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IoT規格の垣根を越えてすべての機器をオープンにつなげる「Things Gateway」をMozillaが発表


Mozillaはアメリカ時間の2018年2月7日、ネットに接続されたIoTデバイスを一括管理することを可能にするプロジェクト「Project Things」の一環として開発を進めてきたソフトウェアとサービスのフレームワーク「Things Gateway」の情報を更新し、これを実現するためのRaspberry Pi用のソフトウェアをリリースしました。Things Gatewayでは、すべてのIoT機器に固有のURLを与えることで、メーカーやベンダー間に存在するプロトコルの垣根を越えて一括して機器をコントロールすることを目指しています。

Announcing “Project Things” - An open framework for connecting your devices to the web. - The Mozilla Blog
https://blog.mozilla.org/blog/2018/02/06/announcing-project-things-open-framework-connecting-devices-web/

ネット経由で電気機器をコントロールできる「スマートホーム」に代表されるIoT(Internt of Things:モノのインターネット)の世界が盛り上がりを見せていますが、一方ではその規格がうまく統一されていないという「ギャップ」が生まれています。その問題に対処すべく、開発が進められてきたのが、MozillaのThings Gatewayです。Things Gatewayではネットにつながっているすべての「モノ」(IoT機器)にURLを与えることで互換性を確保して障害なく機器を操作することを可能にします。


IoTの世界では、AmazonやGoogle、AppleやSamsungなどがそれぞれのサービスを提供していますが、そのいずれもが独自の規格を推し進めることで独自のスタンダードを構築することを狙っています。これは営利企業としては当然の行動といえますが、一方で機器を利用する一般のユーザーにとっては、規格が乱立することによる混乱が生じるために必ずしも好ましい状況であるとはいえません。この、一部のテクノロジー企業による独占状態を回避するためにプロジェクトを進めてきたのが「オープンであること」を是とする団体・Mozillaで、同団体が進めてきたProject Thingsでは、IoT機器の規格間に存在するギャップをウェブを経由することで埋め、複数の規格にまたがる機器でも問題なく使用できるようにすることを目指しています。

Things Gatewayでは、小型マイコンの「Raspberry Pi」を使うことで、誰でも自分だけのプライベート・ゲートウェイを構築することを可能にします。また、このゲートウェイを経由することで機器の操作が可能になるほか、ボイスコマンドによる機器の操作をIoT規格の垣根を気にせずにすべての機器で実行できるようになるという特徴を備えているとのこと。


Raspberry Pi用のソフトウェア(バージョン0.3)はMozillaの公式ブログにあるリンクからダウンロードすることが可能。Raspberry Pi用GUI「Etcher」などを使ってSDカード経由でRaspberry Piにソフトウェアをインストールします。


インストールが完了し、Wi-Fiなどの準備が整ったらIoT機器との接続を行います。画面には以下のように機器の名称が表示されるので、容易に見分けることが可能。


機器がつながったら、あとはそれぞれの機器を独自に操作することが可能になります。たとえば「スマートコンセント」の場合だと、コンセントそのもののオン/オフはもとより、電圧や電流、電力消費量、電源周波数などを画面上で確認することが可能になります。


光り方を調節できる「スマート電球」であれば、オン/オフに加えて光の色や明るさを調節することが可能。これらは全てネット経由で世界のどこからでも操作することが可能です。


また、ある条件の時の動作をあらかじめ設定しておくことで、「IFTTT」のような動作を実現させることも可能です。


「Floor Plan」機能では、自宅内に設置したIoT機器のフロアマップを作成し、それぞれの機器の動作を管理することが可能。


「アドオン」機能により、新しい機能を追加してアップデートすることも可能です。


さらに、「ボイスコマンド」機能をオンにすれば画面にマイクのアイコンが表示され、音声による機器の操作が可能になります。


以上のように、Things GatewayではIoT機器やスマートホーム機器を一括でコントロールすることが可能になります。上記では簡単な使い方をいくつか示しましたが、より詳細な使い方が記されたチュートリアルは以下のページから読むことが可能です。

How to build your own private smart home with a Raspberry Pi and Mozilla’s Things Gateway – Mozilla Hacks – the Web developer blog
https://hacks.mozilla.org/2018/02/how-to-build-your-own-private-smart-home-with-a-raspberry-pi-and-mozillas-things-gateway/

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in ソフトウェア,   ウェブアプリ,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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