死んでいったスタートアップたちの墓場「Startup Graveyard」
起業家たちが同じ過ちを繰り返さないために、スタートアップの墓場「Startup Graveyard」では過去の失敗事例が集められています。墓場はカテゴリー別で見ることができ、それぞれ失敗にはどういう原因があったのかということが記録されているので、参考にすることで、似たようなスタートアップを作るときに二の舞を避けることができるかもしれません。
Startup Graveyard – History Shouldn't Have to Repeat Itself
http://startupgraveyard.io/
◆事例1:掃除代行サービス「Homejoy」
2012年に「1時間20ドル(約2200円)で掃除のプロを派遣するプラットフォーム」としてスタートしたHomejoyは、5つのラウンドで15の出資者から3970万ドル(約45億円)を調達しました。
しかしリピート率が低く、1カ月後に再び利用したという人は25%、半年後もまだ使っているという人は10%未満。労働者との関係がうまく構築できず訴訟を起こされる事態になったり、有能な働き手や顧客が競合他社へ流れたり、また、急速な事業拡大によって投資に見合う収益が上げられなかったりと、いろいろな事情が重なり、サービスは2015年に終了しました。
Homejoyが失敗した理由とオンデマンドエコノミーの未来 | TechCrunch Japan
http://jp.techcrunch.com/2015/08/02/20150731why-homejoy-failed-and-the-future-of-the-on-demand-economy/
◆事例2:ARMプロセッサ・ARMサーバ「Calxeda」
CalxedaもHomejoyと同じく2012年創業。4つのラウンドで7つの出資者から100万ドル(約1億円)を調達し、ヒューレット・パッカードのサーバー「Moonshot」にもプロセッサが採用されるなど、当初、ビジネスは順調に回っていました。
「ARMサーバは単にインテルプロセッサを置き換えただけではない」。ARMサーバ市場をリードするCalxedaに聞く - Publickey
http://www.publickey1.jp/blog/13/armarmcalxeda.html
2013年当時、CalxedaのAaron Grassian氏はサーバ向けでも現状なら32ビット版ARMプロセッサで十分で、64ビット版はサンプルが2014年にできるという見通しを語っていましたが、そのサンプルが手に入る前に資金が尽きて、2013年12月に事業を停止しました。
ARMサーバのパイオニア、Calxedaが事業停止に - Publickey
http://www.publickey1.jp/blog/13/armcalxeda.html
◆事例3:音楽配信サービス「Rdio」
Skypeの開発者として知られるヤヌス・フリス氏とニクラス・ゼントローム氏が、Skypeのゼネラルマネージャーだったカーター・アダムソン氏とともに2008年に創業したのが「Rdio」。音楽のストリーミング配信サービスで、1億2770万ドル(約140億円)を集め、北米やヨーロッパなどで展開していました。
しかし、「広告付き無料配信」を行うライバルがいた一方で、Rdioは当初有料プランしかなかったことでユーザー集めに苦戦。2013年からは他社と同じような広告付きの無料配信に切り替えましたが、時すでに遅く、2015年に倒産。同時に、7500万ドル(約85億円)でネットラジオサービス「Pandora」に買収されることが発表されました。
ネットラジオ大手、Pandora、ライバルのRdioの資産を7500万ドルで買収―Rdioは倒産へ | TechCrunch Japan
http://jp.techcrunch.com/2015/11/17/20151116confirmed-pandora-buys-key-rdio-assets-for-75m-in-cash-rdio-files-ch-11-to-shut-down/
・関連記事
スタートアップの成長をコメディタッチで描く爆笑ドラマ「シリコンバレー」が本物のIT業界をも釘付けにする14の理由 - GIGAZINE
数々の有名スタートアップを輩出し続けるYコンビネーターによる資金調達の4つのアドバイス - GIGAZINE
スタートアップ企業や才能ある技術者を優遇するフランスのビザ「FRENCH TECH VISA」とは? - GIGAZINE
Google社員が勤務時間中にスタートアップを構築できる「エリア120」とは? - GIGAZINE
・関連コンテンツ