Googleが規制を強化した「パラサイトSEO」とは何か?
Googleが、2024年5月に適用を開始した「サイトの評判の不正使用に関するポリシー」を2024年11月に更新しました。この更新は、有名サイトのランキングシグナルの高さをサードパーティが悪用する「パラサイトSEO」への対策として行われたものです。
Updating our site reputation abuse policy | Google Search Central Blog | Google for Developers
https://developers.google.com/search/blog/2024/11/site-reputation-abuse
Google stops letting sites like Forbes rule search for “Best CBD Gummies“ - Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2024/11/google-cracks-down-on-parasite-seo-punishing-established-publishers/
Googleは2024年5月から、検索ランキングを操作する目的のスパムへの対策のために「サイトの評判の不正使用」というポリシーを導入しました。
Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル | ドキュメント | Google for Developers
https://developers.google.com/search/docs/essentials/spam-policies?hl=ja#site-reputation
「サイトの評判の不正使用」について、Googleは「ファーストパーティの監督や関与がほとんどまたはまったくない状態で、サードパーティのページを公開すること」と表現しています。
Googleは具体的な事例までは挙げていませんが、マーケティング代理店・Stone Pressの共同創業者でウェブサイト運営に詳しいラーズ・ロフグレン氏は、経済誌のForbesのサイトランキングシグナルの高さを悪用する「Forbes Marketplace」の存在を指摘してきます。こうしたスパム行為は、サイトのメインコンテンツとはまったく無関係な内容を第三者が公開して、検索ランクの高さに「寄生(パラサイト)」する図式であることから「パラサイトSEO」と呼ばれています。
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ロフグレン氏はForbesのほかに、CNNやUSA Todayも標的になっていると述べています。
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Googleが2024年11月に行った「サイトの評判の不正使用」ポリシーの更新は、まさにこの「パラサイトSEO」を標的としたもの。
Google検索品質チームのクリス・ネルソン氏によると、ポリシー違反だという通知を受信したサイト運営者は、サーチコンソールアカウント経由で再検討を要求できるとのこと。
ネルソン氏は、「サイトの評判の不正使用」ポリシーを明確化することが、すべてのサイトがコンテンツの質に基づいてランク付けされる平等な機会を確保するのに役立つと述べました。また、「サイト運営者は更新されたポリシーをよく理解し、検索エンジンのランキングを得るためではなく、人々のために作成されたコンテンツを優先する高品質なウェブサイトを構築することに集中するのをおすすめします」と述べています。
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