「スーパーマリオ オデッセイ」などが発表されたE3で宮本茂に海外ゲームメディアが直撃インタビュー
2017年6月14日(水)に「Nintendo Spotlight: E3 2017」が放映され、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」の追加コンテンツ第1弾や、「スーパーマリオ オデッセイ」の最新映像などが公開されました。E3の現地を訪れていた任天堂の代表取締役である宮本茂氏にゲームメディア・GameInformerがインタビューの機会を得たということで、「オデッセイでポップなヨッシーとリアルな恐竜が同時に存在してマリオは混乱しないの?」などの質問をぶつけています。
Miyamoto On Breath Of The Wild, Nostalgia, And If Yoshi And A T-Rex Can Co-Exist - Features - www.GameInformer.com
http://www.gameinformer.com/b/features/archive/2017/06/15/miyamoto-on-breath-of-the-wild-nostalgia-and-yoshi-and-a-t_2d00_rex-co_2d00_existing-super-mario-odyssey.aspx
Game Informer(以下、GI):
「スーパーマリオ オデッセイ」と「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」の間に何かつながりはありますか?また、ゼルダのヒットはオデッセイの開発に影響を与えましたか?
宮本茂(以下、宮本):
マリオチームとゼルダチームはそれぞれ京都と東京にあるので、直接的にやり取りをすることはありません。しかし、任天堂を導いてきた人たちが残した哲学は強く影響していると思います。
※注釈:以下のインタビューで宮本氏が任天堂の哲学について詳しく語っています。
「Nintendo Switch」発売に向けて任天堂の宮本茂がVRへの懸念やAIについて語ったインタビュー - GIGAZINE
ゼルダとオデッセイについては、オデッセイを作るためにゼルダの成功を待っていれば、それは遅すぎると思います。従ってお互いに何か影響を与えたということはありませんが、私に限って言えばプロトタイプに触れたり、テストプレイに協力したりしていました。ゲームがよくできているかを確かめることが私の役割でした。
GI:
「スーパーマリオ オデッセイ」ではリアルな描写のティラノサウルスが登場しますが、ヨッシーが同時に存在することを踏まえるとおかしな気がします。マリオはヨッシーとティラノサウルスの両方を恐竜として認識できるのでしょうか?
宮本:
それは難しい質問ですね(笑) 過去に私はヨッシーのような恐竜が登場するハリウッド映画を見たことがありますが、私は「これは恐竜じゃない!どっちかというとトカゲだ」と思いました。同じように、マリオは恐竜とヨッシーの違いを見分けられると思います(笑) マリオはティラノサウルスをキャプチャーすることができますが、ヨッシーのことは乗り物だと思っているんじゃないでしょうか。
※注釈:「スーパーマリオ オデッセイ」では、マリオは帽子を投げる「キャプチャー」というアクションで、敵キャラクターを操ることができるようになります。
新アクション「キャプチャー」。敵に帽子を被せると、操ることができるんです。キャップを投げて、敵を「キャップチャー」!そうそう、ちょっとした駄洒落です。 pic.twitter.com/1PlOSn3EbC
— スーパーマリオ オデッセイ (@mario_odysseyJP) 2017年6月13日
実際にクリボーやキラーなどをキャプチャーしているシーンは以下のトレーラームービーから見ることができます。
スーパーマリオ オデッセイ 2nd トレーラー [E3 2017] - YouTube
GI:
マリオはティラノサウルスに乗り移ってからヨッシーに乗ることができますか?
宮本:
それはヨッシーにとってあまりにも重すぎます。お願いですからやらないようにしてください(笑)
GI:
マリオの物語についてどれくらい考えていますか?重要なのは一貫性でしょうか?もしくはゲーム間の柔軟性でしょうか?
宮本:
物語について考えることは、マリオが進化し続けるにあたって素晴らしいことです。「スーパーマリオ オデッセイ」では、普通の背丈の人々が歩く現実のようなビル街「ニュードンクシティ」を、通行人の半分くらいの背丈しかないマリオが走り回ります。このアイデアが初めて出たときは、「人々に受け入れられないのではないか」という心配がありました。しかし、マリオが街中をジャンプして回り、タクシーを踏んづけるというゲーム性は、自然に受け入れられたように見えます。ただ、子どもがマネしないように気をつけてもらいたいです。
GI:
あなたは2Dや8-bitのマリオにノスタルジーを感じますか?もしくはノスタルジーを感じるゲームは何ですか?
宮本:
私はいろいろなゲームにノスタルジーを感じます。私はパックマンのようなゲームと一緒に育った世代です。特に私の世代ではおじいちゃんもお父さんも子どもも同じゲームを知っています。このような共通のテーマを持ち続けることは、異なる世代を結びつけ、共有することができます。私は最終的にマリオシリーズ全体が子どもの手によって支えられていくことを期待しています。
GI:
あなたは任天堂の古いゲームにもノスタルジーを感じていますか?もしくは開発していたころの情熱も覚えていますか?
宮本:
間違いなくノスタルジーも情熱も覚えています。実は私たちは内部的にスーパーマリオブラザーズが動作するアーケード機をプレイしています。また、ユニクロTシャツのコンペの入賞者たちと一緒にこのマシンで遊ぶ機会があったのですが、昔を思い出して懐かしかったですね。古いゲームで遊ぶのは今でも楽しいと思いました。
GI:
あなたは勝ちましたか?
宮本:
楽勝でしたよ(笑)
なお、最新作となるスーパーマリオ オデッセイでは土管に入ると昔懐かしのドットマリオになれる場所もあるそうなので、最新ゲームをプレイしながら急にノスタルジーを感じることもあるかもしれません。
土管に入ると…懐かしのドットマリオになれる場所も!?音楽も8-bit版になるんですよ。https://t.co/5Jw8biQa76 pic.twitter.com/yxVqLDVZVB
— スーパーマリオ オデッセイ (@mario_odysseyJP) 2017年6月14日
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