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高度1万メートルを巡航中のエアバスA319型機に高高度気球がニアミスして150メートル下から撃撮


高度1万メートル以上を時速800kmで巡航中の旅客機を同じ目線の高さで見ることは普通はまず不可能なことですが、「宇宙のへり」を目指してフワフワと上昇を続ける気象観測用の気球が衝突寸前といえる近さに接近し、さらにはGoProでその様子をつぶさに撮影成功した映像が公開されています。

EXTREME Airbus A319 flyby captured by GoPro on a High Altitude Weather Balloon - YouTube


この映像は、高高度バルーンを打ち上げている「Overlook Horizon」のTory Carissimoさんが飛ばした気象観測用の気球に搭載されたGoProが撮影したもの。ニューヨークに拠点を置くOverlook Horizonは複数のバルーン打ち上げプログラムを進めており、今回はニューヨーク州ニューアークの広場から「OLHZN-5 Continuity」と名付けられた気球が打ち上げられています。


ムービーはすでに気球が高度3万7300フィート(約1万1400メートル)あたりを上昇中のシーンからスタート。右下に表示されている気温がすでにマイナス40度を下回っており、大気圧および酸素濃度も低すぎて生身の人間では1分と生存できない環境になっています。


上空の風に揺られてめまぐるしく向きを変えるカメラの視界に、何やら白い線が見え始めました。


白く見えていたのは、旅客機のエンジンから伸びるコントレイル(飛行機雲)。ボストン発デトロイト行きのデルタ航空159便・エアバスA319型機が巡航速度で気球めがけて突進してきます。


デルタ159便は高度3万8000フィート(約1万1600メートル)を速度402ノット(約750km/h)で巡航中。ニューヨーク州ニューアークは、五大湖の1つ・オンタリオ湖にほど近い場所に位置しており、ボストンとデトロイトのちょうど中間地点にあるため、デルタ159便は上空を順調に巡航まっただ中という瞬間のはず。


ユラユラと揺れる気球。ムービーには気球の音声が録音されており、「ゴー」という風の中にジェットエンジンらしき音が聞こえはじめたと思ったら……


突如、画面に猛スピードで飛ぶデルタ159便のエアバスA319型機がアップでフレームイン。このとき、気球の高度は3万7575フィート(約1万1450メートル)を示しており、旅客機と気球の高度差はわずか150メートルほどしかないことがわかります。


デルタ159便は「ゴォォォ……ピュゥン」という聞いたこともない音をたててあっという間に気球から遠ざかっていきます。時速750kmというスピードで飛んでいるだけあって、旅客機が出す騒音は極端なドップラー効果のために近づくときの音は非常に高く、逆に遠ざかるときは非常に低く聞こえているというわけです。


高度差150メートルで航空機と気球が超ニアミスを起こすということで、場合によっては非常に重大なインシデントとして問題視されてしまいそうなこのハプニングですが、実際には気球は航空当局の許可を受けたもので、航空レーダーを反射するための装置も装備しているため、一切問題はない状態で運用されているとのことです。

上記ムービーはBGM付きでしたが、以下のムービーでは文字どおり「生音」そのままの映像を見ることができます。

RAW AUDIO | EXTREMELY close Airbus A319 flyby captured by GoPro on a High Altitude Weather Balloon - YouTube


また、今回の打ち上げではありませんが、同タイプの気球を打ち上げる様子は以下のムービーを見るとよくわかるようになっていました。

GoPro Weather Balloon to Stratosphere over Finger Lakes in NY | High Altitude Balloon | OLHZN-6 - YouTube

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in 乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

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