Flash Playerアップデート中止&配布中止へ、Adobeが2020年末でのFlash終了を表明
by Marco Paköeningrat
かつてインタラクティブコンテンツのフォーマットの雄として隆盛を誇りましたが、オープン標準技術であるHTML5・WebGL・WebAssemblyなどの登場によってその役目を終えつつある「Adobe Flash」について、開発元であるAdobeがとうとう2020年をもって廃止する意向を表明しました。
We'll stop updating & distributing Flash Player by the end of 2020. More about our plans & a look at what’s next: https://t.co/P925Dozz6k pic.twitter.com/4Ss82ZfdeI
— Adobe (@Adobe) 2017年7月25日
Flash & The Future of Interactive Content | Adobe
https://blogs.adobe.com/conversations/2017/07/adobe-flash-update.html
Flashの源流はFutureWave Softwareの「FutureSplash Animator」というソフトウェア。この会社を1996年に、同じようにマルチメディアデータ再生技術のShockwaveを持っていたMacromediaが買収して「Macromedia Flash」という名称になり、2005年にAdobeがMacromediaを買収して以降は「Adobe Flash」となりました。
音楽再生やアニメーションなどを含むインタラクティブコンテンツの制作に広く用いられ、YouTubeで動画再生フォーマットとして採用されたことから、ストリーミング再生フォーマットとしても幅広く利用されてきました。
しかし近年、HTML5・WebGL・WebAssemblyなどのオープン標準技術が伸びてきて、YouTubeも標準の再生フォーマットをHTML5に変更。
YouTubeがFlashではなくHTML5でのムービー再生を初期設定にすることを発表 - GIGAZINE
主要なウェブブラウザでも、これらのオープン標準の技術を直接統合するようになりました。
そのため、AdobeではApple・Facebook・Google・Microsoft・Mozillaなどとの共同作業により、Flash廃止へ向けての動きを進め、2020年末でのFlash Playerアップデート中止&配布中止と、新オープンフォーマットへの移行勧告を行う方針を明らかにしました。
サポートについては2020年まで継続して行われ、主要OSやウェブブラウザ向けに定期的なセキュリティパッチ提供や必要な機能の追加が行われるとのことです。
・関連記事
Adobeが「Flashを使うのをやめよう」ということで名前をFlash Professionalから「Adobe Animate CC」に - GIGAZINE
MicrosoftもEdgeでのFlash排除、自動再生をブロックへ - GIGAZINE
FirefoxがFlashを段階的に排除、2017年にはデフォルトで無効にすると発表 - GIGAZINE
Google Chromeの「Flash排除」の動きがさらに前進 - GIGAZINE
次期「Safari 10」では最初からAdobe Flashが無効化される - GIGAZINE
PCを乗っ取られる凶悪な脆弱性が「Flash Player」にあると判明、Adobeが緊急パッチを配布中 - GIGAZINE
これまでのFlashを巡る苦難の歴史「Adobe」vs「Apple」 - GIGAZINE
「AdobeはFlash終了の日を発表すべき」とFacebookのセキュリティ担当が発言 - GIGAZINE
・関連コンテンツ