メモ

30代後半や50代からでもソフトウェア開発者になるのには遅くないという10人の実例


テクノロジー業界の発展に伴ってソフトウェア開発者の人材不足がいたるところで発生していますが、言い換えれば「プログラミングスキルを身につければ仕事に困らない」ということでもあります。とはいえ、「若いころならまだしも、30歳を超えてイチからプログラムの書き方を勉強するのは遅すぎるのでは」と思う人は多いかもしれませんが、下は35歳、上は57歳からプログラミングを習って成功を収めている10人の開発者が「ソフトウェア開発者になるのに遅すぎるということはない」と実情を語っています。

Is It Too Late to Become a Software Developer After the Age of 35, 40, or 50? And to learn programming?
https://belitsoft.com/php-development-services/its-not-too-late-become-software-developer-after-age-35-40-or-50-top-10-true-great-success-stories

35歳からソフトウェア開発者になったエイミー・モーガンさん
モーガンさんはスタンフォード大学図書館の元アーキビストでしたが、35歳のときにオンライン講座でPythonの勉強を始めたとのこと。モーガンさんはすぐにプログラミングに惚れ込み、Hackbright Academyという女性向けのソフトウェア開発者向けのブートキャンプへ参加することにしたそうです。その後モーガンさんは、ワーナー・ブラザース傘下の映画&TV番組のレビューコミュニティ「Flixster」にソフトウェアエンジニアとして入社し、オンラインのチケット販売プラットフォームの構築チームの一員として成果をあげました。現在はSite Reliability EngineerとしてGoogleで勤務しています。

モーガンさんは「『中学校以降にプログラミングを始めても、あなたは何も成し遂げることはできない』というようなことを言う人の話は聞かないことです。テクノロジー業界は広く、席は大量に空いています。若いころは自分の知らないことを認めることは難しいものでしたが、大人になった今だからこそ、知らないものに対するフラストレーションに対処できるのです」と話しています。


36歳からソフトウェア開発者になったクレイトン・ボイルさん
ボイルさんは小規模のレストラングループ経営から不動産業界に転職した経歴を持っていますが、常に「プログラミングを習いたい」という意志を持っていました。36歳のときに「RefactorU」という10週間のブートキャンプに参加し、MongoDB、Express.js、Angular、Node.jsなどのMEANスタックを学習したとのこと。現在は不動産ソーシャルメディアの「BiggerPockets」というウェブサイトで上級ソフトウェアエンジニアとして働いています。

ボイルさんは「私はプログラミングに関する本を買ったり、コースを受けたりしながら、数年間にわたってプログラミング学習に対するモチベーションを持っていましたが、コーディングのブートキャンプの存在を知るまでは、どう学習すればいいのかよくわかっていなかったのです。良いブートキャンプを選ぶコツは、よく調べること、レビューを読むこと、ブートキャンプについて知っている人に話を聞いて、オススメされるかどうか確認することです。あとはあなたの根性を信じることと、事前にできるだけプログラミングの講習などを受けておくことです」と話しています。


38歳からソフトウェア開発者になったウェンディ・ゼノーネさん
結婚して子どもを持つ母親であるゼノーネさんはエステティシャンでしたが、「ソフトウェア開発者になりたい」と思っていたそうです。しかし、家庭のある身で新しい業界に転職して成功するのは大変な作業であり、本当に勇気のいる決断が必要だったとのこと。ゼノーネさん一般的に「未来ある若者」とは見なされない38歳という年齢にもかかわらず、女性向けプログラマー養成ブートキャンプ「Hackbright Academy」に入学し、現在はeBayのローンなどを請け負う「Lending Club」でAssociate Application Security Engineerとして勤めています。

