖したと発表しました。Blender.ioの閉鎖から数カ月もたたないうちに同じサービスを提供するSinbad.ioが現れましたが、2023年11月27日にOFACの主導で閉鎖されています。
一連の事件の重要容疑者として逮捕・起訴された3人のうち、オスタペンコ容疑者はマネーロンダリング共謀罪1件と無許可送金業営業罪2件で、オレイニク容疑者とタラソフ容疑者はマネーロンダリング共謀罪1件と無許可送金業営業罪1件で起訴されています。有罪判決を受けた場合、両容疑者はそれぞれマネーロンダリング共謀罪で最高20年、無許可送金業営業罪で最高5年の禁錮刑に処される可能性があります。
FBIアトランタ支局のショーン・バーク特別捜査官代理は、「私たちは、国際的なパートナーの協力を得て、Sinbad.ioの解体に成功しました。しかし、この成功に満足することなく、ついにSinbad.ioの開発に関与した人物を特定し、その責任を追及します。今回の起訴は国際協力の力を証明するものです」と述べました。
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in Posted by log1p_kr
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