見たままの色を絵の具で再現できるリアル「スポイト」ツールが登場
by Tim Arterbury
絵の具を使って絵を描く際、どうしても自分が思うような色を作ることができず、「線画のままの方がよかった……」と思ったことがある人も多いはず。そんな絵の具を使った色塗りが苦手な人に朗報な、Adobe Photoshopなどに搭載されている「スポイトツール」を現実世界で実現してしまった、「物体の色を認識しその色を絵の具で自動生成してくれる装置」が登場しています。
色塗りが苦手な人にとって夢のような装置を作ったのは、なんと東京大学 機械情報工学科の学生さん。機械情報工学科では3年生が各自の自由な発想でメカトロニクスや知的情報処理などを題材に、ロボットやソフトウェアなどの企画・設計・製作を行う演習「自主プロジェクト」が行われるそうで、その中でTwitterユーザーのたかはま(@grouse324st)さんが作成したのがこの装置。
機械情報工学科 自主プロジェクトで最優秀賞獲りました!!!
— たかはま (@grouse324st) January 15, 2018
周囲の物の色を認識して絵の具でその色を自動生成する装置です。
見た色でそのまま絵が書けます! pic.twitter.com/FtBFanjzGE
装置の見た目はこんな感じ。青・赤・黄・黒の絵の具が入った4つのタンクを搭載しており、このことからシアン(青)・マゼンタ(赤)・イエロー(黄)・ブラック(黒)の4成分で色を表すCMYK方式を採用していることが予想できます。それぞれのタンクから4本のチューブが伸びており、4色が混ぜ合わさった状態で出てくるのではなく、出てきた絵の具を混ぜ合わせると指定の色になる仕組みのようです。
実際に、ノートや本の色を忠実に再現することに成功しています。
さらに、実際に動いている様子もムービーで公開されています。
反響が大きくて驚いてます!
— たかはま (@grouse324st) January 15, 2018
一応動いている動画もあるので上げておきます pic.twitter.com/Adv9B7PyIa
まずは白色の円柱状デバイスで現実世界の物体から色を読み取ります。
すると、読み取った色がPC上で使用可能に。
続いて、装置のチューブからが絵の具が出てきます。
複数の色が混ざると……
こんな感じで読み取った色を忠実に再現してくれるわけです。
紙に印刷された色、PCのディスプレイ上に表示された色、絵の具の色がすべて同じような色になっていることがわかります。
製作者のたかはまさんによると、色の読み取りに使用しているのは市販されている安価な色センサーで、読み取った色をRGBからCMYKに変換しているそうです。
Togetterにもまとめが作られており、「これどうなってるんだろう、結構夢があってすごい!」という意見から「リアル『スポイト』」というコメントまで、さまざまな反応が見られます。
「リアルスポイトだ…」東大の学生が作った「色を認識して絵の具でその色を自動生成する装置」が話題に - Togetter
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