メモ

コンクリートより強力・柔軟・安価でCO2を吸収する建材「Ferrock」

by Samuel Zeller

「セメント」は、コンクリートやモルタルなどを作るときに水や溶液に混ぜ合わせて硬化させるための粉のことで、その生産量は2015年時点で82億トンに上ります。セメントを作るときや、セメントと水を混ぜ合わせてコンクリートを作るとき、多くの二酸化炭素(CO₂)が放出されていて、環境への影響はあるものの、強度や耐久性の点で、今も世界中でコンクリートが使われています。「Ferrock」は、このコンクリートの利点を備えつつ、抱える問題をクリアしています。

Ferrock: A Stronger, Greener Alternative to Concrete?
https://buildabroad.org/2016/09/27/ferrock/


Ferrockを「発見」したのはアリゾナ大学のデビッド・ストーン氏。環境化学の博士課程で、鉄が錆びて固くなってしまうのを防ぐ方法を模索している中で偶然にたどり着いたものだったそうです。

「Ferrock」という名前はその組成を示したもので、主に、通常なら廃棄される廃鋼粉塵とシリカからできています。乾燥後はコンクリートと同様、液体に戻すことはできませんが、硬い岩のような性質を保持します。


世界中で一般的に「セメント」と呼ばれているポルトランドセメントと比較して、Ferrockの強度は5倍。収縮に耐える柔軟さがあり、塩水のある環境ではさらに強くなるという特徴があります。また、乾燥するとき、CO₂を排出するのではなく吸収して結合します。

これだけ聞くと非常に有用な建材のように思えますが、廃鋼粉塵が建材として役立つことがわかればタダ同然だった価格は指数関数的に上昇すると考えられ、そうなるとFerrockの製造コストが上がることになり、コンクリートのように大規模に使うことはできないのではないかとセメント業界は懐疑的な見方を示しています。

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