ゼノーネさんは「30代後半の母親として、私は20代前半のころのような時間のぜいたくはできない状態でした。私は開発者になるためインターンの口を探し、あるPR会社で数カ月間インターンとして働きました。するとFacebookからオファーが来て、Facebookの広告部門に入社することになりました。そこで私はFacebookの開発者たちにどうすればコードを扱えるようになるか相談したところ、1人の開発者が『まずはたくさん練習すること』と助言してくれ、書いたコードを見せるとバグの直し方を実演してくれました。残念ながらそんな対応をとってくれる人はほとんどいませんでしたが。その後、女性限定のブートキャンプ『Hackbright』を見つけ、入学試験に1度落ちましたが、2度目に入学できてとてもうれしかったです。卒業後はいろいろなエンジニア職の面接を受けに行き、今に至ります」と語っています。


40歳からソフトウェア開発者になったビル・バーネットさん
17年間にわたって航空機整備士として勤めたバーネットさんは、40歳のときにコンピューターサイエンスを学ぶためシンシナティ大学に入学。長年のキャリアを捨てることに悔いはなく、現在は共同創設者として「Gaslight」という27人規模のソフトウェア開発会社を立ち上げています。会社ではRuby on Railsを使うサーバー関係の開発者として貢献しているそうです。

「私は長年の自分の本心に気づき、大学に戻ることを決意しました。そこに決まった学習メソッドはなく、よく勉強して諦めないことに尽きます。質問を恐れずに開発者コミュニティに関わって、いろんな人と話をしましょう。特に年配の開発者に対しての助言は、自分より若いけど経験豊富な開発者がいたら、近づくのを恐れてはダメです。そして『私は年上だから自分の方がよくできる』という考え方を持たないようにしましょう」とバーネットさんは経験談を話しています。

40歳からソフトウェア開発者になったPavol Almasiさん
Almasiさんは1999年に大学で経営管理の学士号を取得し、その後はプリプレスのスペシャリストとして働きました。Almasiさんは常にプログラミングを勉強したいと思っていたそうですが、プログラミングとは天才のやることだと思っていたため、学校に行きたいとは考えていなかったそうです。2013年にAlmasiさんは40歳になってようやくプログラマー養成学校のMcCann School of Business & Technologyに通い、C++、Visual Basic、Javaなどのコースを受講したとのこと。数カ月でAlmasiさんはほかの若い生徒よりも高度なスキルを身につけました。このことについてAlmasiさんは「おそらく彼らは私が持っていたような熱心なモチベーションを持ち合わせていなかったのでしょう」と話しています。現在は「GUARD Insurance Companies」という保険会社でプログラマーとして採用されたばかり。

「私はいくつもの本を読み、チュートリアル動画を見ました。さらに大切なのは、クレイジーなほど練習を重ねることです。教科書のすべての問題を解き、何を提示する問題だったのかを考え、同じことを再現する別の方法を模索します。2014年に学校を卒業してからは、数え切れないほどの履歴書を送り、いくつかの面接を受けることができました。その時は運がなく、プログラミングに関係ない仕事しか受かりませんでしたが、2週間前にC#のソフトウェア開発者としてサービスやデータベースを構築する仕事に応募したところ、電話面接を通過しました。先週はコードレビューやプログラミングについて話す面接に通過し、今日に最終面接受け、無事仕事を得ることができました」と、現在進行形で成功を収めたそうです。

42歳からソフトウェア開発者になったデレク・ラングトンさん
ラングトンさんはおよそ20年間にわたってマサチューセッツ州の警官隊として勤めたのち、iOS開発者に転職した人物です。42歳のときに一念発起したラングトンさんは、始めにマサチューセッツ工科大学(MIT)とスタンフォード大学のコンピューターサイエンスのビデオコースを視聴したのち、YouTubeのチュートリアル動画の閲覧を続けたとのこと。ラングトンさんは「『食べる、飲む、寝る、開発』これができるかどうかが成功の分かれ目です。中途半端にやるべきではありません」と話しており、現在はフリーのiOS開発者兼、「FFL Startup Accelerator」というスタートアップ支援会社で責任者として務めています。

ラングトンさんは「私はショッピング比較アプリ『Smoopa』のiOS版を作りました。このアプリはApple、USA Today、Consumer Reports、Time、 CNET、TechCrunch、The Wall Street Journalなど、さまざまなメディアで取り上げられました」と語っています。


