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ディズニーがピクサーのオリジナルアニメ「Win or Lose」からトランスジェンダー要素を削除


ディズニーのストリーミングサービスであるDisney+で、2025年2月からピクサーオリジナルアニメの「Win or Lose」が配信されます。当初、「Win or Lose」にはトランスジェンダーに関するストーリーが含まれる予定になっていましたが、ディズニーによって当該部分が削除されたことが、The Hollywood Reporterの報道により明らかになりました。

Disney Pulls Transgender Storyline from Pixar’s 'Win or Lose'
https://www.hollywoodreporter.com/tv/tv-news/disney-pulls-transgender-storyline-win-or-lose-1236088172/


Disney pulls transgender storyline from Pixar’s new show | Polygon
https://www.polygon.com/tv/498573/disney-transgender-pixar-win-or-lose-banned

Disney+で2025年2月から配信される「Win or Lose」は、ピクルスという名前の男女共学の中学ソフトボールチームが、大会の決勝まで戦う様子を描いた作品です。「Win or Lose」は全8話構成で、エピソードごとに、選手・親・コーチ・審判といった登場人物の球場外での生活に焦点が当てられます。


「Win or Lose」の予告編は以下から視聴できます。

Win or Lose | Available December 6 on Disney+ - YouTube


The Hollywood Reporterがディズニーに問い合わせたところ、同社の広報担当者は「Win or Lose」のストーリーからトランスジェンダー要素が削除されたことを認めました。ディズニーの広報担当者は「低年齢層向けのアニメコンテンツに関しては、多くの親が特定のテーマについて子どもたち自身の条件と時間軸で話し合いたいと考えていることを認識しています」と述べました。

トランスジェンダーのキャラクターは「Win or Lose」に残るものの、性自認に関するセリフはカットされるそうです。「Win or Lose」に近い情報筋によると、ピクサーは数カ月前にトランスジェンダーに関する方針を転換した模様。なお、ディズニーはこれ以上の詳細についてはコメントを控えています。

ディズニーがトランスジェンダーやLGBTQ+に関するストーリーを、作品公開前に削除したのは今回が初めてのことではありません。2022年にアメリカのフロリダ州で「Don't Say Gay(ゲイと言ってはいけない)」法案が可決されたことを発端に、アメリカでは性自認に関する論争が勃発。ディズニーは2022年6月にトイ・ストーリーのスピンオフ映画「バズ・ライトイヤー」を公開しており、同作には同性愛要素が含まれていたことで、議論を巻き起こしました。他にも、2022年11月に公開された「ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界」にも同性愛要素が含まれていたため、両作品は興行成績が振るいませんでした。LGBTQ+コンテンツは特定の国際市場で問題に直面しており、国がより厳しい年齢制限を課したり、コンテンツ自体を禁止したりする可能性もあります。

トイ・ストーリーの「バズ」の知られざるルーツを描いた映画「バズ・ライトイヤー」の最新予告編公開 - GIGAZINE


他にも、2023年2月に放送された「ムーンガール&デビル・ダイナソー」の制作者が、ソーシャルメディア上でディズニーからの指示でトランスジェンダーのキャラクターが登場するエピソードの公開が中止されたことを明かしています。なお、ディズニーはエピソードの公開が禁止されたことを否定し、延期されただけだと主張。さらに、エピソード公開延期の理由もトランスジェンダーのキャラクターが登場したことが理由ではないと説明しました。

ただし、ディズニーはマーベル・テレビジョン作品の「アガサ・オール・アロング」、サーチライト・ピクチャーズの「All of Us Strangers」「ネクスト・ゴール・ウィンズ」「ファイアー・アイランド」、FXの「POSE/ポーズ」など、より大人向けの作品でLGBTQ+関連の物語を描き続けています。

アメリカの次期大統領となるドナルド・トランプ氏やその周辺では、多様性・公平性・包摂性の取り組みがたびたび批判されており、多くの企業がダイバーシティコンテンツの制作を控えようとしていることが広く報じられています。Appleのティム・クックCEOなどのコンテンツ企業の幹部はすでにトランプ次期大統領と面会しており、Netflixのテッド・サランドスCEOもトランプ次期大統領との面会を予定しています。

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in 動画,   アニメ, Posted by logu_ii

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