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月に160万円超を稼ぐAIモデル「Aitana(アイタナ)」が登場、著名人からデートの誘いも受ける人気モデル


スペイン・バルセロナ在住の25歳の「Aitana(アイタナ)」は、モデルの仕事で月に1万ユーロ(約160万円)近くを稼いでいるという、ピンクの髪の毛が特徴的な女性です。アイタナは有名人からデートの誘いを受けることもあるという人気モデルですが、実在する人物ではなくAIを使って作成された架空の人物であるという他にはない特徴を有しています。

Meet the first Spanish AI model earning up to €10,000 per month | Euronews
https://www.euronews.com/next/2023/11/22/meet-the-first-spanish-ai-model-earning-up-to-10000-per-month


AIを用いて作成された初のスペイン人モデルであるアイタナは、広告代理店「The Clueless」の創設者でありデザイナーでもあるルーベン・クルーズ氏が、2022年夏に作成したAIモデルです。当時、The Cluelessには顧客があまりおらず、経営状況は非常に厳しいものだった模様。

クルーズ氏は海外メディアのEuronewsに対して、「我々が自分たちの仕事のやり方を分析したところ、どうすることもできない問題により、多くのプロジェクトが保留またはキャンセルされていることに気づきました。多くの場合、問題はデザインではなくインフルエンサーやモデルにありました」と語っています。


そこで、顧客としてやってきたブランドのモデルとして「独自のインフルエンサーをAIを用いて作成する」という新しいアプローチをThe Cluelessは採用しています。その中で誕生したのが、バルセロナ出身の25歳のピンク髪の女性であるアイタナです。クルーズ氏によると、アイタナの平均月収は3000ユーロ(約49万円)ほどですが、最も稼いだ月には1万ユーロの収入があったそうです。

「我々がAIモデルを採用したのは、より良い生活を送り、エゴやマニア、ポーズをとるだけで大金を稼ぎたいだけの人たちに依存しないようにするためです」とクルーズ氏は語っています。


アイタナの収入は1件の広告につき1000ユーロ(約16万円)強で、スポーツサプリメントを販売するBigの広告塔になったこともあります。また、OnlyFansのようなファンからのお布施を集めることができるFanvueというプラットフォーム上で、下着姿の写真を投稿してファンを獲得しているそうです。

アイタナはInstagramアカウントも開設しており、わずか数カ月で12万人以上のフォロワーを獲得しています。また、アイタナがAIモデルであることを知らない著名人からプライベートメッセージを受け取ることも少なくない模様。クルーズ氏によると、500万人近くのフォロワーを抱えるラテンアメリカの有名俳優がアイタナをデートに誘うメッセージを送ってきたこともあるそうです。


The CluelessではアイタナのInstagramに投稿する内容を「マドリッドで週末を過ごしたアイタナ」といった具合に決め、AIとPhotoshopを駆使して投稿画像を作成しているそうです。

アイタナのグラフィックデザイナーは、「最初の1カ月で人はイメージではなく人生を追っていることに気づきました。アイタナは実在しているわけではありませんが、何らかの形で人々が彼女に共感できるように、少しの現実感を演出する必要がありました。私たちは物語を作らなければいけなかったのです」と語りました。

そのため、アイタナには非常に明確に個性が持たされており、The Cluelessの公式ページでも「運動好きで社交的で思いやりのある人間」と紹介されています。そんなアイタナの個性について、クルーズ氏は「アイタナについては多くのことを考えました。私たちは社会が最も好みそうなものに基づいてアイタナを構築しました。近年トレンドになっている趣味やニッチについて考え、取り入れています」と説明しました。近年、東洋文化がヨーロッパでもなじみつつあることに気づき、アイタナの髪の毛の色をピンク色にしてゲーマー的な側面を持たせたそうです。


The Cluelessはアイタナ以外にも「Maia(マイア)」という別のAIモデルも作成しています。なお、The CluelessのAIモデルはどちらも名前に「AI」を含めたそうです。


The Cluelessにはさまざまなブランドから独自のAIモデルを構築してほしいという依頼が殺到している模様。クルーズ氏はその理由を「(AIモデルは)解雇しなければいけなくなったり、仕事を依頼できなくなったりするといった問題が発生せず、ブランドイメージを体現できるような存在となり得るため」と推測しています。

また、インフルエンサーを用いた宣伝活動では過剰な報酬の支払いが行われているとして、AIモデルの活用はスト削減にもつながるとクルーズ氏は指摘。また、AIモデルの登場によりインフルエンサーを用いた宣伝活動の市場価値が下がり、大規模な広告キャンペーンを行うことができない中小企業を後押しできるようになる可能性が指摘されています。

もちろんAIモデルを使った取り組みに批判がないわけではありません。AIモデルの非現実的な完璧さが、若者に美への執着をもたらす可能性などが指摘されています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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