40代でソフトウェア開発者になったパトリシア・エールハルトさん
エールハルトさんは針治療と企業経営という業界で20年以上にわたってキャリアを重ねて来ましたが、プログラミングの世界でキャリアを重ねたいと思うようになり、スタンフォード大学コンピュータサイエンス教授によって設立されたコーセラのオンラインコースを通じてプログラミングを学び始めました。コーセラには無料のコースもたくさんあり、エールハルトさんはPythonの初心者向け講座である「Programming for Everybody」を受講。数カ月の学習を経て、エールハルトさんはウェブ開発者の職を得ることに成功しました。その後も女性のテクノロジー業界入りを支援する「Women Who Code」のプログラムで2人のメンターから指導を受け、現在は電子書籍関係の開発者としてフルタイム職に就いています。

「自分自身に投資しましょう。私はジョークではなく、毎時間何か新しいことを学んでいます。ほとんどの場合は、昨日より優れた開発者になるための勉強です。長期的には『イノセンス・プロジェクト』『Missing and Exploited Children』やホームレス支援団体など、いくつかの有益な組織に役立つソフトウェアを作るという目標を立てています」と話しています。


40代でソフトウェア開発者になったサラ・パウエルさん
1999年に芸術大学を卒業したパウエルさんは、ヘルスケアなどのさまざまな業界に勤めたほか、フリーランスの音楽家としても活動していました。その後、パウエルさんはオープンソースコミュニティが主催する「Free Code Camp」に参加した結果、医療機関の雇用関係のサービスを提供する「Health Carousel」でソフトウェア開発者として働いています。

パウエルさんは「私はまったくコードが書けないレベルから、フロントエンドの開発ポジションの面接を受けられるレベルまでスキルを磨きました。現職に幸せを感じていて、離職することにまったく興味はありません」と話しています。

40代でソフトウェア開発者になったタイソン・ダーゲティさん
ダーゲティさんは1992年に美術大学を卒業し、その後は起業家としてプロダクト開発に携わる仕事をしていたとのことですが、コードを書いたこと自体は一度もなかったそうです。ある時、もし自分が開発者レベルのスキルを持っていれば、起業家としてより成功できると考え、2013年に12週間のコーディングスクール「Hack Reactor Courses」に参加。卒業後すぐにNikeでウェブ開発者の職を得ることに成功し、現在は1万人以上のエンジニアが在籍するソフトウェア開発会社「GEデジタル」の本社で上級ソフトウェアエンジニアとして働いています。


50代でソフトウェア開発者になったLaurie Alaouiさん
Alaouiさんはなんと57歳の時にJavaScript、Ruby on Rails、jQuery、AJAX、Bootstrap、Foundation、Backbone.js、Undrescore.js、Angular、HTML5、CSS3、SCSS、NoSQL、PostgreSQL, Heroku、AmazonAWSなどさまざまなプログラミングスキルを学べる12週間のブートキャンプ「General Assembly」に参加したとのこと。TEDで「SixthSense」という新技術の動画を見て以来、コード学習はAlaouiさんにとって夢見ていたことだったそうです。現在は小さな開発会社でRuby on Railのフルスタックエンジニアとして勤務しています。

Alaouiさんが感銘を受けたTEDの動画は以下のもの。

プラナフ・ミストリー :次なる可能性を秘めたSixthSenseテクノロジー - YouTube


Alaouiさんは「初めてのプログラミングとの出会いで、私はその人の話す言葉の2%も理解できませんでした。私がわかったのは『プログラミングはとてもパワフル』で、『社会に多くのものを貢献して人々の人生を変えることができる』ということです。私はよく家で数独をプレイしていましたが、もっと楽しいものがあるとわかり、プログラミングの勉強を始めたのです」と話しています。


・つづき
「生涯現役開発者」を貫く40代~60代のソフトウェア開発者たち - GIGAZINE

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in メモ,   ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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